次世代に心の豊かさをつなぐ ~FC今治が目指す、里山スタジアムを核としたコミュニティ創り ブックマークが追加されました
サッカースタジアムを核に、地域とヒトをつなぎ、人々の感性を呼び起こす次世代の文化・交流拠点として2023年1月に誕生した、FC今治の新たな本拠地「今治里山スタジアム」。海賊船をコンセプトにしたスタジアムでは、週末にはサッカーの試合が開催され、試合がない日は福祉施設や併設するカフェがオープンし、人や自然との触れ合いを育んだり、楽しく食事を囲んだり、里山を心豊かな空間にするため進化を続けています。
2023年5月に開催したコミュニティ・カンファレンス「Lead the Way Forum ―未来に誇れ」では、株式会社今治夢.スポーツ 代表取締役会長 岡田 武史さんとデロイト トーマツ コンサルティング合同会社パートナー / Sports Business Group Leader 宮下 剛、同じくSports Business Group ディレクター 森松 誠二、Specialist Lead 亀田 慶子がこの今治里山スタジアムでディスカッションを行いました。
ソーシャルインパクトパートナーとして共に歩んできた2015年のRe:STARTから、スタジアムを核とした次世代のコミュニティ創り、これからのビジョンについてレポートします。
*本記事は、Generative AIで制作した原稿をもとに編集しています。
FC今治は、2015年にRe:STARTしました。クラブを運営する株式会社今治夢.スポーツ 代表取締役会長 岡田 武史さんは、「最初はサッカーのことしか考えておらず、日本代表が世界で勝つために自立した主体的にプレーする選手を作りたいという思いから、クラブを立ち上げた」と当時を振り返ります。当時FC今治は、地域リーグである四国リーグに所属していて、愛媛県今治市の桜井海浜ふれあい広場(サッカー場)で試合を開催し、毎回仮設スタンドを作って多い時は 2000人位のお客さんが観に来てくれていたそうです。
「お客様は何を求めて試合を観に来てくれているのか。街中を歩いても人に出会うことがなかなかない。どこか行ってもにぎわいもない。ところがサッカー場に行ったら、なぜか賑わいがあってワクワクする、新しい出会いがある。サッカーが強いだけではなく、観に来て下さるお客様が期待してくれているものを提供しないといけない」
その時に出会ったのが、デロイト トーマツ コンサルティングの森松 誠二さんがまとめたスポーツの観戦体験グローバル調査レポートでした。日本、ドイツ、アメリカのサッカー観戦経験者に対して行ったアンケート結果をまとめたもので、スタジアムの中だけでなく外においてどのような体験をしているのか、こうした体験が「友人・知人にスタジアム観戦を勧めたい」という気持ちにどれくらい影響しているのかを考察したレポートです。
岡田さんは「森松さんの話を聞いて、他国では試合観戦の前後の体験において、色々なところで楽しみがあるのに、日本ではまだそのポテンシャルや価値に気づいていないと思った。マーケティングの役割は、本来持っている価値をきちんとみんなに知ってもらうこと」だと話します。
2017年秋に完成したありがとうサービス.夢スタジアムは「そこにいる全ての人が、心震える感動、心踊るワクワク感、心温まる絆を感じられるスタジアム」というスタジアムビジョンを掲げていました。スタッフ全員で海賊の衣装を着てお客様を迎えたり、フットボールパークを作って楽しめるようにしたり、ビジョンに合致することは何でも取り組みました。デロイト トーマツ コンサルティングと一緒に観戦体験調査や、より良い体験を作るためのワークショップも行い、その結果、一般的な日本の観戦体験結果とは異なり、試合観戦そのものだけではなく、試合前や会場での体験、試合後、帰宅後の情報収集といった体験に大きな影響を与えていることがわかりました。
こうした取り組みは、FC今治だからできたのではないかという声に対して、岡田さんは「細部にまで本気で取り組む」ことの大切さを語ります。今回オープンした今治里山スタジアムを例に挙げ「このスタジアムが建ったこと自体が奇跡。土地の30年無償貸与が議会で決まって、設計図もできて、工事業者も決まって。『あと40億集めるだけです』って言われた時は倒れそうだった。でも、信じて集まってくれた人たちのために真剣に取り組んだ。サッカーの試合でも奇跡的な勝ち方をすることがあったけど、俺だからできるとかじゃなくて、本気になって取り組んだら、どこにだって可能性はあるんじゃないかな」
対談の後半では、岡田さん自ら今治里山スタジアム内の施設を紹介しました。選手がピッチに出ていく前のエリアにはFC今治が大切にしている6つのフィロソフィー「ENJOY」「OUR TEAM」「DO YOUR BEST」「CONCENTRATION」「IMPROVE」「COMMUNICATION」や、「PRIDE OF IMABARI」のメッセージが掲げられていて「入る前に覚悟してピッチに入って欲しい」という思いが込められています。ピッチと客席の距離は8メートル程ととても近く、迫力ある試合を観戦できることが魅力です。
スタジアム全体には、「里山」というコンセプトが採用されています。自然と共存でき、365日人が集まるスタジアム。誰でも入れるオープンな空間として設計され、地下水を流してビオトープのような環境を作り出すなど、環境にも配慮されています。施設内には里山サロンというカフェがあり、イノシシのチリコンカン等地元の食材を使った料理が提供されています。福祉施設「きとなる」も併設されていて、障がい者の方々と一緒に畑を耕すなど、地域との交流も大切にされています。
「みんなで助け合っていく、新しいコミュニティの拠点になれるようにしたい」と岡田さんは語ります。今治里山スタジアムは、企業理念である「次世代のため、物の豊かさより 心の豊かさを大切にする社会創りを実現する」を実現するために建設されたものであり、その象徴でもあるのです。
岡田さんは、世界の分断が加速し、AIやChat GPTのような新たなテクノロジーによって破壊的な変化がもたらされるこれからの時代において、コミュニティの重要性を説きます。
「僕は感情の共有ができるコミュニティ、小さなコミュニティがたくさんできて、それがつながっていくことが重要じゃないかなと思っていて。ベーシックインフラって呼んでいるのだけど、衣食住を融通しあう、例えば食べるものは田んぼや畑を耕してフードバンクを作って、シェフに月1回来てもらいみんなで食べる。空き家はみんなで修理して住む、お互いが助け合う、共助のコミュニティを創りたいんですよ」
JリーグやBリーグのチームのようなスポーツクラブや、音楽・アートが中心になってこうしたコミュニティを創ることができたら、地域や日本を変えていけるのではないか。こうしたことからスポーツの価値がますます重要になってくると話します。また教育も重要で、新しい教育を提供することで、次の世代が育つための準備をする必要があると述べました。
デロイト トーマツ コンサルティングの宮下 剛さんは、「私たちのような企業の観点でも『コミュニティ』をこれからの重要な経営資源としてとらえています。課題が複雑化する中で、企業が一社でできることは限られています。個々の専門性を高めながらも、足りないところはつながってみんなで高めていく。岡田さんやFC今治が目指すコミュニティの考え方にはとても共感するところがあり、私たちもぜひ一緒にコミュニティ創りに貢献できればと思います」と語りました。
人々が笑顔になり、助け合える場所を作る。FC今治、岡田さんは、地域と共に成長し、新しい価値を生み出すチャレンジを続けます。
今治里山スタジアムや対談の詳細は動画もぜひご覧ください。
外資系、総合系コンサルティングファームを経て現職。カスタマー&マーケティング領域を中心に戦略立案からオペレーション・組織変革、IT導入変革支援まで幅広い領域に従事し約30年の経験を有する。近年はデジタル、コンサルティング知見を活かしたスポーツビジネス、社会課題解決なども手掛ける。寄稿、講演等多数実施。 関連するサービス・インダストリー ・カスタマー・マーケティング ・広告・マーケティング・EC・ブランド >> オンラインフォームよりお問い合わせ