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新病院基本構想・基本計画策定

クライアントとの深く丁寧な議論を通じて将来の病院のありたい姿の設定と設備投資を回収できる財務基盤作りの実現に貢献します。

病院建設をはじめとする投資の重要性と困難さ

医療機関、特に急性期の医療機関は、医療技術の進展・高度化に伴い設備機器への一定の投資が経常的に必要となります。また、経営環境の変化により、戦略に応じた改修が必要となる場合もあります。 中でも、病院建物の建替えは一大ビッグイベントと言えます。建替えにあたっては、ビジョン・ミッションの実現に向けて整備すべき機能などの要件を基本構想・基本計画としてとりまとめます。建替えはビッグイベントだけあって、建物や機器にとどまらず、ネットワークやシステム、ヒト(職員・患者)の動線や器械の配線、所要資金の調達と返済など、多面的な検討が必要であり、それらを個別計画として落とし込まなければなりません。

設備投資という費用面に着目すると、病院の建替えでは、建設投資、医療情報システム投資、医療機器投資の3つの高額投資領域となります。新しい病院の基本構想を策定するにあたっては、事業費を概算で予算立てしますが、無計画のままでは事業費予算が青天井で膨らんでしまいます。さらに医療サービスの質に影響するという面でも、これらの設備投資は病院運営を左右すると言って過言ではありません。

限られた内部リソース

建物は30~40年の周期で建替えが必要となります。医療機器や医療情報システムは5~10年で更新が必要となります。

病院建設は長周期でのイベントであるため、前回の病院建設に関わった経験を持つ職員が存在することは稀でしょう。医療機器や医療情報システムは建物に比べれば短周期ですが、技術の進歩は激しく、前回の経験がそのまま通用するとは限りません。そのため、最新の情報を踏まえた最適な設備投資を導き出すには、取引業者との情報格差の存在から、内部の職員だけでは限界があると言わざるを得ません。

内部の利害関係

病院の建替えは、病院で働く役職員に大きな夢と希望を抱かせます。多様な専門職が集まる病院では、それぞれが持つ理想があるからです。サービスの質を追求すると、理想の実現に向けて、様々な要求・要望が建替え時に顕在化することになります。医療情報システムの更新も同様です。システムのユーザーである各部署の職員から、利便性の向上のために様々な要求・要望が出てきます。

設備投資にあたり多くの部門から寄せられる要求・要望を全体最適の観点から整理するには、内部の職員だけでは限界があると考えます。

デロイト トーマツ グループは幾つもの設備投資イベントに関わってきた専門家を有しており、コストと資金を要する設備投資というイベントを成功に導く支援体制を整えています。そして、あり方の検討や構想のとりまとめ、計画の立案、設計・導入の監理、運用までのフェーズにおいて以下のような考え方の下、支援します。

基本構想策定支援

新病院の基本構想の策定にあたっては、現施設の延長と考えるのでなく、医療政策の方向性や現病院の得意分野・不得意分野を分析し必要とされる医療機能を十分検討することが必要です。その一方で将来の安定的な病院運営を確保するため、基本構想段階から納得できるまで事業規模ケーススタディを繰り返すことが肝要です。デロイト トーマツ グループでは病院事業を専門とする公認会計士や一級建築士が新病院の医療機能基本方針やインフラ・管理機能基本方針、概算事業収支のケーススタディによる新病院規模の設定等をサポートします。

基本計画策定支援

基本計画では策定した基本構想を部門運営計画、物流計画、インフラ計画等へ展開します。将来そこで働く職員が快適で質の高い医療を提供できる施設を目指すため、職員から構成される各検討部会を設置し現場の重要な意見を計画に反映させるとともに、職員の参画意識を高め、プロジェクトの推進力とします。また、新病院のコスト低減は基本計画段階で大きな効果が見込まれ、設計フェーズ以降はその効果が薄れます。より詳細な収支シミュレーションが可能となる基本計画段階でコストマネジメントの観点からサポートします。

開院までの継続的支援

新病院開設までの道程は長く、意思決定の連続です。諸事情により当初の計画から変更を余儀なくされることも多く、そのような長期事業を円滑に進めて行くため、当初計画時から携わった者が責任もって開院までフォローすることで、重複検討が回避しやすくなり不要な議論を軽減する効果が見込まれます。デロイト トーマツ グループは新病院の構想から、計画、設計、開院までのすべてのフェーズにおいてサポート可能な体制を整えており、医療機器、医療情報システム、ネットワーク、運用調整、委託業務選定等、様々な分野の専門家を揃え新病院開院まで皆さまのパートナーとして一貫して貢献します。

基本構成・基本計画策定支援の流れ
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