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アカデミア向け産学連携ソリューション

近年の社会構造の劇的な変化において、さらなる産学連携の深化が求められており、それに伴い生じる多様な課題やニーズに対して、組織特性やアカデミア特有の文化を踏まえたうえで、産学連携の推進に向けた体制・機能の整備、産学連携機能の促進に係るソリューションを提供します。

産学連携の深化の必要性

日本における産学連携の歴史

日本では、1990年代後半より、産学連携を円滑に進めるために大学等技術移転法(TLO法)、日本版バイドール制度などが整備され、2000年初頭より大学知財本部整備事業などを通じて国立大学を中心に産学連携担当部署の設置が進み、日本においても産学連携が活発に取り組まれてきました。

 

産学双方を取り巻く環境の変化

近年、第4次産業革命をはじめとする社会構造の急激な変化や、大学への運営費交付金の削減など、産学双方を取り巻く環境が急激に変化しています。

それに伴い、産業界においては、持続的発展に向け、アカデミアとのオープンイノベーションを通じた多様性ある研究活動が求められています。一方、アカデミアでは公的資金への過度な依存を脱却し民間資金等による資金の多様化が求められており、目的達成に向けて産学連携を深化させるべき局面に立たされています。

 

日本における産学連携の現状

しかしながら、日本における産学連携では、産学連携により得られた成果の社会実装の確率が低く、その連携規模は欧米に比して大きく劣り、産業界もしくはアカデミアが目指す目的を達成する程には産学連携が機能しているとは言い難い状況です。

産学連携促進が不十分である要因

産学連携促進を目的として、国が中心となり施策やガイドラインなどが設定されているにも関わらず、産学連携機能が不十分である要因として、デロイト トーマツ グループは「体制未整備」、「機能未成熟」の2つを仮説として提示します。
 

産学連携の促進に向けたソリューションの方向性

ソリューションの前提 –各アカデミアにおいて必要な機能

研究アイデア創出から産学連携までの各ステップにおいて必要となる機能について、各アカデミアが機能を整備することが望ましいと考えます。より具体的には、 研究アイデアを社会実装するまでのステップに求められる4つの機能(「知的財産」、「契約・コンプライアンス」、「リエゾン」、「インキュベーション」)が必要と考えます。

 

「体制未整備」に対するソリューションの方向性

しかしながら、全機能を自前で整備することは人材・予算面から当然難しいと考えます。そこで、年間の産学連携案件数などの自学の特性を鑑みて、自前による整備に限らず、アウトソースや他大学との機能共有など、外部リソースを活用した効果的な体制整備が肝要でしょう。

 

「機能未成熟」に対するソリューションの方向性

新たに整備した組織や機能において、効果を得るには一定の時間を要することが一般的です。外部から人材を獲得して整備するだけではなく、個々の大学事情へ配慮した多面的な対策が必要でしょう。

産学連携における課題とソリューションのご紹介

産学連携の促進に向けたソリューションの方向性

「体制未整備」に対するソリューションの方向性

しかしながら、全機能を自前で整備することは人材・予算面から当然難しいと考えます。そこで、年間の産学連携案件数などの自学の特性を鑑みて、自前による整備に限らず、アウトソースや他大学との機能共有など、外部リソースを活用した効果的な体制整備が肝要と考えます。体制未整備に関してありがちな課題(一例)と打ち手(案)をご紹介します。


ⅰ:専門人材の不足
研究成果等を保護する知財専門人材、企業との契約交渉を担う契約専門人材、企業へ研究を紹介するリエゾン専門人材、大学発ベンチャーを支援する専門人材が必要となります。しかし、予算などの都合から学内整備が困難、専門人材を雇用したいが産学連携に適した専門人材が世の中に不足している、という課題をよくお聞きします。上記課題への打ち手としては、雇用、もしくは専門人材を抱える組織へのアウトソースが考えられます。また、ベンチャー関連の専門人材に関しては、VCとの連携などを通じて支援を獲得することも一案と考えられます。


ⅱ:産学連携のメニューの不足
企業との連携に際しては、硬直的ではなく企業のニーズに合わせた柔軟な対応が求められます。しかし、企業との産学連携に活用できる学内規則・契約が不足しており、企業ニーズに応じた適切なスキームを提案できず、最悪の場合は機会逸失に繋がるという課題をお聞きします。上記課題への打ち手としては、国内外の先進的な取組を調査し、自学向けの制度設計や規則・契約雛型を作成することが考えられます。特に、国内大学であれば、取組内容とともに、学内での事務処理方法なども参考にすることができると考えられます。

「機能未成熟」に対するソリューションの方向性

新たに整備した組織や機能において、効果を得るには一定の時間を要することが一般的です。外部から人材を獲得して整備するだけではなく、個々の大学事情へ配慮した多面的な対策が肝要であると考えます。機能未成熟に関してありがちな課題(一例)と打ち手(案)をご紹介します。


ⅰ:適切な知財の価値評価/未活用特許の増加
承継要否、維持判断の際、知財の価値評価が困難であり、その結果として権利活用が進まず未活用特許が増加し知財予算が維持コストにより逼迫するという課題をお聞きします。上記課題への打ち手としては、第三者の客観的な評価を活用することが一案として挙げられます。また、出願後も定期的に権利価値やライセンス可能性の評価を行い、棚卸をしていくことが重要と考えられます。特に、棚卸の際、未活用特許に関して、新たな用途の探索を通じたライセンス可能性の再探索を行うことが望ましいと考えます。

ⅱ:企業へのライセンス等の対価設計
企業へのライセンスにあたり適切な対価算定が困難である、企業との共有特許の不実施補償に関する交渉が難航するという課題をお聞きします。上記課題への打ち手としては、弁理士などへのアウトソース、または第三者が提供する特許価値評価サービスを活用することが考えられます。特に、不実施補償に関する交渉においては、大学の貢献度などを適正・公平に評価し、ファクトに基づく交渉を実施することが望ましいと考えます。

支援メニュー

産学連携を推進するために向けて、「知的財産」、「契約・コンプライアンス」、「リエゾン」、「インキュベーション」の4つの機能について、ワンストップでご支援することが可能です。4つの機能への包括的なご支援、各機能への個別のご支援など、お客様のニーズに併せて支援致します。

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