調査レポート

Consumer Tracker COVID-19に関する消費者動向

第12回(2020年11月発表)反映版

COVID-19パンデミック下における消費者意識はどのように変化したか、世界19か国対象の調査より解説する。

はじめに

デロイト グローバルでは、世界19か国・各1,000人を対象にパンデミック下における消費者意識の変化を定期調査している。本調査は、こうした状況下で消費者の消費行動の意識がどのように変化するか、感染が落ち着いてきている諸外国の状況とも比較しながら、経済の脆弱性と個々の安全の相互作用について理解を深めることを目的に、2020年4月から、2021年1月(現在)まで計14回の調査を実施している。このうち本稿では、2020年11月発表の第12回調査結果までの各国の動向について詳述する。最新の調査結果については「Deloitte State of Consumer Tracker」をご覧いただきたい。

Consumer Tracker
第12回(2020年11月発表)反映版 [PDF,5.8MB]

消費者懸念

世界の消費者が依然、健康と経済への二重の危機に対し強い警戒を示しており、世界ではワクチン接種が始まっている国もあるものの、根本的な解決策がもたらされていない状況で不安解消は見られない。

  • この調査を開始した2020年4月よりも、体調などに不安を感じている層は減少傾向にあるが、感染者が縮小傾向にある国であっても、不安を感じる層が多く存在する。
  • 中進国や新興国では、感染への不安同様に失業への不安が大きい。足元の資金繰りに苦慮する層が相対的に多く、個人消費の引き締めに拍車がかかる可能性がある。
  • 一方で、店舗を利用する消費行動に関する安心感は、感染者数が落ち着いてきている国を中心に回復傾向にあるが、接触を回避する意識は根付いており、利用控えは継続の傾向が窺える。
     

自動車

  • 現在車を所有する半数以上の人々が、当初の予定よりも長く車を持ち続けることを予定しているが、先進国と新興国ではその理由に違いが窺える。
    欧州や日本をはじめとする先進国では、経済的な不安からの新車の購入控えではなく、現在保有の自動車の状態が良好で買い替える必要がないという層が6割以上を占める。
    一方で、南米などの発展途上国では、経済的な理由により現状所有する自動車を利用し続けると回答する層が多い。
  • 自家用車のメンテナンスについても、同様の傾向が見受けられ、特に新興国ではCOVID-19による自動車関連の個人消費の減速が推測される。
  • 高額消費となる自動車の購入については、オンラインでの購入意向は各国で低位である。コロナ禍でEC化率が拡大しつつある日用品などとは異なり、自動車のEC利用については慎重である。
    しかし、2019年時点のEC化率が36.6%*1とEC市場規模が拡大し続けている中国では半数以上がオンラインでの自動車購入意向を示しており、前向きな姿勢を取っている。一方で、日本は調査対象国の中で、最も利用意向が低い。
  • ソーシャルディスタンスを維持することが非常に困難という理由から、公共交通機関の混雑を警戒し、多くの消費者が利用を制限すると回答している。中でも変異種の確認などにより、欧州では10月以降公共交通機関を回避する意向が上昇している。

*1:経済産業省:「令和元年度 電子商取引に関する市場調査」より 中国におけるBtoC市場規模
 

小売関連

  • 新規感染者数が落ち着きを見せている中国・インド以外では、消費意識の冷え込みが窺えるものの、全体として生活必需品に関する支出マインドが高く、ほぼすべての国で「食料品」や「日用品」への支出マインドが上位を占め、「旅行」は最も支出マインドが低い。
  • 支出マインドが高い生活必需品の購入チャネルは、ECよりも店舗を選択する比率が高く、パンデミック下でも店舗利用主義が窺える。生活必需品については、各国2割以上が必要以上の備蓄を行っていると回答している。
  • 近年EC需要が高い「書籍」や、オンラインで簡単に価格比較ができる「電子機器」は、オンライン購入意向が高い。
  • 感染が拡大する中で、利便性に対する支出意識は国により差が見られる。配送などサブスクリプションサービスなどを展開している小売業者が多い米国や英国では、利便性に+αの支払いをしてもよいという消費者が多い。
     

旅行・観光関連

  • 小売同様に中国・インドを除く各国で、今後の旅行の可能性は低く、第二波や変異種の拡大によりさらに旅行へのマインドは冷え込みが窺える。
  • 飛行機への搭乗やホテル宿泊への懸念は徐々に払拭されているが、急激な回復は見られない。特に欧州では感染の再拡大と共に、10月以降、利用意向や安心感が大幅に低下している。
  • 「Gotoトラベルキャンペーン」など観光促進施策を行った日本では、他国に比べ旅行に関する安心感は低いものの、東京発着のキャンペーン開始後に支出マインドや安心感は増加。しかし、国内第三波やキャンペーン停止により、今後旅行への消費意識は低下するものと推測される。
     

消費者意識に加えて社会・事業者においてCOVID-19がどのような環境変化を生むのか、そして“Post COVID-19”の世界観で自動車関連企業が取るべきアクションについて具体的な方策も交えて考究した下記レポートもご参照ください。

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