Posted: 06 Sep. 2023 5 min. read

クリエイターの未来を「Unlock」せよ ~Web3.0時代のクリエイター支援プラットフォーム

Lead the Way Forum-未来に誇れ セッションレポート

2023年に25周年を迎え、新たな挑戦を続ける米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)」。

映画祭を主宰するビジュアルボイスとデロイト トーマツ コンサルティングは、SSFF&ASIAを通じた世界10万人のクリエイターネットワークとNFTをはじめとしたブロックチェーン技術等を組み合わせ、Web3.0時代に対応したクリエイター支援プラットフォーム「LIFE LOG BOX」の立ち上げを推進しています。

2023年5月に開催した「Lead the Way Forum ―未来に誇れ」では、映画祭代表の別所 哲也さん、フェスティバルディレクター武笠 祥子さんをお迎えし、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 パートナー / コアビジネスオペレーション リーダー 田中 義崇、パートナー 赤星 弘樹と共に、2023年の映画祭のテーマでもある「Unlock /解き放て!」をキーワードに、エンターテイメントやクリエイターの未来と共に本プラットフォームの可能性について鼎談を行いました。本稿ではセッションのサマリをレポートします。

*本記事は、Generative AIで制作した原稿をもとに編集しています

本セッションのキーポイント
  • ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 25年の歩みと新たな時代へ
  • Web 3.0の潮流とクリエイターを取り巻く環境変化
  • Web 3.0のその先へ~クリエイターの価値を最大化する「LIFE LOG BOX」

 

ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 25年の歩みと新たな時代へ 

ショートショート フィルムフェスティバル & アジアは、アジア最大級の国際短編映画祭で、2023年に25周年を迎えました。映画祭は、才能あふれる映像作家の魅力を日本から世界へと発信する国際的な映画祭であり、アジア初の最多5部門がアメリカのアカデミー賞の公認の推薦枠を持つという大変名誉ある映画祭に成長しています。また、企業がショートフィルムを制作する時代に入り、広告とシネマのハイブリッドとしてBRANDED SHORTS部門が創設されています。

映画祭を主宰する俳優の別所 哲也さんは、「可能性に満ちたクリエイターたちの出発点として、ここ日本・東京の映画祭から世界へとつながるまさにゲートウェイフィルムフェスティバルとして大きく成長しています」と語ります。

 

今年の映画祭は、「Unlock / 解き放て!」をテーマに、6月に開催されました。コロナ禍を経て3年ぶりに海外からもクリエイターを招聘し、国内外のクリエイターとの交流が見どころの一つとなっています。また、テーマにちなんで、AIで制作されたアニメーションやアバターが主役のドキュメンタリーなど、新しい時代を描くような面白い作品を集めたプログラムも用意されました。

日本で唯一の国際的な広告映像部門である「Branded Shorts」に「Deloitte Digital Award」を設立し、デジタルと人間らしさの融合テーマに優れた作品に賞を授与する取り組みも行われています。Deloitte Digitalは2021年から映画祭のデジタルイノベーションパートナーとして参画していますが、昨年はニューロサイエンスを活用したショートフィルム分析をもとに、クリエイターセミナーにも登壇しています。

 

Web 3.0の潮流とクリエイターを取り巻く環境変化

今年の映画祭のテーマでもある「Unlock / 解き放て!」はまさにアフターコロナの新時代を象徴するキーワードであるとデロイト トーマツ コンサルティングの田中 義崇さんは話します。では、Web3.0の時代に、私たちの生活やビジネスはどのように変わっていくのでしょうか?

Web3.0とはなにか、その潮流について、デロイト トーマツ コンサルティングの赤星 弘樹さんが解説しました。「Web 3.0とは、ユーザー自身がデータを保有する世界観を実現していくというものです。このためには、データをオープンかつ透明性高く管理することが必要になりますので、そこにブロックチェーンというテクノロジーを活用します。ブロックチェーンという世界共通のデータバンクの上に、皆さんが読み書きをしたり、作ったものを保管・保有(Own)していくことで、分散型社会や分散型エコノミーを実現する世界観を指すものです。これまでのインターネットの時代とは異なり、制作したものを世の中に出したり、自分のものであることを主張したりすることができるようになることから注目を集めています」

 

Web3.0の潮流については、2009年に誕生したビットコインが最初の入り口となっていますが、暗号資産の中でもNFT(非代替性トークン)が、2020年から2021年にかけて急激に評価が上がっていて、2023年以降の本格普及が期待されています。

NFTは、デジタルアートやコンテンツ・IP(知的財産)の所有を表明するために使われるもので、2021年にビープル(Beeple)というアーティストのNFT作品「エブリデイズ:最初の5000日」が75億円で取引されるなど話題になり、著名なブランドやクリエイターが参入しました。一方で、2022年には大手米国取引所の破綻等があり暗号資産の冬の時代とも呼ばれるようになりました。日本では自民党によるホワイトペーパーでの積極的な発信や国内大手企業がWeb3.0に参入を表明するなど、現在雪解けの兆しを見せています。今後数年、規制整備が行われつつ、並行してWeb3.0サービスの開発は活発に行われていくでしょう。

 

こうしたWeb 3.0による変化について、赤星さんは<金融><動産・不動産><組織>の3つの領域で解説を行いました。金融の領域では、法定通貨から国に依存しない暗号資産(クリプト)に一部変わっていくという点です。デジタル上ではWalletと呼ばれますが、暗号資産をここに入れて、あらゆるグローバルなWeb3.0サービスに接続していく領域として注目されています。2つ目は動産・不動産の領域で、デジタルの世界ではNFTという形で普及していくことが見込まれています。3つ目はこうしたグローバルの変化を受けて、ひとつの国の規制の中だけで運営する株式会社では難しいところもあるため、これを実現していくDAO(自律分散型組織)です。DAOではサービスに共感する人たちが参加し、投票型でサービスを運営していく。こうした3つの要素を活用しながら世界で共創コミュニティが生まれ、デジタル資産が価値をもたらす時代が到来すると考えられています。

 

Web 3.0のその先へ~クリエイターの価値を最大化する「LIFE LOG BOX」

こうしたWeb3.0の潮流を受けて、エンターテイメント、映画業界ではどのような変化が起きているのでしょうか? 別所さんは、「映画やエンターテイメント業界は20世紀に誕生し、この100年で大きく変化しました。大きな組織の中で制作・配給する形が確立されてきたわけですが、こうした映画・エンターテイメント業界に関わるクリエイターだけではなく、全人類が動画クリエイターになる時代に突入したと感じています」と語ります。

実際、YouTubeやTikTokなどのSNSを使って、ショート動画によるコミュニケーションが一般的になりました。また、Web3.0の時代には、クリエイターが中央集権型ではなく、ブロックチェーンやNFT、暗号資産の力を借りて、作品を資産に変えることが可能になります。さらに私たちの携帯電話・スマートフォンの中にはたくさんの動画があり、これを保管・管理・運用・循環・共有することで、新たなつながりを創っていく、まさに全人類動画クリエイター時代が始まっています。

一方で、現在クリエイターが抱えている課題についても指摘されました。フェスティバルディレクターとしてクリエイターと向き合ってきた武笠さんは「一番大きな課題は制作費の捻出と制作後の収益化です。特にショートフィルムは、配給で一部収益化の可能はあるものの限定的で、クリエイター自身がYouTube等にアップして収益を得る、クラウドファンディングで資金を集めるといったことが増えてきている状況です。それ以外にも、自身の作品管理ができない、作品のプロモーションが期待するほどできない、また映像制作のノウハウやそれを学ぶ機会が無いといった声が寄せられています」と話します。

 

こうしたWeb3.0の潮流やクリエイターの幸せな未来を創りたいという思いから、誕生したのがクリエイター支援プラットフォーム「LIFE LOG BOX」です。

別所さんは「私たちは世界中のショートフィルムを集積し、価値づけするというランキングプラットフォーム、国際短編映画祭を25年にわたってグローバルに運営してきました。そのノウハウや9万5千人以上のクリエイターとのネットワークを活かして、全人類の動画アセットマネジメントを手掛ける事業を手掛けたいと思っています。タイトルは『LIFE LOG BOX』といいますが、皆さんもご存知の通り、私たちが持っている動画をはじめとしたデータが、人生や日々の生活のまさにライフログとして集積されていく。僕はこうしたデータのすべてがストーリーになり、コミュニケーションのツールになっていくと思っています」とプラットフォームが目指すビジョンについて語りました。 

このプラットフォームは、世界中のクリエイターとつながり、新しいクリエイターエコノミーの時代のリーダーとして、新たな分野を開拓していくことを目指しています。具体的なサービスとしては、ポートフォリオ、NFTグローバルシネママーケットプレイス、データアセットマネジメント等があります。クリエイターが直接的に収益創出をできるような仕組みを取り入れており、新しいファンとの交流やビジネス機会の創出が期待されています。一例としてはブロックチェーン技術を使った、マーケット機能を持たせることで、クリエイターがこのプラットフォーム上で直接的に利益を得ることができるようになっています。

デロイト トーマツ コンサルティングでこのプラットフォームの立ち上げを伴走する赤星さんは、ビジネス観点での波及効果や重要なポイントについて「ステークホルダーそれぞれがWin-Win-Winの関係を作る、エコシステム設計が非常に重要になると思います。クリエイターとの協業やリアルとバーチャルの融合を図る仕組みづくり、例えばNFTを持っているファンが特別なイベントに参加でき、クリエイターを応援するといった仕掛け、などが大事です。また、ここに賛同するコミュニティの熱量が重要ですのでそれをいかに活性化するかもポイントです」と述べました。

LIFE LOG BOXは、2023年4月27日にβ版が公開され、映画監督の他、ミニシアター「キネマM」の代表も務める安藤 桃子さんや、「カメラを止めるな」で世界的ヒットを記録した上田 慎一郎監督、 これまでに2つの短編映画を監督している女優の黒木 瞳さん、国外からは2016年SSFF & ASIAでグランプリを獲得、翌年のアカデミー賞短編部門でオスカーを手にしたクリストフ・デアーク監督など約40名のクリエイターが既にポートフォリオを登録、150名がアカウント登録しています。

セッションの最後に、武笠さんは今後の意気込みについて「このプラットフォームを活用することでクリエイターがより良い環境で新しい作品を生み出せるようになってほしいと思います。映画祭の一つの醍醐味は、自分の作品が上映されて、それにリアクションしてくれるお客さんがいることだと思いますが、それがこのプラットフォーム上でも可能になって、制作意欲が刺激されたり、人的・金銭的にも支援を受けられるようにできれば次回作につながると思いますので、まずはそこを目指したいと思います。将来的にはこのプラットフォームに向けた作品を皆さんが切磋琢磨して生み出してくださることを期待したいですね」と語りました。

赤星さんも「Web3.0やNFTは 日々規制や技術動向は変わります。外部環境やユーザーの興味の変化をしっかり捉えながら、今やるべきことをその場で意思決定して進める。その中で得られた反響をもとに改善していくといった進め方をしなければなりません。また、日本の法規制上の対応含めて、総合プロフェッショナルファームとしてこのプラットフォームの成功をご支援できれば」と語りました。

本セッションの動画や関連する情報は以下からもご覧になれます。今後の取り組みにもぜひご注目ください。

 

赤星 弘樹/Hiroki Akahoshi

赤星 弘樹/Hiroki Akahoshi

デロイト トーマツ コンサルティング 執行役員

フィンテック / ブロックチェーン領域リーダー。 金融インダストリーの新事業開発、Fintech活用、デジタル戦略、業務改革、ITガバナンス、組織改革など様々なプロジェクトに従事。金融機関だけでなく、消費者利便の高い異業種サービスが金融機能を組込み提供する組込型金融(Embedded Finance)や、ブロックチェーンをベースとしたWeb3/分散型金融(DeFi)など新たな成長領域に対するグローバル動向調査/分析や事業戦略立案も担当。 また、環境や人権問題などサステナビリティに対する社会的要請の高まりに対応したトレーサビリティ・ブロックチェーンの社会実装に向けた実証実験・本番適用などの支援を手掛けている。 共著に『デジタル起点の金融経営変革』(2021年)、『パワー・オブ・トラスト』(2022年)等、著書・寄稿多数。