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リスクインテリジェンス メールマガジン(毎月発行)
グローバル・リスク・ウォッチ バックナンバー
グローバルな視点からみた、企業経営上の様々なリスクをチェックするリスクインテリジェンス メールマガジンでは、事業リスクという視点から、多くの金融機関や事業法人が留意すべき特徴点を炙り出します。同時に、様々なリスク管理や金融規制上のトピックに関し、デロイト トーマツ グループの一員であるデロイト トーマツ リスクアドバイザリー合同会社 リスク管理戦略センターが考える意見も発信していきます。
リスクインテリジェンス メールマガジンの発行元であるリスク管理戦略センターの活動内容
グローバル・リスク・ウォッチ
2024.11.26配信 Vol.112
一段と流動化する国際秩序:最近のBRICSを巡る動き/グローバル化の変質:貿易戦争2.0の先を見据えて/ Brexit後の英国の金融規制改革の動向
トランプ氏が米国の大統領に返り咲くこととなった。第2期トランプ政権の政策は、米国のみならず、世界の政治経済に大きな影響を及ぼし得るものであり、各国の政府や企業は高い関心を寄せている。
2024.10.30配信 Vol.111
減速傾向が強まる欧州経済:景気低迷が続く可能性をどう見るか/先行指標においつく景気減速:米国経済動向/ トランプ再選とハリス当選:米国の金融規制政策の行方
欧州の景気が冴えない。本来、欧州経済のけん引役であるはずのドイツ経済は、主力の製造業の不振が長期化し、先行きに対する不安感が消費面にも影響を及ぼす姿となっている。
2024.9.26配信 Vol.110
再び注目される中国の過剰生産問題:中国経済や米中対立への影響/米国大統領選の4つのシナリオ/気候変動・生物多様性と金融規制監督:現状整理と金融機関に求められる対応
中国経済が弱めの動きを続けている。足元、小売売上高の伸びが2%台に止まるなど、個人消費の低迷が目立つ。不動産市場の調整が長引いており、住宅販売に関連する家具や家電といった派生需要には下押し圧力がかかっている。
2024.8.28配信 Vol.109
ハードランディング論再び?:米国経済を巡るリスクの点検/利上げは着実かつ慎重に:日本銀行の金融政策/暗号資産に関するプルーデンス規制の枠組み:自己資本規制と開示における取扱い
7月末から8月の初めにかけて、グローバル市場が極めて大きな変動を示した。米国では、景気減速への警戒感がくすぶっているところに、弱めの製造業の活動指標や雇用統計が続いたことで、一気に景気後退懸念が強まった。
2024.7.30配信 Vol.108
金利ある世界のALM経営:銀行経営戦略へのインプリケーション/逆風が強まり追い風が止む時:ソフトランディングに向けた懸念/金融セクターにおけるAI規制・政策の現状と今後の見通し
日本銀行が金融政策の正常化を進める中で、各民間銀行は日本円の資産負債管理(ALM: Asset Liability Management)を再強化する必要がある。日本円は1999年のゼロ金利政策導入以降約四半世紀に亘りほぼゼロ金利の状態が継続していた。
2024.6.25配信 Vol.107
欧州の憂鬱:欧州議会選挙とフランス議会解散/じわりと高まる海上貿易のストレス/バーゼルIII.最終化の実施に向けた取り組み:米国・英国・EUの最新動向
今年は世界中で注目される選挙が多く実施される。1月の台湾総統選挙、3月のロシア大統領選挙などにつづき、6月には、インド総選挙、メキシコ大統領選挙、欧州議会選挙の結果が判明した。特に目を引くのは欧州議会選挙における極右勢力の議席拡大である。
2024.5.28配信 Vol.106
円安は続く:日米金融政策と市場/投票行動に見る「グローバル・サウス」の多様性:外交・ビジネスにおける向き合い方を探る/2024年の金融規制・監督上の優先事項:レジリエンス、ESG、暗号資産とAI
為替市場では現状でも依然155円レベルの円安水準が続いている。以下に述べる最新の日米金融政策見通しでは、FRBの利下げ転換、日本銀行の追加利上げはいずれも今年の9月以降になる見込みで、日米金利差の縮小開始に市場が確信を持って、本格的な円高への転換が見られるのはその前後になりそうだ。
2024.4.25配信 Vol.105
トランプ2.0の日本企業への影響:自動車・エネルギー・製薬・サプライチェーン/トランプ関税のリスク:不確実性こそが最大の懸念材料
米国にトランプ政権が再び誕生した場合の政策のうち、日本企業への直接影響が大きいのは、国内産業政策、通商政策、そして外交政策の3つであろう。ここではそれぞれの政策領域につき、日本企業にとっての主なリスク要因と考えられる対策を挙げておきたい。
2024.3.27配信 Vol.104
正常化への第一歩:日本銀行マイナス金利解除/力強い賃上げは継続するか:2024年春闘の評価
日本銀行は、3月19日の金融政策決定会合で、マイナス政策の解除とイールドカーブ・コントロール(YCC)の撤廃を決定した。このタイミングでの決定は、4月の解除を見込んでいた当方の予想よりもやや早いものの、今後2%の物価上昇が安定的・持続的に見通せることになったことに伴う金融政策の正常化の第一歩を今春中に踏み出したという意味で当方の見通しに沿ったものである。
2024.2.27配信 Vol.103
複合要因に留意:欧米の金融政策と実体経済/各国株価の評価:見過ごされている政治リスク
当方では、米国連邦準備制度理事会(FRB)やユーロ圏の欧州中央銀行(ECB)のいずれもが、今後利上げ効果による景気減速が顕在化することを背景に今年半ばまでに利下げに転じると見ている。利上げによる影響は、すでに商業用不動産ローンや住宅ローンなど一部の貸出の縮小や延滞増加にも表れている。一般事業会社も、ゼロ金利時代に拡大した資金調達を高金利下では見送り、事業拡大を一旦減速させる可能性がある。銀行の貸出条件は、コロナ支援融資による緩和の反動もあり、厳格化されている。利上げの影響は少なくとも一部セクターでは波及しつつあるようだ。
2024.1.30配信 Vol.102
ありそうで厳しいリスク:台湾・中東のシーレーン危機/数値で見る米国政治の分断化と企業への影響
国際政治や国家間対立がサプライチェーン寸断を通じて企業活動に影響を与えるリスクが高まりつつある。2023年12月付け当レポートの「国際政治変動と金融政策シフトの中で:2024年の10大リスクシナリオ」でも、中国を巡る政治対立によるサプライチェーンリスクやロシア・ウクライナ、台湾、中東の地政学リスクに言及した。現在のところ、各地域での戦争の急激な地理的拡大の可能性は高くはなさそうだ。むしろ、戦争や軍事行動の拡大の潜在リスクの存在自体が経済活動を制約してしまう可能性が短期的には高そうだ。直近の国際政治・地政学のいくつかのエピソードがこうした動きを示唆している。
2023
2023.12.26配信 Vol.101
国際政治変動と金融政策シフトの中で:2024年の10大リスクシナリオ/2024年の日本経済:「金利のある世界」のイメージ
当方では、2024年の10大リスクシナリオを図表1の通り選定した(リスクシナリオ詳細は図表2ご参照)。これらは、当方の2024年の政治経済のベースライン予想に対するリスクシナリオを、その蓋然性と影響度の観点から順位付けしたものである。本レポートではこれらのリスクのうちの主要なものにつき、いくつかの領域に分けて概観する。
2023.11.29配信 Vol.100
デカップリングの可能性:日米の金融政策/世界経済を下支えする2つのサイクル
日本銀行による金融政策正常化への地ならしが進んでいる。日銀は10月の金融政策決定会合で、イールドカーブ・コントロール(YCC)をさらに緩和して1%超の長期金利を容認する決定をした。会合後の声明文では「今後の情勢変化に応じて、金融市場で円滑な長期金利形成が行われるよう、長短金利操作の運用において、柔軟性を高めておくことが適当である」とされ、植田総裁は会合後の記者会見において、YCCの「副作用」にも言及している。
2023.10.26配信 Vol.99
国際秩序再編への険しい道―パレスチナ問題の再燃/中東の緊迫化による経済・金融への影響
現状、中東情勢の行方は不確実である中、グローバルリスクへのインプリケーションとして2つの観点を挙げておきたい。まず、原油価格高騰やインフレ懸念の再拡大という経済的インパクトである。次に、特定国・地域の支援をめぐるグローバルな国家間関係の変動という政治的インパクトである。
2023.9.27配信 Vol.98
製造業の回復がカギ:アジア地域の経済動向/中国リスクの考え方:デレバレッジの行方
中国経済動向に注目が集まる中、東アジア・東南アジア地域においては景気動向にかなりのばらつきがみられる。現在これらの地域が新たなグローバルリスクの震源地となる蓋然性は低い。他方、アジア各国・地域はその貿易相手国である中国や米国の経済環境、また半導体・電子部品など特定産業のグローバルな動向の影響を受けやすく、いわばかかる経済・産業動向の鏡の役割を果たすこともある。したがってアジア各国・地域の経済動向を定点観測しておくことは、本邦企業にとって現地ビジネスの有無にかかわらず有益なことであろう。
2023.8.29配信 Vol.97
日銀の金融政策正常化見通し/中国レアメタル輸出規制のシナリオ
日本はデフレ脱却と金融政策正常化への道のりを着実にたどっていると当方はみている。日本銀行は7月の金融政策決定会合で、イールドカーブ・コントロール(YCC)を修正し長期金利の許容変動幅を事実上拡大することを決定した。2023年7月号の本レポートで述べたように、当方では日銀が年内のどこかでYCCを修正もしくは撤廃するとみていたため、想定内の最も早い時期にこれが実現したことになる。
2023.7.26配信 Vol.96
グローバルリスク定点観測/企業からみた消費者物価
2023年が折り返し点を過ぎたところで、グローバルな経済動向の見通しとリスクを整理する。当方の7月時点の2023年成長率見通しは図表の通り、米欧では2年連続となる成長減速、日本は成長加速、ゼロコロナ政策からの反動要因のある中国は加速となっている。
2023.6.26配信 Vol.95
FRBよりもLEI:米国リセッション見通し/高まる国内金融政策の不確実性:インフレ上振れの影響試算
米国が今年の後半に短期の浅いリセッションに陥るとの見通しを当方では維持している。確かに、非農業部門雇用者数は増加しており、実質ベースの個人消費も4月までまず堅調、鉱工業生産指数も上昇基調が続いている。雇用/消費/生産の実績指数をみる限りはまだ経済のリセッション入りを示唆するものはない。しかしながら、景気に先行する指標は、FRBの利上げによる金利上昇の影響が年後半に遅行的に米景気を押し下げるという見方を支持する動きとなっている。
2023.5.29配信 Vol.94
日銀金融政策と賃金動向:日本の金利上昇への備え/実は割高感に乏しい商業用不動産(CRE)価格
当方では、日本銀行は量的・質的金融緩和政策を今後1年程度は継続するとみている。4月27-28日の金融政策決定会合後に公表された「当面の金融政策運営について」、および5月19日の植田総裁講演は、新総裁の下での金融政策運営の方針が簡潔にまとめられている。
2023.4.25配信 Vol.93
小休止:金融システム不安通過後の米欧経済見通し/各国住宅価格の定量評価:急速に高まる割高感
米国の地方銀行連続破綻や欧州大手銀行の経営危機による市場ショックは、一旦沈静化している。米国当局の預金保護特例措置や流動性供給、大手銀行による経営危機銀行の買収というスイス当局の対応など、迅速な措置が短期的な危機拡大を予防したといえる。金融システムへのリスク波及や金融市場の混乱は一旦回避できたといえそうだ。
2023.3.28配信 Vol.92
米国金融システム不安のシナリオ/金融危機に至るまでの「時間差」
3月中旬に、米国の中堅地方銀行の破綻・清算が続いた。いずれも暗号資産関連企業やスタートアップ企業との取引が多い銀行であり、長期金利上昇による含み損拡大と、これに伴う風評等による預金流出が直接の原因である。
2023.2.27配信 Vol.91
悲喜こもごも:新興国経済の見通し/米中貿易の実態:増加する貿易額と強まる分断
中国がゼロコロナ政策解除や不動産市場支援など経済回復政策に舵を切ったことで、近隣のアジア諸国経済への好影響を期待したいところである。
2023.1.30配信 Vol.90
2つの緩和:中国ゼロコロナ政策と日本の金融政策/賃上げに必要なもの:「生産性の上昇」ではない視点の重要性
昨年12月の中国のゼロコロナ政策大幅緩和および、日本銀行が昨年12月の金融政策決定会合で決定したイールドカーブ・コントロール(YCC)緩和を背景としたグローバル経済への影響をみる。
2022
2022.12.26配信 Vol.89
秩序の再構築の年:2023年10大リスクシナリオ/悲観一色にならないために:2023年の好材料
2023年の10大リスクを選定し、これらのリスクを「国際政治経済秩序の再構築の動きが加速するリスク」「インフレと金利上昇との戦い」「中国・新興国経済の不安定化」「日本銀行の金融政策にかかるリスク」の4つに分けて概観する。
2022.11.29配信 Vol.88
欧米リセッションは不可避に/深まる世界の分断:国際情勢変化の可視化/ステーブルコインを含む暗号資産関連の活動・市場に関する規制・監督・監視~FSBが市中協議文書を公表
米国の成長率については、来年2023年の7-9月期と10-12月期は連続で前期比マイナス成長に陥ると見ている。また、ユーロ圏についても、エネルギー価格上昇や中国経済減速の影響等で2023年は通年マイナス成長となると考えられる。2023年の欧米リセッションや、最新時点の国際情勢について考察する。
2022.10.24配信 Vol.87
On the Border:米国リセッション見通し再アップデート/金融リスクはどこに溜まっているか/国際的な広がりを見せる気候関連リスクのストレステストやシナリオ分析~米国でも2023年に実施へ
米国経済が来年景気後退に陥るリスクが更に高まっている。景気後退を示唆する指標としてカンファレンスボードの米国景気先行指数が前年比マイナス圏にまで低下したこと。さらに今後の経済押し下げ要因として、FRBが更に金利を引き上げるリスクが高まりつつあることなどの背景をベースに、米国や世界経済の見通しを考察する。
2022.9.29配信 Vol.86
日本にはまだ需要が足りない:日本のインフレ動向/欧州は冬を乗り切れるか:ガス不足と価格の試算/サステナブルファイナンスの取組みと課題~国内外の規制動向や議論が急速に進展
日本の8月消費者物価指数の上昇要因の多くは外的ショックによるコスト・プッシュ型のインフレである。日本銀行が目標とする2%の物価安定目標との間にはその内容においてまだ距離がある。日本経済全体の需給ギャップと日本のデフレ構造を基に、持続的な物価上昇と経済成長を実現に必要な施策について考察する。
2022.8.29配信 Vol.85
利上げ影響の顕在化が押し下げ要因に:2023年経済見通し/世界経済のもう一つの下押し要因:不確実性の増大
来年2023年の主要国・地域の経済見通しは、総じて明るいとは言いにくい。米欧の金利引き上げ、欧州のエネルギー供給制約、インフレなどが本来の各国の成長力を抑制することになるとみる。8月中旬時点のベースライン見通しと、各国・地域毎の更なる下方リスクを考察する。
2022.7.26配信 Vol.84
景気先行指数は低下中:米国リセッション見通しアップデート/インフレ再考:連動しない原油価格とピークアウトするシリコン・サイクル
グローバルな経済成長見通しに対する下方リスク要因が目立ってきている。先進国、新興国を問わず、歴史的なインフレを記録する国が相次いでおり、米国ではインフレによる実質消費の減速や企業の在庫積み増しペースの調整が成長下押し要因になる可能性がある。米国、ユーロ圏、日本を中心に世界経済の動向を解説する。
2022.6.27配信 Vol.83
利上げ加速でリスク資産に黄信号:米国FRBの金融政策/最近の円安はドル買いか日本売りか:”貿易赤字”は20年前から不変
円安の進展になかなか歯止めがかからず、当方の為替見通しも月を追うごとに円安方向への修正を迫られている。円安の背景について、「ドル高要因」や「日本要因」、さらに日米の金利差が大きく拡大したことを踏まえて動向を分析する。
2022.5.30配信 Vol.82
リセッションまでの道のりは遠い:米国景気先行指数動向/米国経済は利上げ加速に耐えられるか:カギは金融市場
最近経済のリセッション(景気後退)入りの可能性についての議論が高まっているが、当方では、1-2年以内に米国をはじめ各国がリセッションに陥る可能性は低いと見ている。米国を例に、経済金融指標をもとに景気後退の可能性を探る。
2022.4.25配信 Vol.81
FRB利上げ加速の功罪:リスク資産価格現況/円安の影響を考える3つの視点
米国のFRB連邦公開市場委員会(FOMC)の3月定例会合における今後の金融政策についての急激なタカ派転換は、当方にとっても想定外のサプライズであった。3月会合後に公表されたFOMC委員の経済予測の中央値によれば、FF金利誘導目標レンジは2022年末に1.75-2%、2023年末に2.75-3%とされている。
2022.3.29配信 Vol.80
エネルギー不足に見る脱炭素化へのハードル/地政学的危機による世界経済への影響
脱炭素化の過程でのエネルギー価格高騰リスクが顕在化しつつある。地政学リスクのみならず自然災害等の外的ショックによる化石燃料の供給制約が発生した際、脱炭素化政策以前の時代に比べて経済への影響も大きく構造的になる可能性があり、これを勘案したシナリオを各企業は想定しておく必要がある。
2022.2.25配信 Vol.79
Separate Ways:ウクライナ危機と欧州の政治経済/地政学リスクの金融市場への影響をどうみるか
「2022年の10大リスク」の第5位に挙げた「ロシアの対欧州圧力拡大」が顕在化目前となっている。ウクライナ情勢が各国の金融市場に与える影響を分析する。
2022.1.24配信 Vol.78
「インフレ、気候、地政学」:2022年の見通しと10大リスク/インフレの先行きを占う労働市場:賃金・ミスマッチの各国比較
「インフレ、気候、地政学」の見地から今年の10大リスクを選定し、そのうち特に今年のリスクを象徴するといえる3つの項目を概観する。
2021
2021.12.27配信 Vol.77
構造要因への早期対応:FOMCの金融政策/2022年は新興国通貨に要注意/気候変動に係るリスク管理と監督当局の動き~バーゼル銀行監督委員会のハイレベルな原則と2022年に向けた課題
米国のFRB連邦公開市場委員会(FOMC)は12月の定例会合で、資産購入終了時期の前倒しを決定。FOMC委員の経済予測によれば、2022年の利上げ回数は3回に加速した。当方では従前より現在のグローバルなインフレは相応に持続的なものであると見ていたことから、今回の決定は首肯しうる。
2021.11.30配信 Vol.76
新旧交代のはざま:エネルギー脱炭素化の将来リスクシナリオ/スタグフレーションは再来するか:物価上昇による景気の下押し圧力/欧州中央銀行が気候変動ストレス・テストを2022年に予定~気候変動リスク向け銀行監督はいよいよ本格化
地球温暖化防止のための脱炭素化にむけたエネルギートランジションは、言うまでもなく極めて難易度の高い政策である。昨今のエネルギー価格上昇は、化石燃料から再生可能エネルギーへの移行期間におけるリスクシナリオを検討する一つの契機となりうる。基本的に脱炭素化は経済にプラスの効果をもたらすというのがデロイトの考え方である。
2021.10.25配信 Vol.75
インフレ圧力じわり(3):原油価格急騰と実質賃金/原油は100ドルを目指すのか:過去と異なる価格上昇の原動力/ESGリスク管理の取り組みは行政も金融機関も道半ば~2022年もリスク管理高度化は不可避
米国のインフレ高進が止まらない。最近では、コロナ後の経済の構造変化に原油等資源価格の上昇が拍車をかけている。米国の実質賃金の伸び率、需給ギャップとコアCPIの関係をもとに世界経済がデフレ体質からインフレ体質に転換しつつある可能性を考察する。
2021.9.29配信 Vol.74
不確実性と機会:新型コロナ、気候変動のリスクのとらえ方/中国不動産関連リスクの拡大: 長期化すればテーパリングにも影響する可能性/欧州タクソノミー~トランジッションへの配慮と生物多様性など、気候変動以外のテーマへの取り組みも
新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は一部新興国を除き、グローバルで概ね収束方向に転換しつつあるものの、新型コロナウイルス感染症のリスクをはじめとして、グローバル政治経済の世界ではほかにも不確実性が多数ある。こうした「不確実性」を「脅威」としてのみならず「機会」ととらえることで、今後のリスク管理に必要な側面を考察する。
2021.8.30配信 Vol.73
感染収束見通しに下方リスク/出口の見えないコロナ禍:ワクチン頼みの限界/サステナビリティに組み込まれるソーシャルな要素~欧州では環境要素に加え、デューデリジェンスなど社会的な要素への一段の考慮が重要に
新型コロナウイルス感染症の収束見通しにリスクが出てきている。新型コロナ感染拡大に出口が見えつつあるという、中期的な見通しに変更はないが、昨今の感染者再拡大、特にデルタ株感染拡大の状況に鑑みれば、収束に至るまでのハードルが高まってきた。新型コロナ感染による入院患者数の増加が特に日本において顕著であり、米国でも入院患者数の再増加がみられることがその理由である。
2021.7.28配信 Vol.72
インフレリスク圧力じわり(2):雇用市場のミスマッチ/世界は「新冷戦」に向かっているのか:外交距離の定量化/NGFSによる気候シナリオPhase2:監督上のストレステストで広く参照
2021年5月付当レポートでは、米国のインフレ圧力の持続的要因として、特に賃金については、失業率が十分に低下しない状況下でも、雇用のミスマッチによる自然失業率の上昇で、賃金が失業率の低下に先んじて上昇する可能性があると述べた。本レポートでは労働市場変化に伴う賃金上昇について状況を概観する。
2021.6.28配信 Vol.71
遅れてきたポストコロナ:構造変化再考/構造変化が顕在化しているオフィス市場/ASEANにおける気候変動タクソノミーの取り組み~トランジションに向けた課題
ロックダウンなどの感染症対策やワクチン接種の進行で、1年以上に及んだ新型コロナウイルス感染症拡大に漸く出口が見えつつある。新型コロナ感染症危機対応のうち、渦中対応体制はほぼ確立したといえる。しかし、回復期における業務計画見直しは、当初の2021年から2022年計画に後ずれした。
2021.5.31配信 Vol.70
インフレリスク圧力じわり:米国の消費者物価/先行3カ国にみるワクチン接種の効果/米国では、ESGのSへの取り組みが加速
原油価格等の一時要因を除けば実体経済におけるインフレ率上昇の懸念はないと考えてきた。しかしながら、4月の米国消費者物価の各指標は米国のインフレ圧力が必ずしも一時的なものではない可能性を示唆しており、いましばらくの注視が必要である。
2021.4.26配信 Vol.69
回復過程のリスク:米国家計資産の状況/再考・住宅市場の上昇トレンド/加速するESG開示~開示の質の向上に向けてデータ構築を急ぐフェーズへ
当方では年内一杯、金融緩和の効果で株式等のリスク資産は高値で推移することをベースラインシナリオとしている。しかし、経済回復に伴い、新型コロナ対策として打ち出された種々の対策の巻き戻しがリスク資産の反落につながるリスクには留意が必要である。
2021.3.29配信 Vol.68
続・構造変化の顕在化:米中関係/円安は続くのか:実質金利差の水準と方向からみた為替相場/米英EUの2021年ストレステストシナリオ~ポストコロナのマクロシナリオへの挑戦
バイデン政権の発足でより構造的な形で顕在化した米中対立が、グローバルな経済圏の分断とサプライチェーン変革に与える影響を考察する。民間企業にとっては、かかる政治主導の構造変化に如何に適応していくかが課題となる。
2021.2.26配信 Vol.67
構造変化の顕在化:半導体市場/株高が崩れる時/チェンジメーカーとしての中央銀行デジタル通貨~デジタルユーロの可能性
昨今の半導体不足は、国家間協調の後退と新型コロナ感染症がもたらす構造変化の顕れといえる。グローバルな半導体不足は、米国の中国IT企業への制裁による供給減と、新型コロナ感染症による社会生活の変化に伴う需要増との同時発生に起因する。中国では、米国からの設備や材料の調達ルートが遮断されたことで半導体生産が大きな打撃を受けている。
2021.1.25配信 Vol.66
2021年のグローバル経済見通しと主要リスク/景気回復の頼みの綱となる製造業/コロナ後を見据えて、デジタル経済をめぐる新たな枠組みを模索する各国政府
年初より新型コロナ感染症の再度の拡大を受け、日本で2回目の緊急事態宣言が発令されたこと、英国やドイツなどで経済活動制限が大幅強化され移動データ等にみる社会活動が大幅に低下している。ただ、各国政府は経済活動維持にも配慮した政策を採用しており、中期的にグローバル経済は回復過程にあるといえそうだ。
2020
2020.12.21配信 Vol.65
Walk Don’t Run?:米ドルLIBOR公表停止時期延期/2021年も各種不均衡の表出は抑えられるか/TCFD公表資料~気候関連開示の現状と高度化のガイダンス
2020年11月30日、LIBOR公表元である米国インターコンチネンタル取引所(ICE)は、英ポンド、ユーロ、スイスフラン、及び日本円のLIBORの公表を、2021年12月31日を最後に停止にするとした。英イングランド銀行(BOE)によるLIBORへの法的サポートが終了する2021年末を事実上のLIBOR移行期限と想定していた市場参加者にとって、これは大きな前提の変更となる。
2020.11.24配信 Vol.64
A Tale of Two Subsidies : 日銀と政府の地方銀行統合支援策/モビリティ・データが示す景気の下押し圧力/米大統領選を経て新たなフェーズに突入する気候変動対策
11月10日、日本銀行は「地域金融強化のための特別当座預金制度」の導入方針を政策委員会で決定、公表した。また、日本銀行の上乗せ金利ツール公表とほぼ同時に政府による統合費用直接支援策が報道されたことは、地銀の経営基盤強化や統合推進につき、政府と日本銀行が緊密に連携している可能性をうかがわせるものである。
2020.10.26配信 Vol.63
「労働市場の流動性」リスクが課題:ポストコロナの企業改革/脆弱さを抱える住宅価格の上昇トレンド/米国FRB:より深刻な景気後退を想定し初めての年2度目のストレステストシナリオを公表
ポストコロナのビジネスモデルについて、業種によってまた個別企業によって、新型コロナ対応の各段階への移行過程は異なるが、「人材の確保」と「労働市場の流動性」が共通の課題であると考えられる。従前からの企業内の人材では足らず、外部人材の活用を可能にすることが不可欠となり、人材確保手段は多様な手段を駆使する必要があろう
2020.9.23配信 Vol.62
景気と債務のトレードオフ:コロナ禍における政府債務拡大/安倍政権下の株高をもたらしたもの/「金融行政方針」に求められるより中長期的な視点~諸外国との比較から
米国議会予算局(CBO)が9月2日に公表した「財政見通しアップデート2020-2030」では、新型コロナ感染症の拡大以降初めて、経済見通しと財政政策を反映した今後10年の連邦財政見通しが試算されています。今後中長期的には政府財政の悪化によるソブリンリスクが顕在化する可能性に留意が必要です。
2020.8.31配信 Vol.61
システミックリスク回避が使命:LIBOR移行問題/中国頼みの様相を強める世界経済/加速する決済のデジタル化への対応:インクルーシブな視点が不可欠
2021年末のLIBOR移行期限を前に、本邦においても市場参加者のLIBOR移行準備がようやく加速しつつあります。金融庁と日本銀行が連名で主要金融機関代表者宛に発出したDear CEOレターが一つのきっかけとなるが、移行の実施には未ださまざまなハードルが存在します。LIBOR移行の問題や、各国の経済動向について概観します。
2020.7.29配信 Vol.60
金融システムのリスクはこれから:新型コロナ感染症後の銀行決算/政策効果の息切れが懸念される2020年後半/ECB:気候関連・環境リスクガイド~ECBが監督上の対話で利用予定
新型コロナ危機下においても、大手金融機関の破綻に端を発し信用収縮が拡大した10年前のグローバル金融危機と大きく異なり、各国の金融システムは現在健全に機能しています。主要国の当局ストレス結果が示唆する金融システムの現状と米国大手銀行の4-6月期決算から見る特徴や潜在するリスクについて考察します。
2020.6.22配信 Vol.59
国家間協調の後退とポストコロナの世界/脆弱な景気と底堅い株価の共存は続くのか/COVID-19による金融セクターへの影響とLIBOR移行対応への示唆
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の副産物として、米国と中国の政治的対立の先鋭化が挙げられます。また、日本や米国、欧州では経済再開の動きが見られる中、新興国では経済活動が正常化に向かっている国と、感染拡大が継続する国とで明暗が分かれています。今月号では、ポストコロナの世界情勢と、COVID-19がグローバル金融にもたらす影響を分析します。
2020.5.25配信 Vol.58
ポストコロナの世界を見通す:危機対応の3つの時間軸/足許の景気の状況を捉える:週次経済活動指数作成の試み/新型コロナウイルス感染症の影響拡大を受けた各国の金融規制上の対応~中長期的な視点が不可欠~
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大ペースが主要な国・地域の一部で減速に入っています。現状の危機管理から将来のビジネスモデル改革に至るまで、COVID-19に係るシナリオと対応を、大きく「短期」「中期」「長期」の3つの時間軸に分け考察します。
2020.4.27配信 Vol.57
新型コロナ発リスクの波及先:金融システムのリスク/V字回復を阻む要因/EU TEG:タクソノミーファイナルレポート及び技術的補足資料~EU域内での開示および金融商品開発に影響
新型コロナウイルス感染拡大による経済悪化に鑑み、米国、欧州、日本、中国、新興国のベースラインシナリオをさらに大幅に下方修正し、いまや米・欧・日の2020年の通年成長率は前年比大幅なマイナス成長と予測しています。前号に引き続き、新型コロナウイルスが各国経済に及ぼす影響と、回復を阻む要因について考察します。
2020.3.24配信 Vol.56
見通し悪化と政策対応:新型コロナウイルス/新型コロナウイルスの影響はどこまで拡大するか:試算アップデート/米国と欧州のストレステストシナリオ~構造面での経済・市場におけるリスク分析の重要性が増す可能性も
新型コロナウイルス感染症は今やグローバルなリスクに拡大しています。想定するグローバル経済のベースラインシナリオを下方修正し、各国の景気急減即リスクの蓋然性も上昇したと言わざる得ません。前号に引き続いて、新型コロナウイルスが各国の実体経済や金融市場および金融システムに与える影響について試算します。
2020.2.25配信 Vol.55
景気の一時悪化は避けられず:新型コロナウイルス/新型コロナウイルスの影響試算:中国発の需要・供給ショック/英国が気候変動リスクを考慮するストレステストの実施を計画
新型コロナウイルスによる肺炎(新型肺炎)の拡大がグローバルなリスクの状況を塗り替えようとしている。新型肺炎の拡大は、中国経済及び関係海外各国の経済成長に係るベースラインシナリオの変更と、一部リスクシナリオの蓋然性の高まりをもたらさざるを得ない。新型肺炎による中国・日本およびグローバル経済への影響を試算します。
2020.1.27配信 Vol.54
幾分楽観にシフト:2020年マクロベースラインシナリオ/米中合意の光と影:第三国への負の影響に留意/英国で取り組みが加速するオペレーショナル・レジリエンス対応
2020年は、予想外の地政学イベントで始まりました。米・イラン間の軍事的緊張を受け、WTI原油先物価格も一時1バレル=60ドル台半ばにまで上昇しましたが、その後は同60ドル前後の元のレンジに回帰しています。中東における地政学リスク、米中通商交渉や英国のEU離脱の状況から、2020年初のグローバル政治経済を考察します。
2019
2019.12.23配信 Vol.53
材料が続く:米中交渉と英国議会選挙/株価の下落リスクを探る/注目されるサードパーティー管理強化の動き
2019年の終了間際に、グローバル経済にとっての好材料が続いています。米中通商交渉のいわゆる「第1段階」は合意に達し、中国に対する既存の制裁関税の一部緩和が決定されました。また、英国では12日に実施された下院議員選挙の結果、保守党が大差で過半数の議席を獲得しました。米中通商交渉やEU離脱などのリスク要因について分析します。
2019.11.25配信 Vol.52
リスクオンは一時的とみる/景気と抗議デモの関係:2020年もリスクは高止まり/EU流動性ストレステスト結果からみる流動性管理における高度化の方向性
ここ1か月の間にグローバルなマクロストレスのリスクはやや緩和方向にシフトしています。米中通商交渉はいわゆる「第1段階」の合意にむけて交渉が進んでいる模様ですが、第4弾の制裁関税(12月発動予定)の発動は米国経済にも相応の下方リスクをもたらすことから、米国側も慎重にならざるを得ないと考えられます。米中通商交渉や英国のEU離脱、世界経済の現状を踏まえ、来年に向けてのグローバル経済動向について概観します。
2019.10.23配信 Vol.51
不確実性の中のシナリオ:来年のグローバルリスク展望/乖離する2つの「不確実性」:VIXとEPU指数/非財務リスク管理強化に向けたオーストラリアにおける取組み
2019年も残すところあと2ヶ月あまりとなったものの、グローバル経済においては不確実性要因が未だ山積しています。米中通商交渉については、10月の米中閣僚級協議で10月の追加制裁関税の実施見送りが合意された模様です。しかしながら、既存の制裁関税の撤廃は見送られたうえ、中国における補助金や技術移転強制などの構造問題は解決しておらず、これが今後の通商交渉の長期化要因になることも考えられます。今後のグローバル経済動向とリスクについて分析します。
2019.9.25配信 Vol.50
米国経済下方リスク/原油価格の供給ショックと需要ショック/ボルカー・ルール改定による恩恵には期待も今後の規制動向は政治に注目
米国は9月1日から、対中国輸入品約1600億ドル相当についての15%の追加制裁関税(いわゆる第4弾)を実施しました。さらに10月には1~3弾についても制裁関税の30%への引き上げ、また12月には第4弾の残りの部分(スマートフォン等)の追加関税を実施する予定です。一部の引き上げ時期を後倒ししたものの、今回の制裁関税の水準引き上げに加えて消費者センチメントの低下、企業景況感の悪化は米国を含めた来年のグローバル経済にどのような影響を与えるでしょうか。
2019.8.28配信 Vol.49
米国発エマージング行き:制裁関税第4弾のリスク/グローバル・リスクオフと新興国通貨の関係/リブラが問題提起する新技術と金融規制の関係
FRB連邦公開市場委員会(FOMC)は7月の定例会合で予想通り0.25%の利下げを決定し、FF金利誘導目標レンジを2.00~2.25%としましたが、会合後の記者会見でのパウエルFRB議長の発言が市場予想ほどにはハト派でなかったことから、米国株は下落、長期金利は上昇しました。米国経済および中国に対する制裁関税がグローバル経済にもたらすリスクについて考察します。
2019.7.23配信 Vol.48
予防的緩和の功罪/利下げが逆風となるレバレッジド・ローン市場/金融機関の再建破綻計画は、より実務的かつ戦略的な検討が必要なフェーズへ
6月末の米中首脳会談で米中通商交渉の再開が合意され、制裁関税の所謂「第4弾」の実施はいったん見送られました。追加制裁関税によるさらなるリスクの高まりは回避されたとはいえ、中国経済の減速傾向、およびこれを端緒とするグローバル経済の下方リスクは継続しているといえます。米国経済の現状とFRBの「予防的」利下げが実施された場合の効果とリスクについて考察します。
2019.6.24配信 Vol.47
必要な「金融政策ののりしろ」/循環的な調整圧力に見る世界経済のショック耐性/「非キャッシュレス」を巡る議論~キャッシュレス先進国では現金へのアクセス維持が課題に
グローバル経済の減速が、新興国の経済指標にも表れ始めています。米中通商問題の長期化とこれに伴う制裁関税のリスク、米国とイランの対立に見られるような地政学リスクの高まりは、新興国の不安定化のさらなるリスク要因といえるでしょう。米中を中心とした各国の経済動向と今後のグローバル経済の先行きを予測するうえで留意すべきリスクについて考察します。
2019.5.24配信 Vol.46
減速基調は不変:グローバル経済の下方リスク / 日米摩擦の経験から占う米中対立 / フォワードルッキングな経営が求められる地方金融機関
中国を起点とするグローバル経済の下方リスクが高まりつつあります。米国、ユーロ圏、日本、及び中国の実質GDP成長率は1-3月期に想定以上の強い伸びを示し、株価上昇など金融市場の好転と合わせてグローバル経済の不安材料の解消かとも思われました。しかし、その後の米中通商交渉の決裂と制裁関税引き上げ措置はかかる楽観に水を差すイベントとなりました。米中通商交渉の決裂と関税の引き上げが両国経済にもたらす影響について概観します。
2018
2018.12.21配信 Vol.45
米国が仕掛ける貿易戦争の威力 / 内部モデル開発再開の時:FRTB規制最終案合意 / 欧州は経済も不安
足許の世界の株式相場は、ますます荒れた展開となってきました。中国の通信機器最大手企業の幹部のカナダでの逮捕や、英国のEUからの合意無き離脱の可能性の高まり、さらには長期金利低下に伴う逆イールドの発生等から、再び大きな下落に直面するなど、非常に激しい変動を繰り返しています。米国の中国に対する関税引き上げ交渉の行方やトランプ大統領主導の保護主義的な通商政策が日本の輸出産業に及ぼす影響について論じます。
2018.11.26配信 Vol.44
ポピュリズムの宴の後に控えるもの / 収斂と拡散は続く:金融規制クロスボーダー適用の動向 / 中国景気下支え策の持続性
米国経済は依然力強く、物価上昇率は引き続き落ち着いた展開ながら、高水準の景況感、さらにはこれまで株式相場を引っ張って来たFANGとも呼ばれるイノベーション系企業群の収益にも、ピークアウトの兆しがみえてきました。中国経済は引き続き成長減速傾向にあり、貿易摩擦激化の影響から、景況感の悪化が明確化しつつあります。こうした米中の動きに加え、成長の急減速が目立つ欧州経済とその政治状況の動向を概観します。
2018.10.22配信 Vol.43
米国経済の先行きへの「自信」と「不安」がせめぎ合う株式市場の行方 / リスク・アペタイト・フレームワーク活用の時 / 米国中間選挙後のリスク
米国経済の絶好調が続くなか、いよいよ米国長期金利の水準が切り上がってきました。但し、雇用の一層のタイト化が進むなかでも、一時上昇加速の兆しをみせていた賃金は再び落ち着いた動きとなっており、必ずしも物価上昇加速の動きが強まっているわけではありません。米国経済の先行きへの「自信」と「不安」は今後の株式市場にどのように影響するでしょうか。
2018.9.25配信 Vol.42
高まるポピュリズムのコンテイジョン・リスク / 国際金融規制の金融システムへの影響 / 米国の通商政策の日本への影響
米国では中間選挙を控え、米政権を揺るがすイベントが相次いで発生しており、政権の支持率も足許低下傾向にあります。こうした影響もあってか、貿易や外交政策面で米政権の過激な方向性が一層目立つようになってきました。米国のみではなく、欧州等世界全体にも広がりつつあるポピュリズム的政治動向を概観します。
2018.8.24配信 Vol.41
ポピュリズムによる「ガス抜き」は好調な世界経済の持続性を高めるのか? / コンダクトリスク管理のPDCA / トルコショックの波及を考える
堅調なグローバル経済の中でも、米国経済の強さが際立つようになってきました。欧州や日本経済の成長が供給制約要因や貿易摩擦への懸念等もあって減速傾向をみせるなかで、一人米国経済のみが成長をむしろ加速させています。米国経済の勢いについて解説します。
2018.7.23配信 Vol.40
米国発中国経由エマージング諸国行き経済危機? / 再建・破綻処理計画の実行可能性が問われる / 中国政府は景気下支え策を強化するか
米国のトランプ政権が仕掛けた貿易戦争が深刻化する様相を呈しています。主要国を対象とした鉄鋼・アルミ製品に対する追加関税に加え、中国に対する貿易赤字是正を目的とした追加関税の第一弾(340億ドル分)も実行に移され、同時に中国側もこれに対する報復関税を実施しました。本貿易戦争の概要と影響を解説します。
2018.6.22配信 Vol.39
(量的緩和からの)Exitいろいろ / 米国ボルカー・ルール改正案は規制対応コストを緩和する / 欧州ソブリンリスク再び
米国では、景況感そのものは非常に強く、労働市場の一段のタイト化も進んでいます。賃金・物価の上昇率は今のところ 落ち着いていますが、物価上昇率の水準は既に目標とする 2%にほぼ到達しています。こうした中でのFRBやECBの動きについて概観します。
2018.5.25配信 Vol.38
中国は不均衡調整緩和になびくのか? / ベンチマーク改革は一大事業となる:金融指標改革の動向 / 新興国通貨下落の広がりについて考える
米国では消費者物価上昇率がいよいよFRBの目標とする2%圏内に入ってきました。こうしたなか、長期金利は水準を切り上げる傾向にあるほかドル高も目立つようになっており、これが、これまで安定していたエマージング諸国の通貨の一部に異変を起こしています。一方で、足許の成長スピードがほぼ横這いとなっている中国経済はどのような動きを見せるでしょうか。
2018.4.20配信 Vol.37
エマージング諸国が迎える政治の季節 / 「抜本的見直し」の見直し / 米国のコアCPIは1年ぶりの伸び率
絶好調を続けてきた先進国経済ですが、日米欧とも
絶好調を続けてきた先進国経済ですが、日米欧ともに足許やや減速気味で推移しています。そろそろ成長の「壁」にぶつかってきたのかもしれません。一方、今のところ、概ね堅調な状態を維持しているように見えるエマージング諸国経済について論じます。
2018.3.26配信 Vol.36
主要国間の対立深刻化の影深まる / コード・オブ・コンダクトへのコミットメント:グローバル外為行動規範 / 米国向け輸出の現状
2月までみられた米国の賃金・物価上昇の加速化懸念が債券・株式市場のゴルディロック状況を脅かす事態は、一服しているようにみえます。物価上昇懸念を起点とするゴルディロック修正は小休止だったのですが、これに代わって新たに台頭してきたリスクオフ要因である、政治リスク、地政学リスクについて論じます。
2018.3.26配信 Vol.35
2018年は「財政政策の年」に“も”なるか / 仮想通貨規制強化 / 骨太の財政再建策が示されるか
足許一か月の状況の特徴は、先月指摘した米国における物価・賃金上昇の兆しがより明確化し、これがいよいよ長期金利や、さらには株価等のリスク性資産の価格に跳ね返ってきたことでした。金融政策が重要になるのと同じ理由から、重要になる可能性が非常に高くなってきた財政政策について論じます。
2018.3.26配信 Vol.34
2018年は「金融政策の年」となるか / Pillar2強化に向けて / イールドカーブのフラット化と景気後退
2018年に入り、先進国の長期金利が少し動き始めました。米国の10年物国債の利回りが2.6%を超えるようになってきたほか、欧州や日本においても、長期金利が上昇する局面が目立っています。こうした中での2018年の金融政策について論じます。
2017
2017.12.22配信 Vol.33
米国の法人減税が意味するもの / これからがレース本番:バーゼルⅢ改革合意成立 / 大規模減税で意識される財政リスク
2017.11.24配信 Vol.32
「上がらない物価」がもたらす帰結 / コンダクトリスクへの処方箋 / 賃金動向に関する考察<日本>
2017.10.27配信 Vol.31
エマージング経済の意外?な堅調 / 合意まで数メートル:バーゼルⅢ改革 / 賃金上昇がインフレ加速を後押し / 海外で危機が発生した場合のポイントとは
2017.9.22配信 Vol.30
想定通りのコースを歩む中国経済の想定外? / 透明性と流動性のジレンマ / 債務上限問題は年末へ / 新興国ビジネスにおける労務リスク
2017.8.25配信 Vol.29
いつか来る景気後退後の世界 / トランプ政権の金融規制見直しは進む / 長雨が景気の熱を冷ます? / 聖地エルサレムでの衝突とその背景
2017.7.21配信 Vol.28
主要国中央銀行による一斉の軌道修正の背景 / バーゼル「銀行勘定の金利リスク」対応を急げ / 金融政策の正常化で円安は進む? / カタール外交危機から見える中東情勢
2017.6.26配信 Vol.27
米国FRBの強気 / Banco PopularとMonte dei Paschiの破綻処理 / Brexitだけでなくインフレも心配 / 欧州連合(EU:European Union)と欧州の右傾化
2017.5.26配信 Vol.26
好調マクロ経済の裏側 / 大手金融機関の不正な販売慣行に係る調査報告書 / 安定するアジア経済に忍び寄る逆風 / 新興国における腐敗問題
2017.4.20配信 Vol.25
普通化するトランプ政権はトランプ相場の巻き戻しを食い止められるか / グラス・スティーガル法の復活 / 米国の個人消費は減速基調に向かうのか? / 新興国ビジネスリスクシリーズ(10) ~マレーシア~
2017.3.24配信 Vol.24
欧州の「想定外」は、右傾化ではなくて左傾化か? / 国際金融規制の行方 / ECBのスタンスと物価の基調 / 「イスラエル」を知れば現代の国際社会が分かる?
2017.2.24配信 Vol.23
試される金融政策 / 米国大統領令と国際金融規制 / 財政黒字化目標の再考 / カントリーリスクとしての自然災害
2017.1.26配信 Vol.22
リアリティ・ショーはテレビ画面から飛び出るか / バーゼル3合意延期と米新政権の影響 / ドル高と米国企業収益 / 海外出張時にはどのような航空機に乗るべきか?
2016
2016.12.22配信 Vol.21
「インフレ」の予感 / バーゼル会合と国際金融規制の行方 / 年初の相場の再来となるか / 欧米における「児童虐待」は広範囲
2016.11.25配信 Vol.20
トランプ新大統領がもたらす「勝者」と「敗者」 / トランプ政権の金融規制政策 / 長期金利のコントロール / 不思議の国シンガポール
2016.10.21配信 Vol.19
硬直してきた中央銀行に忍び寄る欧州不安の影 / 大手金融機関の相次ぐミスコンダクトがもたらす帰結 / 債務が膨張する中国の危機は近いか / 新興国ビジネスリスクシリーズ(9)~カンボジア~
2016.9.27配信 Vol.18
凪のグローバル金融市場がスーパー台風を迎えるとき / 資本規制強化からベストプラクティス重視への転換の兆し / イールドカーブの形状変化 / 新興国ビジネスリスクシリーズ(8)~ブラジル~ / シンガポールの中央銀行(MAS)が一元的な資金
2016.8.29配信 Vol.17
政策の限界を前にして苦悩深める中央銀行 / 岐路にさしかかりつつあるコンダクトリスク対策 / 中国の過剰生産問題への対応は進むのか / 新興国ビジネスリクシーズ(7)~フィリピン~ / 一歩先行く英国のFCAはRegTechのフィードバックステートメントを公表
2016.7.25配信 Vol.16
相次ぐストレス事象への「怯え」がもたらす金融相場の過熱化 / 今後の影響が注目される資産運用業向け規制強化 / Brexit(英国のEU離脱)後の不確実性と株式市場と債券市場の相反するシグナル / 新興国ビジネスリクシーズ(6)~インドネシア~ / ブロックチェーンの欧米当局等の動き
2016.6.24配信 Vol.15
Brexit不安が示す「日本経済の弱さ」 / 規制強化から監督重視へ / 固定資産投資からみる国有企業改革の行方 / 新興国ビジネスリスクシリーズ(5)~メキシコ~
2016.5.20配信 Vol.14
ポピュリズムという名の不均衡が拡大する世界経済 / パナマ文書:金融業界にとって新たらしい頭痛の種? / 中国不動産市場に再びバブルの兆し / 新興国ビジネスリスクシリーズ(4)~インド~
2016.4.25配信 Vol.13(1周年記念号)
グローバル・リスクオフ小休止の中でもがく日本経済 / 行き過ぎた金融規制強化の可能性? / アベノミクスの先行きに対する不透明感 / 新興国ビジネスリスクシリーズ(3)~ベトナム~
2016.3.22配信 Vol.12
グローバル・リスクオフの休日 / コンダクトリスク管理態勢の方向性 / 米国の景気後退入り懸念はやや後退 / 新興国ビジネスリスクシリーズ(2)~ミャンマー~ / FinTechと規制そしてその後について
2016.2.19配信 Vol.11
アレルギー症状の悪化に悩むグローバル金融市場 / マーケット・リスクの規制改革がもたらす帰結とは? / 大幅に修正された米国金融政策見通し / 新興国ビジネスリスクシリーズ(1)~タイ~
2016.1.22配信 Vol.10
エマージング諸国の弥縫策が綻び始めるとき / 規制範囲を拡大する気になる動き / 新興国に対する逆風が再び強まる / 海外における安全対策のポイント
2015
2015.12.21配信 Vol.9
上り坂でのブレーキの効きに怯える世界経済 / 銀行規制の緩和とノンバンク規制の強化? / 米国ハイイールド債利回りの上昇は、株式市場に対する警戒サインなのか? / 欧州における右傾化の進展
2015.11.20配信 Vol.8
凪が支配するグローバル金融市場の向かう先 / 最終局面を迎えた? TBTF問題の解決に向けた取組み / 12月利上げの可能性が再浮上
2015.10.21配信 Vol.7
再びハト派色が増す先進国の金融政策 / 米国流のファンド規制がグローバル化する兆し / 米国に景気減速の兆候 / 不思議の国「日本」
2015.09.18配信 Vol.6
政府の統治能力が試されるエマージング経済 / 新たなステージに入ったデリバティブ規制改革 / 強い逆風に直面している新興国経済 / 世界的なイスラム教徒の拡大
2015.08.26配信 Vol.5
制御が困難化し始めた?中国経済の変調 / ますます重要視されるリスクアペタイト・フレームワーク / 中国経済に忍び寄るデフレリスク / 世界的な人口増加の傾向と、その影響
2015.07.24配信 Vol.4
ギリシャ、中国ショックに揺れる / 少しずつ見えてきたコンダクトリスクに対する当局の対処方針 / 東大日次物価指数:日用品の物価上昇が進行
2015.06.24配信 Vol.3
Secular Stagnation観測の後退? /邦銀経営にとって重要な規制改革が目白押し
2015.05.25配信 Vol.2
金融資産市場に動揺が走る / 規制強化と緩和の方向性
2015.04.28配信 Vol.1
米国経済に黄信号灯る? / Liquidity illusionへの警告強まる
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