最新動向/市場予測

金利ある世界のALM経営:銀行経営戦略へのインプリケーション/逆風が強まり追い風が止む時:ソフトランディングに向けた懸念 他

リスクインテリジェンス メールマガジン Vol.108(2024年7月)

リスクの概観と金融規制の動向に係る概観について、留意すべき特徴点を炙り出すと同時に、デロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社 リスク管理戦略センターが考える意見も発信いたします。

リスクの概観(トレンド&トピックス)

金利ある世界のALM経営:銀行経営戦略へのインプリケーション

デロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社
リスク管理戦略センター
マネージングディレクター
勝藤 史郎 

日本銀行が金融政策の正常化を進める中で、各民間銀行は日本円の資産負債管理(ALM: Asset Liability Management)を再強化する必要がある。日本円は1999年のゼロ金利政策導入以降約四半世紀に亘りほぼゼロ金利の状態が継続していた。しかし、日本銀行が2024年3月にマイナス金利政策とイールドカーブコントロールを解除して以降、10年物日本国債利回りは1%前後にまで上昇しており、既に日本円は「金利ある世界」に入っている。

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マクロ経済の動向(トレンド&トピックス)

逆風が強まり追い風が止む時:ソフトランディングに向けた懸念

デロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社
リスク管理戦略センター
シニアマネジャー
市川 雄介

この1ヶ月は主要国で政治情勢の流動化と言えるような動きが相次いだ。フランスでは、総選挙を経てマクロン大統領の政策推進力が大きく阻害される格好となったほか、財政支出の拡大を訴える左派勢力や極右の主張がEUとの対立や金融市場の動揺を招くリスクが高まりつつある。英国では、14年ぶりに労働党が政権を奪還した。フランスと異なり議席上は安定的な政権運営が可能だが、移民政策や富裕層向け税制等では政策の見直しが模索されているとみられ、一定の不確実性をもたらしている。

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金融規制の動向(トレンド&トピックス)

金融セクターにおけるAI規制・政策の現状と今後の見通し

デロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社
ファイナンシャルサービシーズ
楠田 祥也

近年、金融業界における人工知能(AI)の利活用が進んでいる。金融機関は、機械学習や生成AI等を活用することで、業務効率性の向上やコスト削減等を図ることができる。その一方で、AIの利用は、金融機関や金融サービスの利用者に対して様々なリスクをもたらす可能性がある。こうしたリスクに対処するために、世界の政府や規制当局は政策的な対応を進めている。本稿では、主に海外の金融当局等におけるAI関連の規制・政策動向を概観した上で、今後の見通しを考察する。

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リスクインテリジェンス メールマガジン

グローバルな視点からみた、企業経営上の様々なリスクをチェックするリスクインテリジェンス メールマガジン(グローバル・リスク・ウォッチ)では、毎月、過去一ヶ月間に起きた事象を振り返りながら、事業リスクという視点から、多くの金融機関や事業法人が留意すべき特徴点を炙り出します。同時に、様々なリスク管理や金融規制上のトピックに関し、デロイト トーマツ グループの一員であるデロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社 リスク管理戦略センターが考える意見も発信していきます。

 

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