Posted: 08 Oct. 2020 3 min. read

第2回 内部通報制度設置の目的と機能

連載:内部通報制度の有効性を高めるために

第1回では日本企業の内部通報制度の設置状況を様々な調査から紐解きました。内部通報制度の設置は進んでおり、とくに業種を問わず従業員規模の大きな組織では内部通報制度は深く浸透しているようです。

内部通報制度の効果

では、実際に内部通報制度に不正行為は通報されるものなのでしょうか。図表2は2019年の一定期間内に、不正行為が内部通報されたという趣旨の記載がある報道例の一覧です。少なくとも図表2に記載された数の報道があったということは、内部通報制度は不正の検知に対して一定の効果を発揮しているということなのでしょう。
 

図表2:2019年に不正行為が内部通報されたと記載のある報道例

※画像をクリックすると拡大表示します

つまり、目的を多様にすればするほど最大限を求めることに近づいて、その結果、システムの導入および運用負荷(コスト)も高まることになります。

 

次回は、2020年6月に成立した公益通報者保護法の改正についてお話しします。

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執筆者

亀井 将博/Masahiro Kamei
デロイト トーマツ リスクアドバイザリー株式会社

内部通報制度関連業務およびソーシャルメディアコンサルタント業務に従事。
ISO/TC309 37002(Whistleblowing)日本代表兼国内委員会委員、元内閣府消費者委員会公益通報者保護専門調査会委員。
金融機関、自動車関連、製造業、製薬業、保険業、食品製造業、サービス業など業種業態規模を問わず内部通報の外部窓口サービスの提供、および内部通報制度構築を支援。
その他、リスクマネジメント体制構築支援、J-SOX関連業務支援、内部監査業務支援、事業継続計画(BCP)策定などを経験。
外部セミナー、インハウスセミナー講師を始め内部通法制度に関する寄稿記事の執筆多数。

 

和田 皇輝/Koki Wada
デロイト トーマツ リスクアドバイザリー株式会社

J-SOX関連業務支援、内部監査業務支援、事業継続計画(BCP)策定などを経験。
2010年より内部通報制度関連業務およびソーシャルメディアコンサルタント業務に従事。
金融機関、自動車関連、建設業、製造業、製薬業、保険業、食品製造業、サービス業、ITなど業種業態規模を問わず企業の対応を支援。
現在インハウスセミナー講師を始め内部通法制度構築助言や通報対応業務、ソーシャルメディア関連助言業務を担当。

 

※所属などの情報は執筆当時のものです。