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事業貢献を実現する知財部門への変革

グローバルな事業活動を支える技術視点での戦略的な知財活動の実現

グローバルな事業活動を支えるために、技術視点での戦略立案やリスク分析を通じた戦略的な知財活動を実現するための体制強化・ケイパビリティ構築を図る。

日本の製造業はかねてより特許権等の知財の権利化を積極的に推進してきた。数十から数百名の知財担当者を抱える知財部門を要する企業も少なくない。ところが、昨今はモノ売りからサービス等も含めたコト売りのソリューションビジネスモデルへと各社が鎬を削る中で、知財部門も知財の権利化にその活動をとどめていては、プレゼンスが高まらなくなってきている。AI、IoTといった技術のトレンドに対応しつつ、ソリューションビジネスにおける新しい知財部門の付加価値発揮が求められている。

まず、成熟化した事業領域における知財活動の効率化が必要となる。特許出願や特許管理における労働集約的な業務のアウトソース(BPO)や、RPAやAIを用いた自動化への変化も重要であるが、専門知識を基に判断・分析を行う複雑な業務のアウトソース(KPO)は、非常に有力なオプションとなる。

知財活動の効率化を図った上で、捻出したリソースを新たな事業支援活動に投じていくことが期待されている。技術視点から事業横断で知財活動を展開している知財部門だからこそ、事業活動や技術強化活動に向けた提案を出すことができる。具体的には以下の活動を展開していくことが考えらえる。

  • 技術観点からの新事業のテーマ選定、新用途の提案
  • 技術的な優位性に基づく今後の事業ドメインへの提案、商品の機能強化提案
  • 技術情報分析に基づく新規サプライヤーの発掘・紹介
  • 技術マーケティング視点からの優位性の高い技術領域確保の提案
  • 自社の強みを生かせる有望な新製品につながる新たなM&Aテーマ提案

 

知財部門の目指す姿

【図1】 日本の知財業界を取り巻くイシュー(1/2)
※クリックまたはタップして拡大表示できます
【図2】日本の知財業界を取り巻くイシュー(2/2)
※クリックまたはタップして拡大表示できます

 

コーポレート部門として知財部門に求められる役割は年々難易度が高まっている。日本の製造各社がIoT対応やソリューション事業へのシフトを志向している中で、知財部門もその位置づけを大きく変えていかなければ、コーポレートにおけるプレゼンスを高めることは難しい。

モニター デロイトは、知財部門改革に長年従事する実績と、業種を問わず様々な知財部門のクライアントに向けたソリューション提供を通し、知財部門が経営貢献を果たすためのメソドロジーを保有している。移り変わる市場動向を踏まえた知財部門の在り方を的確に捉え、“強い知財部門”の実現に向けて、実践的かつ短期的に効果を創出するための支援をご提供したいと考えている。

 

 

著者

植木達也 / Tatsuya Ueki
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 マネジャー

大手電機メーカーを経て現職、製造業を中心に様々な業界に対してM&A・組織再編・提携戦略アドバイザリー等の幅広い経験を持つ。
近年では、知財・調達を中心とした本社機能の効率化・高度化に関するプロジェクトへ多数従事。
 

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産業構造・事業環境の大きな変化と不確実性に機動的に対応し、持続的な成長と企業価値の向上を果たすために、戦略推進、成果創出のための基盤構築に向けた持株会社設立・事業分社および関係会社を含む大規模組織再編、グループガバナンス構造改革、コーポレート組織・機能改革などの組織・ガバナンス面の改革をご支援します。

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