「労働市場の流動性」リスクが課題:ポストコロナの企業改革/脆弱さを抱える住宅価格の上昇トレンド 他 ブックマークが追加されました
最新動向/市場予測
「労働市場の流動性」リスクが課題:ポストコロナの企業改革/脆弱さを抱える住宅価格の上昇トレンド 他
リスクインテリジェンス メールマガジン Vol.63(2020年10月)
リスクの概観と金融規制の動向に係る概観について、留意すべき特徴点を炙り出すと同時に、有限責任監査法人トーマツ リスク管理戦略センターが考える意見も発信いたします。
目次
- 「労働市場の流動性」リスクが課題:ポストコロナの企業改革
- 脆弱さを抱える住宅価格の上昇トレンド
- 米国FRB:より深刻な景気後退を想定し初めての年2度目のストレステストシナリオを公表
- 講演情報
- リスクインテリジェンスメールマガジン
リスクの概観(トレンド&トピックス)
「労働市場の流動性」リスクが課題:ポストコロナの企業改革
有限責任監査法人トーマツ
リスク管理戦略センター
ディレクター
勝藤 史郎
最近、複数の上場企業のCFO(最高財務責任者)の方々にポストコロナのビジネスモデルにつきご意見を伺う機会があった。新型コロナウイルス感染症の収束は見えず、経済も回復には遠い状況である。しかしながら、お話を伺った企業は、新型コロナを危機であるとともに転機ともとらえて次のビジネスモデルを具体的に構想されていた。これは戦後最大の経済危機ともいわれる現状において、本邦企業の明るい面を見たと個人的に思った次第である。デロイト トーマツでは、新型コロナ危機への対応を、短期(Respond)、中期(Recover)、構造変化(Thrive)の3つの段階に分けて考えている。ただ当然ながら業種によってまた個別企業によって、新型コロナ対応の各段階への移行過程は異なる。例えば医薬品や通信などは既に構造変化による新たなビジネス拡大を実践しつつある。一方で人の移動が不可欠な娯楽・宿泊関連は短期対応から中期的な事業計画見直しの時期にある、などである。
マクロ経済の動向(トレンド&トピックス)
脆弱さを抱える住宅価格の上昇トレンド
有限責任監査法人トーマツ
リスク管理戦略センター
マネジャー
市川 雄介
景気の本格回復が程遠い中、株価の底堅さが目立つことについては、本コラムで大規模な金融緩和の影響が大きいことを指摘してきた。その株価と並んで堅調さが際立っているのが、各国の住宅価格である。
先進国・新興国のいずれも2020年前半は景気が大幅に落ち込んだが、各国の住宅価格は概ね上昇基調を維持している。細かく見れば、例えば英国では5・6月にかけて大きく低下した後、ロックダウン期間中に留められていた需要が顕在化する形で持ち直し、四半期に均せば上昇トレンドが続いている。株価と同様に金融緩和の恩恵(住宅ローン金利の低下)を受けたこと、家賃支払いの猶予や不動産関連の減税といった各種の住宅関連政策がとられていること、一部には在宅勤務の浸透を受けて、郊外エリアによる住宅需要の拡大が全体を押し上げていることが底堅さの背景にある。またそもそも、GDPが示唆するほど家計の所得環境が悪化していないことも見逃せない。
金融規制の動向(トレンド&トピックス)
米国FRB:より深刻な景気後退を想定し初めての年2度目のストレステストシナリオを公表
有限責任監査法人トーマツ
リスク管理戦略センター
マネジャー
菅谷 幸一
米国FRB(連邦準備理事会)は2020年9月、「2020年第4四半期における資本計画の再提出のための監督上のシナリオ」を公表した。これは、米国大手金融機関による資本計画の再提出のために追加で実施される同年2回目のストレステストに使用される監督上のシナリオを解説するものだ。 FRBがストレステストを年に2回実施するのは今回が初めてであり注目度が高い。なお、この第2回STの対象は、総資産1,000億ドルを上回る米国銀行持株会社、貯蓄・貸付持株会社、外国銀行グループの米国中間持株会社の計34行である。
講演情報
【外部講演】
◆株式会社セミナーインフォ主催「LIBOR移行の最新動向と金融機関の実務」(2020年11月4日:オンライン受講)
株式会社セミナーインフォが開催するセミナー「LIBOR移行の最新動向と金融機関の実務」にて、有限責任監査法人トーマツ リスク戦略センター ディレクター 勝藤史郎がLIBOR移行対応のためのプロジェクト推進について解説します。
※概要とお申込みはこちら(外部サイト)をご覧ください。
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グローバルな視点からみた、企業経営上の様々なリスクをチェックするリスクインテリジェンス メールマガジン(グローバル・リスク・ウォッチ)では、毎月、過去一ヶ月間に起きた事象を振り返りながら、事業リスクという視点から、多くの金融機関や事業法人が留意すべき特徴点を炙り出します。同時に、様々なリスク管理や金融規制上のトピックに関し、デロイト トーマツ グループの一員である有限責任監査法人トーマツ リスク管理戦略センターが考える意見も発信していきます。
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