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ブルーエコノミーに関する包括的戦略策定サービス
海のポテンシャルを解放し、競争優位性構築へ
ブルーエコノミーとは、地球表面積の7割を占める海に注目し、その可能性を解放することで経済価値と社会価値を創造する概念です。モニター デロイトの試算では、2030年までにブルーエコノミー関連の市場規模は約500兆円に達する見込みで、海に囲まれている島国である日本としても“勝ち筋”になり得る可能性があり注目を集めています。また、近年注目を集めている生物多様性保全にも繋がります。
目次
- 海のポテンシャルを解放し、500兆円の市場に挑む
- ブルーエコノミーに関するリスク・機会の把握
- TNFD・SBTN等に基づく企業価値の変化・目標・KPI設定
- ビジネス戦略の策定
- ルール戦略を活用した競争優位性の確立
海のポテンシャルを解放し、500兆円の市場に挑む
ブルーエコノミーとは、地球表面積の7割を占める海に注目し、その可能性を解放することで経済価値と社会価値を創造する概念であり、モニター デロイトの試算では、2030年までにブルーエコノミー関連の市場規模は約500兆円に達する見込みです。
2030年に向けては、生物多様性を損失から逆転し、むしろ回復させるネイチャーポジティブの取組みを進めることが、国際的に企業にも求められている中、海の生物多様性保全は重要なアジェンダとなります。
海洋面積で世界6位のポテンシャルを持つ日本としても“勝ち筋”となり得るブルーエコノミーはチャンスともなり得ます。
ブルーエコノミーに関するリスク・機会の把握
ほとんどの企業は何かしらの形で生物多様性との関わりがあり、潜在的なビジネスリスクや機会を抱えています。自然関連財務開示タスクフォース(TNFD) では非金融企業と金融機関の双方に自然に関連するリスクと機会の把握を求め、具体的に①インパクト、②依存度、③自然に関連する財務上のリスクと機会、④自然に関連するシステミック・リスクの4点を挙げ、短期的に財務に与える影響のみならず、インパクトと依存度により表される長期的なリスクも含まれると指摘しています。
具体的な取り組みとして、欧州では「グリーンエコノミー」の中でも生物多様性が重要視されていますが、例えば日本企業は海洋国家たる“地の利”を機会として捉え、「ブルーエコノミー」で対抗することが一つの戦い方になるのではないかと考えられます。ブルーエコノミーとは、地球面積の7割を占める海に注目し、その可能性を開放することで経済価値と社会価値を両立する概念です。日本は、排他的経済水域と領海を足した面積で世界第6位を誇りますが、ブルーエコノミーなどの新たな潮流を主導する事業機会を探索することは社会課題起点の尖った取り組みにも繋がります。
TNFD・SBTN等に基づく企業価値の変化・目標・KPI設定
2022年開始に向けて複数の新たな自然資本のフレームワークにより、企業価値が大きく変化し、目標設定・KPI設定は大幅な変更を余儀なくされます。それに対してデロイト トーマツではブルーエコノミーを「海の生物多様性」保全と捉え、一歩先を行く支援を対応しています。
現在、自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)フレームワークの2023年下期公表に向けた準備が進められています。TNFDフレームワークは、2021年10月時点で89か国2600社以上が賛同済みである気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)と類似するものの、1)自然が事業に与える影響と、2)事業活動が自然に与える影響の双方を評価する「ダブル・マテリアリティ」の視点が新たに求められるようになるとみられています。
また、気候変動に関するSBT(Science Based Targets)設定に参画する企業が世界で2,000社近くとなるなか、SBTN(Science Based Targets Network)による自然に焦点を置いた自然SBTsの枠組み検討も進められており、2022年に自然SBTsに関する初期ガイダンスが公開される予定です。
これらTNFD・SBTNに応じた目標・KPI設定※1や開示に関する規制等が将来的に導入される可能性が高い中、自然に対する事業活動の依存性や影響を把握することはレジリエンス向上にもつながるため、今からの準備が奨励されます。
※1 KPIの検討では、社会的投資の活性化を目的にロックフェラー財団を中心とした投資家達によって着想・創設されたインパクト投資を推進する国際イニシアチブであるGIIN(Global Impact Investing Network)が提供するインパクト測定ツール「IRIS+」が参考になります。このIRIS+にはSDGsを含む様々な社会課題との関連性やそのインパクトを測定する為の685の指標が紹介されており、テーマの一つとして設けられている「Biodiversity and Ecosystems」を選択することで45の指標(Metric)を抽出することができます。ここから自社に関連する指標をピックアップして事業活動や製品・サービスとの関係性を整理することでリスクと機会が見えてくるはずです。その際、自社の活動のみならず、バリューチェーン全体に広く思いを巡らせることが重要です。手法としてはSDGsコンパスなどでも紹介されている、投入(インプット)から活動(アクティビティ)、産出(アウトプット)、結果(アウトカム)、影響(インパクト)までの道筋を追う「ロジックモデル」が有効と考えます。このような方法で識別されたマイナス影響を最小化し、プラス影響を最大化するKPIや目標の設定が期待されます。
ビジネス戦略の策定
海のポテンシャルを解放すると一言で言っても、その範囲は多岐に渡ります。特定したリスク/チャンスをもとに、どのような領域で(Where to Play)、どのように勝ち抜くか(How to Win)を中心に据えた戦略ストーリーを構築します。
特に、ブルーエコノミーに際しては、異業種等と共に他の社会課題との掛け算、デジタルテクノロジーの活用、(後 述する)ルール戦略(ルール形成/調整)等が不可欠となります。
例えば、サステナビリティ先進企業、GAFAM/BATH等のテックジャイアントやスタートアップの動向では、既に下記などが見られています。
- “海の生態系”を守るためのルール形成戦略推進 (消費財, 建築/不動産等)
- 太陽光を動力源とする海洋データ収集ロボットに投資し、気候予測等に役立つ情報を提供するデータベース
- 北欧の漁業養殖農家向けにAI画像認識/データ分析プラットフォーム構築
- ブルーバイオテクノロジーの領域における陸上養殖
- ブルークレジットの取引プラットフォーム
日本らしさや、“貴社らしさ”を勘案したビジネス戦略が必要となっています。
ルール戦略を活用した競争優位性の確立
先進企業はブルーエコノミーの保全を単なるCSR活動の一環ではなく、自社の製品・サービスの成長を加速させる要素として存在感を示す形のルール戦略に組み込んでいます。
その際、ルールの対象政府の規制に留まりません。各種認証制度、民間主導のコンソーシアム、人々の“価値観”等様座なルールが“戦場”となり得ます。その際に、従来のルールメイキングに加え、ルールシェイピングという最後のルールの調整も含めてルール戦略を捉えることで、ブルーエコノミーで差別化することが期待できます。
デロイト トーマツの強み
デロイト トーマツでは、生物多様性/ブルーエコノミーを含むSDGs・社会課題起点の全社戦略・事業戦略策定支援を実施しており、企業支援実績が豊富です。生物多様性に関連する自社におけるリスク・機会のセンシングから、TNFD・SBTNに基づいた目標・KPI設定、ビジネス戦略の策定、パブリックセクター/ソーシャルセクター/異業種を巻き込んだルール戦略(ルール形成/調整)など様々なテーマにEnd to Endでサービスを提供しています。その他関連する社会課題テーマやdXとの掛け算による包括的な戦略策定支援が対応可能です。
また、デロイトはTNFDのタスクフォースメンバーとして参画しており、Globalによる連携も可能です。
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ブルーエコノミーとは、地球表面積の7割を占める海に注目し、その可能性を解放することで経済価値と社会価値を創造する概念である。モニター デロイトの試算では、2030年までにブルーエコノミー関連の市場規模は約500兆円に達する見込みだ。