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次世代の内部監査~アジャイル型内部監査~

内部監査の新潮流シリーズ(22):優れたインパクト、タイムリーなインサイト、ステークホルダー満足度の向上に向けて、アジャイル型内部監査が有用です。

アジャイル型内部監査は内部監査部門がステークホルダーと協同しながら、高いリスクに着目し、機動的に内部監査を実施する新しい監査アプローチです。1サイクルで3か月程度かかる伝統的内部監査に比べて、ステークホルダーのニーズにフォーカスし、監査サイクルを短縮し、タイムリーに洞察を提供し、無駄な作業を極力削減して2週間程度の小監査(スプリント)を繰り返すことに特徴があります。

デロイト トーマツでは、「内部監査の新潮流」と題して内部監査のトピックスを全24回にわたり連載いたします。前半は、内部監査の基礎となる事項をとりあげ、後半は次世代の内部監査に求められる最新のトピックスを取り上げます。全24回の詳細はこちらのページをご覧ください。

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アジャイル型内部監査とは

目まぐるしく変化するビジネス環境に対応するため、内部監査はこれまでにないほどのスピードでさまざまなリスクへの対応を迫られています。それらのリスクに適時、適切に対応するために内部監査アプローチをより進化させる必要があり、その一助となり得るものがアジャイル型内部監査です。

アジャイルとは品質を維持しながらコストを削減し、納期を短縮することを目的とするソフトウエア開発手法の一つです。内部のカスタマー(ステークホルダー)を巻き込んで短期間にテストを反復し、要求水準を絶えず見直しながら開発を進めていくことが主な特徴です。
これを内部監査に適用したのがアジャイル型内部監査です。ステークホルダーのニーズにフォーカスし、監査サイクルを短縮し、タイムリーに洞察を提供し、無駄な作業を極力削減することに特徴があります。

アジャイル型内部監査と伝統的内部監査の違い

伝統的内部監査では、個別計画策定から報告まで平均で3か月程度かかることが多いです。計画段階でしっかりと準備し、監査で実施する手続きを事前に合意し、往査では決められた手続きをしっかりと実施し、監査の過程で入手したほぼすべての情報を報告書にまとめて報告します。一方、アジャイル型内部監査では監査対象領域のうちリスクの高い領域について計画から報告まで2週間程度の小監査(スプリント)で実施します。

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アジャイル型内部監査の特徴

アジャイル型内部監査は内部監査部門がステークホルダーと協同しながら、より機動的により高いリスクに着目しながら内部監査を実施する新しい監査アプローチです。

アジャイル型内部監査は小監査(スプリント)を「繰り返し」行います。個別監査において、最新のリスク情報を反復・継続して入手・評価し、監査スコープの優先度も「繰り返し」見直します。監査の過程で入手する情報を関係者でタイムリーに共有し、コミュニケーションを頻繁にとりながらスプリント終了後に「さらに深堀するか」「次のリスクに移るか」「(十分に検証できたので)内部監査を終了するか」をタイムリーかつ機動的に意思決定していきます。

2週間で小監査を完了させるため、テクノロジーを活用した効率的な監査に加え、シンプルな報告書(Point of View, POV)を作成することも特徴です。

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アジャイル型内部監査に関する詳しいご説明をご希望される方はトーマツのプロフェッショナルにお問い合わせいただくか、当ウェブサイトよりお問い合わせください。

また、内部監査におけるアジャイルの活用に関するグローバルサーベイの結果をまとめたレポートを公開中です。ぜひご覧ください。

アジャイル型内部監査の4年間の歩み(日本語版)

 

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トーマツでは「次世代の内部監査への変革を本気で取り組もう」という会社様向けに「次世代内部監査提言サービス」を始めました。外部品質評価(診断)や内部監査ラボなどを通してInternal Audit 3.0フレームワークとのFit & Gap分析を実施し、各社の実情に合った次世代内部監査モデルを提言いたします。ご興味のある方はぜひトーマツの内部監査プロフェッショナルまでお問い合わせください。

内部監査・内部統制・オペレーショナルリスクに関する詳細な内容や関連資料、プロジェクト事例の紹介資料等を多数用意しております。詳しい資料をご要望の場合は以下のフォームよりお問合わせください。

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