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AIを活用したIPランドスケープ分析
特許や論文の大量の情報をAIを活用して読み解き、技術トレンド分析や戦略立案に活かす
特許や論文といった情報は技術動向や企業動向を知る重要な手掛かりとなりますが、膨大な情報から必要な情報を効率よく抽出することは容易ではありません。このような特許や論文を含むビッグデータをAI(機械学習)を利用して読み解き、技術のトレンド把握や深掘り分析、プレーヤーとなる企業やキーパーソンの特定等に活用することで、技術戦略策定等を支援します。
AIを活用したIPランドスケープ分析
多くの技術系の企業では、研究開発の成果を論文発表や特許出願による独占権の獲得という形でビジネスに役立てています。その技術系企業にとっては、論文発表による技術のプレゼンス向上や特許による独占権による参入障壁の防止といったことが期待できますが、第三者にとっては、これらの文献は各種技術や、その技術に注力している企業の動向を知る重要な手がかりとなります。例えば特許でいうと、詳細に内容を見ていくには従来から人手で見るということが行われてきましたが、マクロ的な動向調査をしたい場合などに数千件、数万件といった特許文献の内容を人手で確認するには限界がありました。
近年、様々な機能を提供する商用ツールも出てきて分析の幅が広がってきておりますが、各ツールの仕様や機能では分析しきれない内容もまだ多く存在するという状況にあります。
そこで、デロイト トーマツ グループの知的財産アドバイザリーチームでは、各種データベースや商用ツールを活用しつつ、ツールの制約上実施できない分析については、自社で開発した機械学習プログラムを活用して各種知的財産アナリティクスの分析を効率化し、クライアントにおける技術戦略の策定やアライアンス戦略の策定などにおける分析業務を支援します。
クラスタリングによる技術内容の把握の例
特許や論文の情報を機械学習で分析することにより、クライアント企業の保有技術の新規用途探索や、競合とのベンチマーク比較などの分析を行うアナリティクス・サービスを提供します。
(1)保有技術の俯瞰と新規用途の探索(図1)
例えばクライアント企業の特許出願の内容を機械学習によりベクトル化し、これを2次元に次元圧縮してプロットすることで内容が似通った特許が近くにプロットされ、これを等高線表示すると、そのクライアント企業が保有する特徴的な技術の群(クラスタ)を俯瞰できます(図1)。このクラスタごとの技術群を起点に、世の中一般に存在する特許や論文の中から類似する技術を抽出し、その中から新規用途を探索します。
(2)技術俯瞰図を利用した競合ベンチマーク比較(図2)
また、特定の企業どうしがある技術領域において、どのような特徴の技術にどの程度の特許を保有しているかといった分析も行うことができます(図2)。例えば図2において、自社と競合企業を色分けしてプロットすることで、注目する特許(★)の近くに各企業がどのような技術を持っているかといったこと等を分析し、個々の技術の影響範囲等を可視化します。
各種ネットワーク分析の例
特許や論文の情報に対して機械学習的な手法を活用したネットワーク分析を行うことにより、以下のような新規用途探索、重要技術の分析、アライアンス候補先の探索などを行うアナリティクス・サービスを提供します。
(1) 特許の引用・被引用の関係を利用した新規用途探索(図3)
特許の引用・被引用の関係を分析することで、自社技術に類似する技術の特許出願をしている企業やその出願内容を知ることができます。自社の特許出願の被引用出願に付された特許分類を分析すると、自社出願に付された特許分類とは異なる分類が付された一群の出願が含まれることがあり、そのような出願の中から新たな技術の転用先を探索します。
(2) 特許や論文の被引用のページランク等のネットワーク分析による重要技術の分析(図4)
特許や論文の被引用のネットワーク分析を行い、そのネットワークにおける各特許の中心性の分析等を行うことで、多く引用される重要な特許や論文を把握することができます。そして、それら重要な特許や論文の出願人や発表者所属機関を調査することで、アライアンス候補先となる有力な候補企業を探索します。
(3) 特許や論文の発明者や著者の共起ネットワーク分析によるキーパーソンの分析(図5)
論文の共著者のネットワーク図、や特許出願の共同発明者のネットワーク図を分析することで、複数の人物と共同で研究開発を行っているキーパーソンを把握することができ、例えば、共同研究を行うための有望な大学の先生の候補者を分析結果から探し出してリスト化します。