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ガバナンス:企業の信頼喪失につながるAIリスク

Trustworthy AI™によるAIガバナンスおよびリスクコントロール

デロイト トーマツ コンサルティングでは 、クライアントのビジネスの中心にAIを据え、変革を推進することを目指します。AIがその活用領域を拡大していくにつれ、透明性や公平性、プライバシーの侵害等、AIに関する様々なリスクにどのように対処すべきか、企業は頭を悩ましています。「Trustworthy AI™」は、AIガバナンスおよびリスクコントロールに関しての一貫した方法論を提供します。

なぜ「Trustworthy AI™」が必要なのか

最近のアニュアルレポートの分析から、あるトレンドが見て取れます。Wall Street Journalの記事によると、AI(人工知能)の利用をリスク要因として報告した企業の数は、2018年において前年比が2倍に上りました。効果的なAIの活用により飛躍的な利益が期待される一方、倫理的な安全策を講じずにAIを導入した場合、企業への「信頼」が損なわれる可能性が危惧されています。

どのように「信頼」を作り上げるか

一般的に消費者は、ウェブページのスクロールやオンラインバンキング、カスタマーサービスへの電話などの行動を通じて、1日に何百回、何千回と組織と「取引」をしています。一見、無料であるかのよう思われるこれらの取引ですが、消費者が生み出す「データ」が対価として企業へ支払われているのです。

消費者から信頼を得るためには、これらのデータを倫理的に扱うための仕組みが必要となります。AIを活用する上で発生し得るバイアスに注目し、AIの倫理を重視していくことで、企業は顧客データを保護することができ、同時にブランドエクイティと顧客の信頼を築くことができます。

企業は何から取り掛かるべきか

AIの商業的な規制はまだ策定の初期段階にありますが、他社によるロードマップの作成を黙って待っていては、利益を逃すことに成り得ます。

組織の取締役会とC-suiteは、「倫理的なAIの活用方法」を無視できない必須事項と捉えるべきです。この課題に取り組むにあたり、「Trustworthy AI™」のフレームワークを活用することで倫理的なAIの活用を促進し、顧客と従業員からの信頼を維持することができます。

デロイトのTrustworthy AI™フレームワーク

デロイトでは、「信頼」をすべての行動の中心に据えています。多次元的なフレームワークを整備し、主要な6つの次元から企業における倫理的な安全策の開発をご支援します。これはAI活用に関連するリスクを管理し、効果を活かすための重要なステップとなります。

Trustworthy AI™では、フレームワークの6つの次元(公正性と公平性、透明性と説明可能性、責任と説明責任、堅牢性と信頼性、プライバシーの尊重、そして、安全性と安心)に基づき、アイデア出しから設計、開発、展開、機械学習運用(MLOps)といったAIライフサイクルの各工程にガバナンスと規制遵守を組み込みます。具体的には、各工程において、テクノロジー、プロセス、従業員トレーニングを組み込むことでAIガバナンスを実装します。これには、リスク評価、管理メカニズム、全体的なコンプライアンスを促すために、適用される規制を遵守することも含まれます。ガバナンスとコンプライアンスを組み合わせることで、企業およびステークホルダーは、AIの展開が倫理的であり、信頼できることを確認することができます。

デロイトのTrustworthy AIのフレームワークは6つのカテゴリから成る。
クリックまたはタップすると、拡大版をご覧になれます

公正性と公平性 - Fair and impartial

AIがすべての参加者に対して公平な運用となるかについて、内部および外部のチェック体制が設けられているかを評価する。

透明性と説明可能性 - Transparent and explainable

データの利用方法、および、AIシステムがどのような処理をするかを参加者が理解できるようにする。アルゴリズム、属性、相互関係などは参加者に対して公開された状態にする。

責任と説明責任 - Responsible and accountable

AIの決定事項のアウトプットに誰が責任を持つかを明確に決定できるような組織体制や方針を整備する。

堅牢性と信頼性 - Robust and reliable

AIが人間や他のシステムから学習し、信頼性の高い一貫したアウトプットを出す能力を持つことを確認する。

プライバシーの尊重 - Privacy

データプライバシーを尊重し、顧客データに対して意図・明示した用途を超えたAIの活用はしない。データの共有について、顧客が自らの意思でオプトインおよびオプトアウトできるようにする。

安心・安全 - Safe and secure

物理的・デジタル的な被害をもたらす潜在的なリスク(サイバーリスクを含む)からAIを保護する。
 

Trustworthy Artificial intelligence (AI) ™(原文)

Trustworthy Artificial intelligence (AI) ™ | Deloitte US

プロフェッショナル

下川 憲一/Kenichi Shimokawa

下川 憲一/Kenichi Shimokawa

デロイト トーマツ コンサルティング 執行役員

総合商社、サービス業、メディア業、通信業等など幅広い業界に対して15年以上の支援を行っている。 中期経営戦略、事業戦略、新規事業開発などの戦略立案プロジェクト、業務改革、組織構造変革と連動したコスト低減、自動化推進プロジェクトを数多く手がけている。 戦略・計画立案だけでなく、実行サポートの経験も豊富。 >> オンラインフォームよりお問い合わせ... さらに見る

大平 匡洋/Masahiro Ohira

大平 匡洋/Masahiro Ohira

デロイト トーマツ グループ パートナー

デロイト トーマツ コンサルティング 執行役員 戦略策定から業務改善、IT導入に至るまで幅広いコンサルティングサービスを20年以上にわたり提供。現在はグループ内でのデータアナリティクス(データ分析による経営決定支援)領域をリードする。 関連サービス ・ アナリティクス & コグニティブ(ナレッジ・サービス一覧はこちら) >> オンラインフォームよりお問い合わせ... さらに見る

宍倉 剛/Tsuyoshi Shishikura

宍倉 剛/Tsuyoshi Shishikura

デロイト トーマツ コンサルティング 執行役員

AIスタートアップ、国内系コンサルティング会社を経て現職。 先進技術を用いた新規ビジネス創出、業務の変革等、企業のデータドリブン・トランスフォーメーション実現に従事。データサイエンス領域における戦略策定・業務変革、組織設計・人材開発に強みを持つ。 『ビッグデータ総覧』日経BP社等、著書・寄稿多数。   関連サービス ・ストラテジー・アナリティクス・M&A >> オンラインフォームよりお問い合わせ... さらに見る

中山 嘉春/Yoshiharu Nakayama

中山 嘉春/Yoshiharu Nakayama

デロイト トーマツ コンサルティング 執行役員

製造業・金融機関を中心に財務・経理領域の業務変革や大規模グローバルシステム関連プロジェクトをリードし構想策定から業務・システム導入まで幅広い経験を持つ。近年はロボティックプロセスオートメーション(RPA)、クラウド型プラットフォームを活用したオペレーションモデル改革の取り組みを行なっており、多様な変化に応じた様々なニーズを持つクライアントへサービス提供をしている。 関連するサービス: ・エンタープ... さらに見る

吉沢 雄介/Yusuke Yoshizawa

吉沢 雄介/Yusuke Yoshizawa

デロイト トーマツ コンサルティング 執行役員

データサイエンティスト職を経て現職。自動車、消費財、EC、商社、広告代理店業界を中心に経営意思決定・マーケティング・セールス領域におけるアナリティクスやデータ、デジタルを活用した戦略策定から実行支援に強みを持つ。近年はデータ駆動型経済におけるDX戦略及び全社改革、デジタル関連企業のM&Aを中心に従事。企業活動にエビデンスに基づいた意思決定する仕組み・文化を導入することを推進している。 「パワー・オ... さらに見る