最新動向/市場予測

日銀の金融政策正常化見通し/中国レアメタル輸出規制のシナリオ

リスクインテリジェンス メールマガジン Vol.97(2023年8月)

リスクの概観と金融規制の動向に係る概観について、留意すべき特徴点を炙り出すと同時に、有限責任監査法人トーマツ リスク管理戦略センターが考える意見も発信いたします。

リスクの概観(トレンド&トピックス)

日銀の金融政策正常化見通し

有限責任監査法人トーマツ
リスク管理戦略センター
マネージングディレクター
勝藤 史郎 

日本はデフレ脱却と金融政策正常化への道のりを着実にたどっていると当方はみている。日本銀行は7月の金融政策決定会合で、イールドカーブ・コントロール(YCC)を修正し長期金利の許容変動幅を事実上拡大することを決定した。2023年7月号の本レポートで述べたように、当方では日銀が年内のどこかでYCCを修正もしくは撤廃するとみていたため、想定内の最も早い時期にこれが実現したことになる。日銀は本修正の趣旨を「(経済・物価の)上下双方向のリスクに機動的に対応していく」ことにあるとしている。これは、日銀がデフレ方向のみならずインフレ方向のリスクも視野に入れた金融政策を考慮し始めたことを示唆している。YCCの緩和は、安定したインフレ実現への対応も含めた金融政策の自由度を確保するための地ならしとみたい。

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マクロ経済の動向(トレンド&トピックス)

中国レアメタル輸出規制のシナリオ

有限責任監査法人トーマツ
リスク管理戦略センター
マネジャー
市川 雄介

2023年8月1日に中国のガリウム・ゲルマニウム輸出管理が施行された。米国地質調査所によれば中国はガリウムの世界生産量のほぼ100%、ゲルマニウムの世界生産量の7割を占めており、運用次第では強力な規制措置となり得る。特に日本は、世界のガリウム需要の4割を占める最大の需要国である。国内企業には一定の在庫があり、当面の影響は限定的とされるが、重要鉱物の調達を巡って中長期的な不確実性が高まったことは間違いない。

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リスクインテリジェンス メールマガジン

グローバルな視点からみた、企業経営上の様々なリスクをチェックするリスクインテリジェンス メールマガジン(グローバル・リスク・ウォッチ)では、毎月、過去一ヶ月間に起きた事象を振り返りながら、事業リスクという視点から、多くの金融機関や事業法人が留意すべき特徴点を炙り出します。同時に、様々なリスク管理や金融規制上のトピックに関し、デロイト トーマツ グループの一員である有限責任監査法人トーマツ リスク管理戦略センターが考える意見も発信していきます。

 

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