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成長戦略を実現するSuccessful Day1マネジメント

Safe Day1と将来の事業成長を両立させる統合マネジメント

M&A、特にクロスボーダーM&AにおけるPMI(Post Merger Integration)の重要性はますます高まっている。PMIの成功に向けては、買収目的を実現するためのPMI実行計画をディール段階において策定し、確実なClosingのマネジメントだけではなく、当該事業の競争優位性・持続的な成長の確立に向けた土台作りを並行して実施する必要がある。

目次

M&A、特にクロスボーダーM&AにおけるPMI(Post Merger Integration)の重要性はますます高まっている。

2017年経済産業省と弊社にて共同推進した「我が国企業による海外M&A研究会」における調査結果(図1)では、自社海外M&Aを成功と捉える企業は37%に止まっており、M&Aステージ別の振り返りに置いては、PMIフェーズに課題があることが見て取れる。

 

日本企業の海外M&A成功率、海外M&Aの各プロセスにおける取り組みの評価
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M&Aを行う上では、対象企業を自社の戦略を実現するための最良のパートナーとして本当に買うべきか、M&Aの効果を実現するフェーズであるPMIを見据えて検討する必要がある。こうした検討はどの段階から始めるべきだろうか。

調査結果を見ると、案件の初期からPMI準備に着手していた企業ほど、当初目標とした価値をPMIにおいて多く実現できている(図2:回答企業のうちバリュエーション段階までにPMIの検討を開始しているのは約半数に留まる)

 

図2 PMIの検討を開始した時期と、期待した企業価値の実現度
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日系企業が陥りがちな課題として、ディールとPMIの断絶が挙げられる。M&Aが成立するDay1前後で担当者が変更される企業は少なくなく、ディール段階で得た情報が適切にPMI担当者に引継がれず、首尾一貫したM&Aが実現されないケースが散見される。(図3)

 

図3 ディール段階における検討事項のPMIチームへの十分な引継ぎ
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こうした課題の解決に向けて、PMI体制整備とM&Aの期待効果を実現するPMI実行計画の策定を、Day1前より着手することが必須となる。

PMI実行計画策定の前提として、統合基本方針(Integration Blueprint)として、統合後の事業ビジョンやシナジー、統合に向けた取り組みを検討し、PMIプロジェクトにおける拠り所とする。統合基本方針をもとに、Day1における状態とEnd-State(最終的なあるべき姿)を定義し、そこに向かうべきアクションを策定する。

 

図4 統合基本方針の作成
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Day1までに必須なタスクの大別としては、法令の遵守に係るものとステークホルダーとの関係維持に係るものがあり、夫々について事前に網羅的に洗い出すことでDay1時点での「機能不全」に陥ることを防ぐことができる。

 

図5 Day1タスクの網羅的な洗い出し
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また、End-Stateの状態定義においては、買収目的やDeal Valueに立ち返ったうえで、期待効果を算出し、それを実現するためのシナジー施策を検討することが重要となる。デロイト グローバルとして、4,500社以上のプロジェクト実績をもとにした業種別・機能別のシナジーデータベースを保有している。これを活用することで、想定するシナジー施策の定量化目標を設定し、期待効果への達成を検証することが可能となる。
 

図6 デロイト シナジーデータベース(対象企業:グローバルで4,500社以上)
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著者

富野 賢治/Tomino Kenji
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 パートナー

大手通信会社、外資系コンサルティングファームを経て現職。主に製薬、通信、電機メーカー、消費財において、M&A/PMI、事業化・シナジー創出支援、組織再編におけるプロジェクトマネジメントを実践。IEBE Business SchoolにてMBA取得

 

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日本企業による海外企業の買収は年々増加する一方で、買収時に上乗せしたプレミアムを超えるシナジーの実現どころか、減損処理を強いられるなど、想定通り成果を上げるM&A案件は限定されているのが実態です。こうした状況を打破する為に、従来のSafe Day1マネジメントに留まらない、確実なシナジー創出や買収後の業績不振からのターンアラウンドの実現に向け、「PMI成熟度分析」を基にした成功確度と効果を最大化する全社改革のロードマップ策定を支援します。また、統合の前提となる、対象会社とのプラットフォーム統合・経営管理指標の可視化を、最短リードタイムで実現することを支援します。

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