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人件費を減らして利益率を高めよ!

要員・人件費を最適化し、人的生産性を最大化せよ (3)

今回の主役は、大手ホテルチェーンS社である。一昨年、一時的な希望退職制度を実施したことで、昨年度は何とか営業利益を確保したものの、人件費が競合他社よりも依然として高いのではないかと経営陣から指摘されていた。

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人件費を減らして利益率を高めよ!(前編)

「一昨年に一時的な希望退職を実施したこともあり、従業員のモチベーション維持のためにも賃金の引き下げや希望退職の募集の追加実施は避けるべきです。弊社は毎年約50名の新卒採用を実施していますが、2015年度までこの新卒採用をいったんストップすればよいと思います。」

ミーティングの参加メンバーから「まあ、そうだな・・・」という空気が流れてからしばらくの沈黙の後、人事部長は一つの質問を口にした。

「新卒採用をストップして、将来的なサービス水準を維持できるのだろうか?」

〔PDF, 335KB〕

人件費を減らして利益率を高めよ!(後編)

部下がまとめてきた報告は、以下のものであった。

  • 55歳までを対象に、各年齢一律での昇給が行われる年齢給が導入されており、「社員数×年齢給昇給分」の人件費が毎年上昇している
  • 現在の給与額の多寡に関わりなく、評価結果に対して一律の昇給率が適用されており、年齢給とセットで人件費が上昇していく
  • 降給の仕組みが存在しない。また、降格制度もここ数年実施されたことがなく、社員の処遇水準が、担っている仕事に比して高くなりすぎているケースが発生している
〔PDF, 441KB〕

コラム情報

著者: デロイト トーマツ コンサルティング
2012.12.28 人件費を減らして利益率を高めよ!(前編)
2013.01.11 人件費を減らして利益率を高めよ!(後編)
マネジャー 沖津 泰彦

※上記の役職・内容等は、執筆時点のものとなります。

本コラムは『労政時報』株式会社労務行政にて掲載された記事を転載したものです。

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