人口減少時代の最重要課題は1人当たり付加価値の向上である
本書の目的は、人口減少下にあっても価値循環を生み出すことで、一人ひとりの豊かさや幸福感の持続的な向上を実現し得るという成長のシナリオを、「循環型成長モデル」として提示することだ。
将来への手応えと予見可能性を高めることで、一人でも多くの人が「明日は今日よりも良くなる」と感じられる日本社会の指針になることを目指している。
『価値循環の成長戦略 人口減少下に“個が輝く”日本の未来図』
目次
- 第1章
- 人口減少時代の最重要課題は1人当たり付加価値の向上
- 第2章
- 付加価値向上を目指す企業が取るべき3つの成長パターン
- 第3章
- 人口減少下でも成長する地域経済の戦略発想
- 第4章
- 新市場を創る7つの「成長アジェンダ」と日本の勝ち筋
- 第5章
- 付加価値の高い雇用を生み出す2つの「労働移動」
- 第6章
- “個”を生かす「全世代型リスキリング」と「レベルアップ型」賃上げ
- 第7章
- “個が輝く”日本を目指して
「壁」を乗り越えて新たなつながりを創出することが循環型成長への道筋となる
日本の長期停滞の背景にあるのは、内向きな個別最適志向によって生み出され、柔軟かつオープンな連携を阻んできた様々な「壁」の存在だ。本書では、こうした「壁」を乗り越えて1人当たり付加価値を持続的に成長させている企業や地域の成功事例を分析し、個の付加価値を高める価値循環を効果的に生み出していくための実践的な方法論を示す。さらに、「壁」を乗り越えた個人、企業、地域などがつながり、日本全体で生み出す付加価値を高め、それを個々人のレベルでの豊かさの向上に持続的に結びつける社会的な仕組みとしての「循環型成長モデル」について詳しく解説する。
第1章 人口減少時代の最重要課題は1人当たり付加価値の向上
持続的な賃上げには「1人当たり付加価値」の向上が不可欠
人口減少を乗り越える成長戦略のコンセプトは「価値循環」
価値循環の社会実装を可能にする「循環型成長モデル」
第2章 付加価値向上を目指す企業が取るべき3つの成長パターン
人口減少下で成長する企業に求められる戦略軸とは
「共通化」と「差異化」の両軸での経営戦略を実践する高成長企業
高成長企業の分析から見えてきた3つの成長パターン
ライフライン化 SBSホールディングス
M&Aで守備範囲を広げ顧客の多様なニーズに対応
アイコン化 シマノ
「自転車部品といえばシマノ」業界内で圧倒的地位を確立
コンシェルジュ化 オイシックス・ラ・大地
独自のサブスクリプションモデルで新たな食との出会いを提案
インサイト 財務指標分析から見る企業の1人当たり付加価値向上の要因
第3章 人口減少下でも成長する地域経済の戦略発想
人口減少と経済成長は必ずしも関係しない
人口減少下で1人当たり付加価値向上を達成する「高成長地域」
ケース1 徳島県那賀町:日本一、ドローンの飛ぶまち
ケース2 秋田県小坂町:国内有数の非鉄金属の資源循環のまち
ケース3 北海道更別村:先端技術とデータで高齢者が幸せに暮らせるまち
価値循環の視点「共通化」と「差異化」で「壁」を乗り越える
第4章 新市場を創る7つの「成長アジェンダ」と日本の勝ち筋
様々な「壁」を乗り越え、業界横断的に新たな市場を創出
モビリティー 「自動車大国」から「モビリティー大国」へ
ヘルスケア 健康長寿ソリューションの全世界展開
エネルギー 「多層的エネルギーミックス」の構築で世界をリード
サーキュラーエコノミー 「少資源国」から「再生資源大国」へ
観光 日本全国テーマパーク化
メディア・エンターテインメント コスモポリタン・エンターテインメントの追求
半導体 オープンなシリコン城下町の創造
第5章 付加価値の高い雇用を生み出す2つの「労働移動」
大循環の実現に必要な、労働移動と労働生産性向上
日本全体の労働生産性と「2%のハードル」
日本の産業別の就業者数と労働生産性の現状
全体の労働生産性を高める労働移動の2つの方向性
2つの労働移動をどのように実現するか
第6章 “個”を生かす「全世代型リスキリング」と「レベルアップ型」賃上げ
個人の豊かさに関わる「小循環」をいかに実現するか
雇用機会創出と人材育成を戦略的に連携させる「デンマーク・モデル」
日本に求められる「全世代型リスキリングエコシステム」
「ベア」から「レア」へ。持続的な賃上げを経済に組み込む
「将来への期待」を高め、所得向上を消費拡大につなげる
第7章 “個が輝く”日本を目指して
循環型成長は、個人にも当てはまる
「個」を起点に活躍できる時代
「IKIGAI」の追求がよりよい明日をつくる
人口減少時代は、“個が輝く”時代~同調から“協調”へ
- 著者
- デロイト トーマツ グループ
- 発行
- 日経BP
- 発売日
- 2024年4月30日
- ページ数
- 312ページ
- 価格
- 1,980円(税込み)
- ISBN
- 978-4296204786
主な執筆者
※役職名・肩書き等は、記事公開当時のものです。
第2章
川中 彩美/Kawanaka Ayami
デロイト トーマツ グループ合同会社
マネジャー
第2章、第3章
松原 信英/Matsubara Nobuhide
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
第2章、第3章
毛利 研/Mori Ken
デロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社
デロイトアナリティクス
シニアマネジャー
第2章、第3章
篠原 滉/Shinohara Hiroshi
デロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社
デロイトアナリティクス
第3章、第6章
渡邊 翔吾/Watanabe Shogo
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
第4章 ヘルスケア
眞砂 和英/Masago Kazuhide
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
シニアマネジャー
第4章 サーキュラーエコノミー
吉原 博昭/Yoshihara Hiroaki
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
ディレクター
第4章 サーキュラーエコノミー
橋本 寛/Hashimoto Hiroshi
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
シニアマネジャー
第4章 メディア・エンターテインメント
越智 隆之/Ochi Takayuki
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
ディレクター
第4章 メディア・エンターテインメント、半導体
柳川 素子/Yanagawa Motoko
デロイト トーマツ グループ合同会社
マネジャー
第4章 半導体
三津江 敏之/ Mitsue Toshiyuki
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
シニアマネジャー
第4章 半導体
児玉 英治/Kodama Eiji
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社
シニアマネジャー
第5章
梶田 脩斗/Kajita Yuto
デロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社
マネジャー