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有限責任監査法人トーマツ 働き方改革に関する具体的な施策

有限責任監査法人トーマツは、働き方改革を推進しています。トーマツの働き方改革における重要項目は、「働きやすさ~働き方の個性の尊重」、「働きがい~達成感と成長実感」、そしてそれらを実現するための「具体的な時間の創出のための施策」です。ここでは、「具体的な時間の創出のための施策」について詳しくご説明します。

施策は業務改革に関する施策と柔軟な人事に関する施策から成ります。

業務改革に関する施策

■ 監査補助業務を専門に取り扱う「トーマツ監査イノベーション&デリバリーセンター(AIDC)」
監査人が高度な判断業務に集中できる環境を創るために、監査業務の標準化と集中化を行うAIDCを設立しました。監査先企業ごとの個別対応が必要とされない基礎的な入力、チェック業務や機械的な作業を標準化し、有資格者以外の職員が集中的に処理することで、全監査チームへ一貫した高品質な監査補助業務を高い効率性で提供しています。AIDCの活用は、監査人の高度な判断業務や監査先企業とのより深度あるコミュニケーションへの注力と、監査人一人ひとりのエンプロイーエクスペリエンスの向上を促進しています。

■ 残高確認をオンラインで実現する「Balance Gateway」
債権・債務の残高確認手続をオンラインで行うシステムを、国内監査法人として初めて構築し、運用しています。これまで郵送で実施していた確認状の送付・回収、および紙を利用した回答結果の入力をオンライン上に集約することにより、手続の迅速化を可能にするだけでなく、被監査会社、確認回答者、監査人の業務負担軽減を実現しています。

■ 手続の効率化にも活用されている 「Audit Analytics」
被監査会社の財務・非財務データが持つ様々な属性と外部データを組み合わせたデータのビジュアル化や人工知能の利用により、効率的かつ効果的な監査を実現しています。例えば、従来と同じ工数で手続範囲を拡大させるために、年間取引全量を一度に分析することで母集団全体を検証することが可能になったり、監査人の設定したリスクシナリオや、人工知能が導出する閾値などを活用してリスク領域を絞り込むことで、真にリスクの高い領域に対して十分な深度の手続を行うなど、監査資源配分の最適化に貢献しています。

■ Robotic Process Automation (RPA)を活用した作業の自動化
監査業務や補助業務を進めるうえで必要な作業の工数を削減し、人の労働力によらない業務遂行を実現するため、RPAを導入しています。例えば、監査報告日前後に集中する特定の事務処理を自動化する、決まったデータ形式で繰り返し行う分析を自動化する、大規模な監査チームにおけるプロジェクト管理業務を自動化することなどに活用しています。業務を分解しRPA化することで、監査人がより付加価値の高い業務に利用できる時間の創出を行っています。

■ 現場アシスタントの活用
監査業務の提供チームの一員として、現場に同行し有資格者が従事する業務をサポートする人員を増強します。関与先企業との日程調整や資料の受け渡しに加え、AIDCとのやり取り作業も担うことで、プロフェッショナルの更なる時間創出に寄与します。

■ 監査業務に関する受注ポリシー
業務の受注に関しては、監査法人としての責務を果たすために可能な限り応えていましたが、高品質な監査を維持するためには、一定の業務量の調整が必要であると認識しています。人財リソースに限りがある中、トーマツがより社会に貢献できる業務は何か、常に考えるようにしています。

■ 業務開発活動の効率化
リスクアドバイザリーでは、サービスの可視化・体系化を行い、想定される企業の課題と結び付けて整理したサービス一覧をプロフェッショナルへ提供することで、業務開発活動を効率化しています。また、リスクアドバイザリーのサービスをデロイト トーマツ グループ全体に周知し、コラボレーションを引き出すことで、グループ一体となった業務開発および効率化を促進しています。

■ 社内サービス部門の活用
リスクアドバイザリーでは、多くの提案書やディスカッションペーパーの作成が行われています。プロフェッショナルがより付加価値の高い業務へ集中できるようにするため、パワーポイントをはじめとした各種ソフトや印刷物制作、翻訳などに特化したメンバーのサポートを通して、生産性向上、業務効率化を推進しています。

■ ITインフラの整備
個々のプロフェッショナルの生産性向上をインフラ面でサポートするのが、ITインフラです。仮想デスクトップインフラ(Virtual Desktop Infrastructure:VDI)を導入し、業務に関する情報その他のデータをPC内に保存せず、法人内サーバーで一元管理しています。その結果、情報漏えいリスクに対応しながら、働く場所の制約を可能なかぎりなくしています。

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柔軟な人事に関する施策

■ 在宅勤務の本格導入
従来、在宅勤務制度はFWP(フレキシブル・ワーキング・プログラム)の適用者にのみ認められていましたが、現在はFWP適用者の在宅勤務の日数制限を撤廃するとともに、FWP非適用の管理職層職員についても月4日間の在宅勤務を導入しています。管理職が在宅勤務を積極的に導入することで、職場への移動時間から解放し、より柔軟な働き方をサポートします。

■ 有給休暇取得促進
有給休暇の取得には偏りが見られたことから、特に有給休暇の取得が少ない職員に対して、計画的に付与をする仕組を導入し、全員が有給休暇を最低年5日間あるいは年間付与の25%の取得を促進する方針を導入しました。プライベートな時間を過ごすための有給休暇の取得は不可欠であると考えています。

■ 多様な働き方と女性活躍の推進
破壊的なイノベーションへの対応力を強くするためには、多様性を受け入れる風土の醸成が不可欠です。トーマツでは、働く一人ひとりの働きやすさと働きがいを実現するためにもダイバーシティ&インクルージョンの推進に取り組んでいます。なかでも女性活躍は重要テーマです。プロフェッショナルとしては男女の区別はなく、トーマツには、2018年6月より就任するボード議長や執行役をはじめ多くの女性リーダーが活躍しています。女性と男性では異なる視点を持つことが多く、女性の発言によって会議の議論が活性化したり、仕事の進め方で新しい工夫が提案されたり、女性の活躍による変化が生まれています。

■ デロイト トーマツ保育園の開園
デロイト トーマツ グループでは、プロフェッショナルの多様な働き方の支援として、東京都千代田区神保町に企業内保育園を2018年4月に開設しました。デロイト トーマツ グループは東京エリアにおいて、子育て世代の職員が2000人以上に上っています。優秀な人材が働きたいと思える職場づくりの一環として、育児休暇からの職場復帰を企業内保育園により支援します。社内利用者の意見を聞きながら、自社のワークスタイルに合う保育サービスを受けるために、開園にあたっては、稼働に一定の余裕を持たせることで、待機児童問題で悩んでいる職員の職場復帰を柔軟にサポートできるような対応や、病児保育などにも対応しています。

■ 各部門に働き方改革担当社員の設置・部門単位での働き方改革の推奨
働き方改革は、トップのコミットメントが重要であるとの認識のもと、トップダウンで人事制度をはじめとする様々な施策の導入をしていますが、それだけでは不十分と考えています。一人ひとりが働く意識を変え、行動変革につなげていくためには、組織風土の変革が不可欠です。そのためには、各部門単位によるボトムアップで自律的な働き方改革を実行していくことも重要です。トーマツでは組織ごとに働き方改革担当社員を設置し、一人ひとりの労務管理をきめ細かく実施するほか、個々人の意識改革のための部門内のニュースレターの発行や、取り組み事例の共有などに取り組んでいます。

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