最新動向/市場予測

利上げ加速でリスク資産に黄信号:米国FRBの金融政策/最近の円安はドル買いか日本売りか:”貿易赤字”は20年前から不変

リスクインテリジェンス メールマガジン Vol.83(2022年6月)

リスクの概観と金融規制の動向に係る概観について、留意すべき特徴点を炙り出すと同時に、有限責任監査法人トーマツ リスク管理戦略センターが考える意見も発信いたします。

リスクの概観(トレンド&トピックス)

利上げ加速でリスク資産に黄信号:米国FRBの金融政策

有限責任監査法人トーマツ
リスク管理戦略センター
マネージングディレクター
勝藤 史郎 

米国FRBの金融政策が更にタカ派色を強めた。連邦公開市場委員会(FOMC)は6月の定例会合で、FF金利誘導目標レンジの0.75%引き上げを決定、更にFOMC委員による四半期経済予測における今後のFF金利予測中央値も上方シフトし、年内に3%半ばまで、来年には約4%まで引き上げることを示唆するものとなった。これは前回3月の同予測に比べ、年内の利上げ幅が1.5%、来年までの利上げ幅が1%拡大したことを意味する。当方では今年3月にFRB金融政策見通しを引き上げて以降も、さらにこれを徐々に上方修正し、6月FOMC直前時点では年末のFF金利を2.5%(FOMCの同予測における長期均衡金利)、来年はこれをやや上回る3%台半ばとしていた。しかしながら、6月FOMCの想定以上の利上げペース加速スタンスを反映してこれを更に上方修正した。

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マクロ経済の動向(トレンド&トピックス)

最近の円安はドル買いか日本売りか:”貿易赤字”は20年前から不変

有限責任監査法人トーマツ
リスク管理戦略センター
マネジャー
市川 雄介

円安の進展になかなか歯止めがかからず、当方の為替見通しも月を追うごとに円安方向への修正を迫られている。最近の円安は、米国FRBがインフレ加速への危機感を急激に高め、米国金利が他国と比べて大きく上昇した「ドル高要因」に加え、日本銀行が欧州などを含めた先進国の中でも例外的に金融緩和の継続を堅持するという「日本要因」が重なり、日米の金利差が大きく拡大したことが背景にある。そのため、日銀が金融緩和の縮小に動かないことを前提にすれば、当面のドル円相場は米国のインフレ・金利動向次第ということになる。インフレがなかなか収まらずFRBが一段と利上げを加速させることになれば更なる円安、逆に予想以上に早くインフレが収束に向かえば相場が円高に反転することも考えられる状況だ。

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グローバルな視点からみた、企業経営上の様々なリスクをチェックするリスクインテリジェンス メールマガジン(グローバル・リスク・ウォッチ)では、毎月、過去一ヶ月間に起きた事象を振り返りながら、事業リスクという視点から、多くの金融機関や事業法人が留意すべき特徴点を炙り出します。同時に、様々なリスク管理や金融規制上のトピックに関し、デロイト トーマツ グループの一員である有限責任監査法人トーマツ リスク管理戦略センターが考える意見も発信していきます。

 

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