最新動向/市場予測

Separate Ways:ウクライナ危機と欧州の政治経済/地政学リスクの金融市場への影響をどうみるか

リスクインテリジェンス メールマガジン Vol.79(2022年2月)

リスクの概観と金融規制の動向に係る概観について、留意すべき特徴点を炙り出すと同時に、有限責任監査法人トーマツ リスク管理戦略センターが考える意見も発信いたします。

リスクの概観(トレンド&トピックス)

Separate Ways:ウクライナ危機と欧州の政治経済

有限責任監査法人トーマツ
リスク管理戦略センター
マネージングディレクター
勝藤 史郎
 

1月の当レポートで「2022年の10大リスク」の第5位に挙げた「ロシアの対欧州圧力拡大」が顕在化目前となっている。本稿執筆時点で、ロシアはウクライナ東部地域への派兵に踏み切り、日米欧各国が金融面を中心とする部分的な制裁を発動した。依然10万を超えるロシア側の軍事力配備状況や、NATO側との交渉不調の状況に鑑みると、今後更なる軍事侵攻は回避困難な状況に近いと筆者個人は見ている。軍事侵攻が回避された場合でも、ウクライナ政府への介入やサイバー攻撃といった非武力的攻撃がなされるリスクは依然高い。さらに、ロシアと欧州の軍事的緊張関係はウクライナ一国の局地的な問題ではなく、より中期的なグローバルかつ中長期的な国際政治のパワーバランスに関わる問題といえる。

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マクロ経済の動向(トレンド&トピックス)

地政学リスクの金融市場への影響をどうみるか

有限責任監査法人トーマツ
リスク管理戦略センター
マネジャー
市川 雄介

緊迫が続いてきたウクライナ情勢をめぐっては、本稿執筆時点ではロシアはウクライナ東部地域への派兵に踏み切り、日米欧各国が金融面を中心とする部分的な制裁を発動した状況にある。仮に親露派が実効支配するエリアを超えてロシアが侵攻を拡大した場合、人的・物的な被害が発生するのはもちろん、ウクライナ以外の各国にも大きな影響が生じることが見込まれている。今回はロシアからのエネルギー供給の行方が焦点となっているが、欧州は天然ガス輸入の4割をロシアに依存し、ロシアは原油・天然ガスが輸出の5割を占めるという状況に鑑みれば、エネルギー供給の大幅な制約は欧州・ロシアの双方に甚大な影響を及ぼすだろう。

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(注)本稿は2022年2月24日時点の情報に基づく。

講演情報

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グローバルな視点からみた、企業経営上の様々なリスクをチェックするリスクインテリジェンス メールマガジン(グローバル・リスク・ウォッチ)では、毎月、過去一ヶ月間に起きた事象を振り返りながら、事業リスクという視点から、多くの金融機関や事業法人が留意すべき特徴点を炙り出します。同時に、様々なリスク管理や金融規制上のトピックに関し、デロイト トーマツ グループの一員である有限責任監査法人トーマツ リスク管理戦略センターが考える意見も発信していきます。

 

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