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デジタル課税 BEPS2.0 第2の柱導入に対応するためのソリューション「Pillar Two Agent」

2024年適用開始のために、データ収集から計算・レポーティングまでテクノロジーでサポート

「Pillar Two Agent」は、国際課税制度の大転換となるBEPS2.0 第2の柱導入のために、収集・計算・レポートの機能を持つデジタルツールです。各国・地域の制度に対応した多岐にわたる情報収集、正確性を担保した情報整理を効率よく、スピーディにサポートします。

国際課税制度の大転換への対応~第2の柱~

2021年10月にOECD・G20の「BEPS包摂的枠組み」において合意されたグローバル・ミニマム課税はいよいよ2024年から適用が開始されます。第2の柱の導入により全世界売上高が7億5,000万ユーロ以上の多国籍企業(MNE:Multinational Enterprises)グループを対象に、15%のグローバル・ミニマム課税が適⽤されることとなり、申告計算には連結会計や税効果会計など従来の税務にとどまらない情報の収集が必要となります。

 

第2の柱の制度対応をサポートするデジタルツール「Pillar Two Agent」

デロイトが提供する第2の柱対応ツール「Pillar Two Agent」はデータ収集から計算、GloBE情報申告書(GIR:GloBE Information Return)の作成までの一連の機能が備わっています。収集にあたっては、ExcelやCSVからのアップロードや連結パッケージからの連携、Webフォーム上の直接入力が可能で海外担当者も入力しやすいよう設計されています。進捗管理や収集が遅れている拠点への督促機能もあるため、本社側の負荷を最小限に抑えることができます。また、導入時のアセスメントにより、各種データ連携に係る技術的なサポートも可能です。

<システム構成例>

<機能概要>

※2024年5月時点で開発中のものを含む

 

また、収集した情報に基づき移行期間CbCRセーフハーバーの判定や本則計算を自動的に行えます。今後、世界各国で法制化される国内ミニマム課税(QDMTT:Qualified Domestic Minimum Top-up Tax)の計算にも対応していきます。国ごとの実効税率(ETR:Effective Tax Rate)やトップアップ税額などの計算結果はダッシュボード画面から確認でき、影響額の早期把握や経営層へのスピーディな報告をサポートします。計算結果は情報申告書(GIR)へ自動で転記されるため申告もスムースです。

<画面イメージ>

 

テクノロジーの活用

国際的な競争のもとにある企業の税務部門を取り巻く環境は多様化・複雑化する中、グローバル規制や税務コンプライアンスへの対応、税務ガバナンス強化に向け、業務プロセスおよびそのプロセスをまわすシステムの整備が今後ますます重要となってきます。

海外子会社を巻き込み多岐にわたる情報を収集する業務プロセスを整理することはもちろんのこと、第2の柱は税務申告であり税額に影響を与えるため、税務調査に備え、いかに情報の正確性を担保するかが非常に重要となります。また、国内外における税務担当の人的リソースが限られる中、制度対応の現場負荷を最小限に抑えるため、効率性も無視できません。

「Pillar Two Agent」は第2の柱に係る収集・計算・レポートの機能を持ち、正確性の担保および効率性の向上に大きく寄与します。また、国別報告書(CbCR)など他税制への拡張性も有しているため、本ツールの導入が中長期的な視点での税務情報プラットフォームの統一の実現に向けた布石となります。デロイト トーマツ税理士法人は高い専門性でツール導入を含むお客様の制度対応をサポートします。

 

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