Walk Don’t Run?:米ドルLIBOR公表停止時期延期 他 ブックマークが追加されました
最新動向/市場予測
Walk Don’t Run?:米ドルLIBOR公表停止時期延期 他
リスクインテリジェンス メールマガジン Vol.65(2020年12月)
リスクの概観と金融規制の動向に係る概観について、留意すべき特徴点を炙り出すと同時に、有限責任監査法人トーマツ リスク管理戦略センターが考える意見も発信いたします。
目次
- Walk Don’t Run?:米ドルLIBOR公表停止時期延期
- 2021年も各種不均衡の表出は抑えられるか
- TCFD公表資料~気候関連開示の現状と高度化のガイダンス
- 講演情報
- リスクインテリジェンスメールマガジン
リスクの概観(トレンド&トピックス)
Walk Don’t Run?:米ドルLIBOR公表停止時期延期
有限責任監査法人トーマツ
リスク管理戦略センター
ディレクター
勝藤 史郎
LIBOR移行にかかるサプライズがあった。2020年11月30日、LIBOR公表元である米国インターコンチネンタル取引所(ICE)は、LIBORの公表停止時期についての市中協議開始の意向を表明した。表明の中でICEは、英ポンド、ユーロ、スイスフラン、及び日本円のLIBORの公表を、2021年12月31日を最後に停止にするとした。しかしながら、米ドルLIBORについてはこれを2023年6月30日まで公表継続するとした(一部テナー=期間=を除く)。英イングランド銀行(BOE)によるLIBORへの法的サポートが終了する2021年末を事実上のLIBOR移行期限と想定していた市場参加者にとって、これは大きな前提の変更となる。
マクロ経済の動向(トレンド&トピックス)
2021年も各種不均衡の表出は抑えられるか
有限責任監査法人トーマツ
リスク管理戦略センター
マネジャー
市川 雄介
新型コロナウイルスのワクチン接種が一部の国で始まったものの、日本を含めた多くの国は足許の感染第2波・第3波の封じ込めに苦戦している。未だウイルスとの闘いに明確な出口が見えない中で、世界経済は2021年を迎えようとしている。
来年を見通すにあたり、様々な不均衡が蓄積していることに留意したい。まず、財政支出の急拡大である。米国では2020年度(2019年10月~2020年9月)の財政赤字が3兆ドルを突破し、目下議会では1兆ドル前後の更なる景気対策を協議中だ。日本でも2020年度第3次補正予算と21年度当初予算に跨る経済対策を決定し、20年度の国債発行額は112兆円と、驚異的な規模に達した。欧州では、ドイツがロックダウンの延長に伴い企業支援策として毎月100億ユーロ単位の支出を続けている他、ようやく成立の目途が立ったEUレベルの復興基金・中期予算からの資金配分を当てにする形で、来年の各国予算も膨張が目立っている。
金融規制の動向(トレンド&トピックス)
TCFD公表資料~気候関連開示の現状と高度化のガイダンス
有限責任監査法人トーマツ
リスク管理戦略センター
マネジャー
矢吹 正太郎
TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に基づく、気候変動に係る財務情報開示の進捗状況等を示すステータスレポートが2020年10月に公表された。2018、2019年に続き3度目となる報告書で、グローバルにおけるTCFD開示の状況を示している。TCFDは賛同企業の増加が続いている。2020年12月11日時点で、グローバルで1614社、国内では328社が賛同し、英国では上場企業への開示義務化、仏ではエネルギー転換法173条による気候関連開示をTCFDに連動させる動き、中国では上場企業に対して開示を義務化する動きも見られる。気候変動関連の開示においては、TCFDがデファクトスタンダードとなっている。一方で、企業によるTCFD開示の状況は、いずれの項目でも未だ50%を下回る水準にあり、開示項目の拡充は芳しくない。
講演情報
【外部講演】
G-MAC Online Seminar「COVID-19の金融機関への影響と対策」(11月27日:オンライン)
JTBコミュニケーションデザイン主催の「G-MAC Online Seminar」にて、有限責任監査法人トーマツ リスク管理戦略センター ディレクター 勝藤史郎が、「COVID-19の金融機関への影響と対策」をテーマに、新型コロナウイルス感染症を踏まえた今後の経済動向、産業の構造変革と、金融機関に与える影響と対策について講演しました。
リスクインテリジェンス メールマガジン
グローバルな視点からみた、企業経営上の様々なリスクをチェックするリスクインテリジェンス メールマガジン(グローバル・リスク・ウォッチ)では、毎月、過去一ヶ月間に起きた事象を振り返りながら、事業リスクという視点から、多くの金融機関や事業法人が留意すべき特徴点を炙り出します。同時に、様々なリスク管理や金融規制上のトピックに関し、デロイト トーマツ グループの一員である有限責任監査法人トーマツ リスク管理戦略センターが考える意見も発信していきます。
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