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M&AをトリガーとするシームレスなIT統合・分離

IT統合の可否がディールの成功を直接決定づける。ITをドライバーとして企業のトランスフォーメーションを実現する

ITはM&A関連支出の大きな割合を占める。デジタル化の要請や「2025年の崖」、コロナ禍での変化など多様化・複雑化するIT経営課題を解決するトリガーとしてM&Aを活かすためには、業務、IT組織、システム、データ、セキュリティ等の構造的な把握と一貫したアプローチが必要である。

M&AにおけるITの重要性

IT統合の可否はディールの成功を直接決定づけると言えます。デロイトの過去のディールに基づく試算では、企業全体の統合や一部事業の分離・統合が完了するまでに発生するコストの内、IT関連コストが大部分を占めています。

その一方、M&A経験企業のマネジメント層の多くが「買収後のIT費用が想定を大幅に超過した」、「統合によるシナジー効果を得られていない」といった評価を下しており、経営層がITに対して期待する成果を獲得できていないのが実情と言えます。

<図表1>
M&Aプロセス全体のコスト割合(デロイト試算)
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一貫したアプローチの必要性

ITをドライバーとしてM&Aの期待効果を獲得するには、デューデリジェンスからディール後のPMI(Post Merger and Integration)までを俯瞰した、一貫したアプローチが必要です。

近年ではデジタル化の要請や「2025年の崖」に加え、コロナ禍でのワークスタイル・ライフスタイルの変化への対応など、企業におけるITのリーダーが直面するアジェンダは多様化・複雑化しています。全社的な経営戦略やビジネス部門の要望との整合性を考慮せず場当たり的な対応を行った場合、旧態依然とした業務プロセスや、イノベーションの阻害要因となるレガシーIT基盤が温存され、ITが成長の「足かせ」となる可能性があります。

<図表2>
M&A IT対応における課題
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モニター デロイトが提供するフレームワーク

優れた企業は、M&Aをトリガーとしてこうした課題の解決に取り組んでいます。モニター デロイトは、M&A のライフサイクル全体をカバーするグローバル共通の IT M&A フレームワーク を有しており、業務、IT組織、システム、データ、セキュリティ等の構造的な把握と優先順位付けを通し、確実なIT統合を実現します。

単なるRetention(現状維持)にとどまらない、ITをドライバーとしたTransformation(変革)の実現を目指す企業の伴走者として、M&Aに伴うIT統合・分離のシームレスな実行とITにかかわる経営課題の解決をモニター デロイトはサポートします。

<図表3>
M&A ITサービスライン
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<図表4>
実現するバリューと統合方針の例
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著者

植田 敦/Atsushi Ueda
デロイト トーマツ コンサルティング マネージャー

日系SIerを経て現職。ITとM&Aを起点に、戦略策定からシステム導入支援まで幅広いサービスを提供。製造業を中心に幅広い業界に対して、IT M&Aに伴うITDD、IT Divestiture (カーブアウト支援)、ITPMIの支援実績あり。クロスボーダーM&Aなどグローバル案件に強みを持つ。

(2020.8.19)
※上記の社名・役職・内容等は、掲載日時点のものとなります。

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M&A及びその実行後のビジネスを成功に導いていく上で、テクノロジー上手に使いこなしていくことは必須と言えます。デロイトは、M&Aの構想時点から、Digital Technology及びLegacy Technologyを使い分けたIT戦略立案、ディールの実行およびその後の企業変革(Transformation)までを一気通貫でサポートいたします。テクノロジーを起点としたM&Aや企業変革におけるデロイトの国内外の最先端の方法論や事例、ノウハウをご活用ください。

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