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IR・カジノに係る法規制、カジノ管理委員会の概要~シンガポール

統合型リゾート(IR:Integrated Resort)

近年アジアでのIRビジネスの成功事例と言われている、シンガポールのカジノ(ゲーミング)に係る法規制、カジノ管理委員会の概要について解説します。入場料の徴収等は、シンガポールの事例が参考にされるものと想定されています。

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Ⅰ. はじめに

シンガポールでは、国際競争力の向上及び旅行者の増加に寄与するため、2005年にゲーミング(カジノ)を合法化し、2010年にマリーナ・ベイ・エリア及びセントーサ島にカジノ、ホテル、ショッピングモール、コンベンション施設等を有するIR施設を開業しました。

マリーナ・ベイ・エリア及びセントーサ島におけるゲーミング(カジノ)運営者の選定においては、RFC(事業構想公募・Request for Concept)とRFP(事業提案公募・Request for Proposal)を実施しました。RFCに応募した16社のうち、適格性審査を通過した14社を入札指定業者とし、最終的にRFPに参加した7社の中で、ラスベガス・サンズ・コーポレーションがマリーナベイエリアを、ゲンティン・グループがセントーサエリアを落札しました。

近年、アジアでのIR設置の成功事例と言われている、シンガポールのゲーミング(カジノ)に係る法規制、規制当局は、日本における法規制の整備や規制当局の設置に際して参考にされることが想定されます。特にIR実施法案(基本的な考え方)で検討されている入場料の徴収等は、シンガポールの事例が参考にされるものと想定されています。

(340KB, PDF)

Ⅱ. シンガポールのゲーミング(カジノ)に係る法規制、規制機関の概要

シンガポールでは、カジノ管理法(Casino Control Act)とカジノ管理規則(Casino Control Regulations)において、ゲーミング(カジノ)に係る諸規制を規定しています。カジノ管理法は内務省大臣によって制定され、カジノ管理規則は内務省を含む各省庁の大臣、及びカジノ規制機構によって制定されています。カジノ管理法は、カジノ産業の規制構造、運用、統制等について規定しており、カジノ管理規制では、入場料の徴収やライセンス取得の手続き等、カジノ管理法に規定されている内容をより具体的に規定しています。

シンガポールでは、内務省の管轄下にカジノ規制機構(Casino Regulatory Authority)があり、カジノ産業の透明性を維持するために監督・監視を行っています。カジノ規制機構は、カジノ管理規則を制定するほか、管轄下にある委員会を通じて、カジノ運営に係る様々な法規制を施行するとしています(図表1参照)。

シンガポールでは、カジノ事業に係る法人・個人はライセンスの取得が義務付けられています。主に、カジノ運営者、カジノ事業の関連事業者がライセンス取得の対象となっており、カジノ管理機構による審査の後、ライセンス付与の最終判断が行われます。

シンガポールでは、カジノの売上高に対してカジノ税が課税されます。課税率は、富裕層顧客と、それ以外の顧客によって異なり、富裕層顧客からの売上に対しては5%、それ以外の顧客からの売上に対しては15%の税率で課税されます。また、カジノ管理法により、シンガポール国民はカジノへの入場が制限されており、24時間毎に100シンガポールドル、もしく年間2,000シンガポールドルの入場料の徴収が義務付けられています。


※図表につきましてはPDFをご確認ください 

 

IRビジネス・リサーチグループの最新活動

下記IR(統合型リゾート、Integrated Resort)についての海外事例のナレッジを提供している、IRビジネス・リサーチグループの最新の活動をご紹介いたします。

 

【IRビジネス・リサーチグループの最新活動】

>IR実施国の調査報告書~平成27年度 横浜市委託調査
先進的な統合型リゾート導入事例等について情報を収集・集約・整理・分析等を行い、横浜市の取り組みを支援。

>IR整備状況などの調査報告書~平成26年度 東京都委託調査
海外における統合型リゾートに関する調査業務を受託。

>特定複合観光施設区域に関する調査~平成26年度 内閣官房委託調査
海外での先進的な統合型リゾート導入事例等について情報を収集・集約・整理・分析し、統合型リゾートを検討する内閣官房の取り組みを支援。

>書籍『カジノ産業の本質 ~社会経済的コストと可能性の分析~』を監訳(2015年6月発行)
カジノの光と影/IRビジネスを経済の視点から解説。

>『月刊レジャー産業資料』2015年6月号〔特集〕統合型リゾートに執筆
「海外にみるギャンブル依存症対策の枠組み」と題して、有限責任監査法人トーマツ パートナー 仁木 一彦 および マネジャー 西 翼 が執筆。

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