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ペーパレス化に伴う課題・リスクの把握・評価と全社的な対応計画策定の要点

ペーパレス化に伴う課題への対応と内部統制の高度化の必要性(1)

コロナ禍の影響で多くの企業がテレワークに取り組み、ペーパレス化を進めていますが、同時に様々な課題に直面しています。ペーパレスの成功のためには、リスクや課題を適切に把握・評価したうえで全社的なロードマップを策定し、内部統制を高度化する必要があります。

COVID-19関連の緊急対応を通じて、テレワークが急速に普及しており、多くの企業はペーパレス化を進めましたが、メリットと共に様々な課題も顕在化しています

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がパンデミック化し、多くの企業でテレワークの導入、推進が加速されました。以前のような生活に戻ることは考えにくく、テレワークの常態化を含めたニューノーマルな働き方が求められています。企業においては、リモートワークの実現性やメリットを体感する一方で、「ルールが整備されていない」、「環境面が整備されていない」、「セキュリティ面に不安がある」といった課題が浮き彫りとなっています。各社は、セキュリティ面に考慮したデジタルツールの導入を行うと共に、ワークフローや電子契約などの活用による従来の紙・ハンコ中心のプロセスからの変革を行っているものの、業務の有効性・効率性や、コンプライアンス・内部統制といった観点で不充分な取り組みになっているケースも見受けられます。

一方、デジタル庁の創設や行政改革・規制改革担当相による印鑑廃止の全省庁への要請等が進められており、今後もデジタル化・ペーパレス化への取り組みが加速していくことが想定されます。このような急速な環境変化を踏まえ、業務改善に加え新たなリスク・内部統制に対応したペーパレス化を推進することが重要となります。

【デジタル化に向けたペーパレスへの対応】

デジタル化に向けたペーパレスへの対応
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ペーパレス化に伴うリスクの適切な把握・評価と、全社的な計画による対応が必要となります

ペーパレスを進める上で、各社は主に以下のような課題に直面しており、対応に苦慮しています。課題は自社の状況に応じ多種多様であり、ペーパレスを進めるにあたって様々なリスクを把握し、どのように対応すべきか全社的に検討計画を立案し、進めていくことが重要となってきます。

<ペーパレス化推進上の課題(例)>
  • ペーパレスやデジタル化に係る知見・リソースが不足しており、どのように進めてよいかわからない
  •  電子帳簿保存法をはじめとした各種法令での要求事項を明確に把握できていない
  • 業務の可視化が不充分で、部分的な導入に留まり、全体最適化が図れていない
  • 紙面契約から電子契約に変革したいが、進め方がわからない
  • デジタルツールを導入したものの、利用ルールが整備されておらず、最適なデジタルツールが選定されていない等、ベンダーの選定・管理を適切に行えていない
  • 各種デジタルツールを導入したものの、内部統制に組み込まれておらず効率化ができていない
  • ワークフローの導入などでプロセスおよび内部統制が変更されたにもかかわらず、J-SOXの関連文書の反映ができていない
  • ペーパレス・デジタル化が不充分で、リモートで内部監査を行えない

本稿では、これらの課題を①組織的なペーパレス化の計画策定、②自動化を含めた業務の可視化・標準化、③法令対応、④J-SOX対応・内部監査、⑤デジタルツールおよびベンダーの管理方法というテーマに分けて、企業がどのような対応を行うべきか具体的に解説していきます。(②~⑤は後日公開予定)

ペーパレスを成功させるための最初のステップとして、既存業務の分析、可視化を行い、現状とあるべき姿とのギャップ(課題)を明確にした上で、全社的な計画策定を行うことが必要です

ペーパレスを進めるにあたり、前述のような課題が浮き彫りとなっていますが、なかでもスマートワーク・デジタル化を見据え、自社の課題を明確化し中長期的な対応計画を策定・実行していくことが重要となります。ペーパレス化のロードマップおよび対応計画の策定のポイントは以下のとおりです。

  • 現状業務の可視化を行い、ペーパレス・電子化できていないことが原因で非効率となっている業務(紙帳票が持ち出し不可であるため出社を余儀なくされている業務など)の洗い出しを行い、これらの業務のデジタル化・ペーパレス化の対応可否を検討する。
  • 電子化・ペーパレス対応を行うことで生じる新たな課題・リスクを検討し、リスク・課題に対応する形で業務プロセス・活用するテクノロジーおよびガバナンス・内部統制のあるべき姿を定義する。
  • リスク・課題の難易度、緊急度および期待効果を踏まえた優先度を検討の上、対応計画を策定する。
  • 中長期的な対応計画を策定しつつ、短期的な課題の対応にも取り組み、効果を早い段階から得られるように計画を策定する。

ペーパレス化の現状の可視化に際しては、成熟度評価を実施する事も効果的です。デロイト トーマツの提供する成熟度評価ツールは、様々な観点での企業のペーパレス化の成熟度評価を可能にし、重点的に取り組むべき領域の特定を支援します。

【成熟度評価のイメージ】

成熟度評価のイメージ
※画像をクリックすると拡大表示します


また、これらの取り組みはペーパレスに留まらず、BPRの一環として行うことで、より効果を得られるものと考えられます。

デロイト トーマツは企業各社の現状を踏まえ、適切なペーパレス化推進の為の計画の策定および内部統制の高度化を支援します

ペーパレス化に伴う各企業における課題や成熟度は多様であり、企業各社の現状、課題、リスクを明確にした上であるべき姿の定義、ペーパレス化推進のためのロードマップ、計画策定を行う事が重要です。

デロイト トーマツでは、業務変革やペーパレス化支援、デジタルツールに精通したリスクアドバイザリー・内部統制の専門家が着実なペーパレス化の推進および内部統制の高度化を支援します。

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プロフェッショナル

仁木 一彦/Kazuhiko Niki

仁木 一彦/Kazuhiko Niki

有限責任監査法人トーマツ パートナー

オペレーショナルリスク・プラクティスの日本責任者、IR(統合型リゾート)ビジネス・プラクティスの責任者を務める。 公認会計士、公認内部監査人、公認不正検査士。 2000年公認会計士登録。 【オペレーショナルリスク・プラクティス】 15年以上にわたり、リスクアドバイザリー業務に従事し、オペレーショナル・リスク領域のプロジェクト責任者を多数務める。 専門分野は、コーポレートガバナンス、内部統制、内部監... さらに見る

佐藤 肇/Hajime Sato

佐藤 肇/Hajime Sato

有限責任監査法人トーマツ マネージングディレクター

15年以上に渡り、人・組織、業務オペレーション、ITの横断的な業務改革・改善のクロスボーダープロジェクトを数多くリード。主に製造業、小売業、商社を対象として、経理・財務業務、人事、SCM、購買、アフターサービス等基幹業務のBPRやシステム導入も手掛ける。近年は、基幹システム更改やDigital Transformationを踏まえたガバナンスや内部統制強化のサービスに注力。          ... さらに見る