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OECDによる第1の柱・利益B:基礎的販売活動に対する移転価格設定に係る市中協議文書の公表について(2022年12月8日)

Japan Tax Newsletter:2023年1月13日号

2022年12月8日、OECDは「第1の柱・利益B」の主要な設計要素に関する市中協議文書を公表し、独立企業間原則に基づく「基礎的販売活動(baseline distribution activities)」に対する価格算定に係る新たなプロセスを概説している。

Executive Summary

  • 2022年12月8日、OECDは「第1の柱・利益B」の主要な設計要素に関する市中協議文書を公表し、独立企業間原則に基づく「基礎的販売活動(baseline distribution activities)」に対する価格算定に係る新たなプロセスを概説している
  • 2021年10月にBEPSに関するOECD/G20包括的枠組み(Inclusive Framework:以下「OECD包括的枠組み」)の135以上の加盟国によって合意された世界的な税制改革に関する声明に続くものである。2017年以降、OECD包括的枠組みの加盟国は 「二本の柱」からなるアプローチを進め、利益Bは利益配分に関する「第一の柱」の対象とされる。利益Bは「ルーティン」な販売活動を行う全ての多国籍企業に適用されるもので、利益Aと異なり、巨大多国籍企業のみに適用対象が限定されていない
  • 現在検討されている統一的なTNMMアプローチを用いた算定方法によって、企業は利益B対象の販売会社について独自にベンチマーク分析を行う必要性がなくなるが、一方で利益B適用に係る判定や文書化などについて対応が新たに求められるであろう
  • 利益Bに関する技術的作業の完了と最終成果物の公表は2023年半ばとされている
     

※本記事は、掲載日時点で有効な日本国あるいは当該国の税法令等に基づくものです。掲載日以降に法令等が変更される可能性がありますが、これに対応して本記事が更新されるものではない点につきご留意ください。

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