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AIを活用したHSコードのグローバル管理データベース「Trade Classifier」

AIを活用したグローバルレベルでのHSコードの管理と品目分類業務の効率化を実現

HSコードの不適切な管理には、追徴課税や罰則の適用等、重大なコンプライアンスリスクが潜んでいます。Trade Classifierは、AIを活用して品目分類(HSコード採番)を行うデータベースで、HSコードの管理をグローバルレベルで標準化・可視化することにより、コンプライアンスリスクを低減します。また、蓄積したHSコードのデータをAIが学習し、その後の品目分類(HSコード採番)業務を効率化します。

品目分類業務(HSコード採番)の見直しの必要性

世界の通商動向が急速に変化し続ける中で、各国税関は、事後調査や、自由貿易協定等(FTA/EPA)の下での検認を強化していく傾向にあり、通商を取り巻くコンプライアンスリスクが高まっています。品目分類(HSコード採番)においては、正確性が求められる一方で、各国税関の解釈の相違や、必要となる専門性の高さから、正確に行うことが容易ではありません。

また、FTA/EPAを活用して関税の減免を受けるためには、大量の構成部品に対してHSコードを採番しなければならない場合があり、特に、中国、韓国を締約国に含むRCEP(東アジア地域包括的経済連携協定)が発効された暁には、HSコードの採番にかかる工数が増大することが予想されます。

これらを背景に、今後ますます、品目分類(HSコード採番)業務の効率化、HSコードの正確性の確保が、コンプライアンス及びコスト削減の両側面から、重要なトピックになっていくものと考えられます。

品目分類(HSコード採番)業務の標準化・可視化

HSコードは、個別の事業部の少数の担当者によって管理されていることが多く、全社を挙げてグループを横断する形で充分なコミュニケーションを取りながら適切な管理を実施しているケースは多くありません。Trade Classifierでは、下図のように、各製品に対して、各国で採番されているHSコードを一覧で確認することが可能となり、HSコードの修正が生じた場合には、その修正履歴を残すことができます。こうすることで、品目分類(HSコード採番)業務を、全社レベルでグループを横断的に管理することが可能となり、その結果、HSコードの正確性を高めてコンプライアンスリスクを低減することができます。

AIを活用した品目分類(HSコード採番)業務の効率化

Trade Classifierは、データベース内に蓄積されていく製品情報と、各製品に採番されているHSコードを参照して、品目分類(HSコード採番)のロジックを学習していきます。HSコードが採番されていない未分類の製品データがアップロードされた際には、下図のように、候補となる複数のHSコードを信頼度レベルという指標と共に提案します。ユーザーは提案されたHSコードから正しいものを選択していくことで、品目分類(HSコード採番)業務を進めていきます。このユーザーによる分類結果をAIが継続的に学習するため、品目分類の数が増えれば増えるほど、Trade Classifierによる品目分類のパフォーマンスが向上します。

下図のように、信頼度レベルが90%を超えた製品に対しては、人の介在無くして、自動でHSコードが採番(自動分類)されていきます。これにより、ユーザーは手動分類が必要な部分に対してのみ時間を割くこととなるため、業務を効率化することができます。更に、過去に採番されたHSコードを用いてAIのトレーニングを行っているため一貫性のある正確なHSコードの管理を実現化することができます。

品目分類自動化・効率化ツール Trade Classifier

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プロフェッショナル

溝口 史子/Fumiko Mizoguchi

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デロイト トーマツ グループ 税務・法務領域ビジネスリーダー|デロイト トーマツ T&L合同会社 代表執行役

ドイツ税理士として勤務した経験を活かし、EU付加価値税法についての助言、諸外国の付加価値税制度及び米国セールスアンドユースタックスについての助言を提供する。国際取引のコスト・リスク・ビジネスを考慮した各国間接税法の分析に基づくストラクチャリング案件に従事する。政府研究会委員として付加価値税の国際的な潮流に根差した消費税制度の改正提言も行う。 資格 ドイツ税理士(2005年登録) 学歴・職歴 199... さらに見る

福永 光子/Mitsuko Fukunaga

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デロイト トーマツGTA&テクノロジーズ株式会社 パートナー | デロイト トーマツ税理士法人 パートナー

大手グローバルメーカーで勤務後、2015年税理士法人トーマツ(現 デロイト トーマツ税理士法人)に入社。約15年間、関税に関するアドバイザリー業務に従事。国内外の関税案件に関する実務経験を活かし、グローバルにビジネスを展開する日系企業に対して、自由貿易協定の戦略的活用、関税評価プランニング、関税分類の適正化、関税コンプライアンス体制の導入支援、物流ネットワークの再編に係る関税アドバイス、海外におけ... さらに見る