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【公会計特集】財務書類作成を効率化する3つの工夫
財務書類作成の効率化、地方公会計の理解促進を目指す
「Q:財務書類を効率的に作成したいのですが。A:負担を軽減しステップアップする工夫はあります!」財務書類作成を少しでも効率化し、地方公会計の理解促進や活用につなげられないかといった声にお応えすべく、財務書類作成の工夫ポイントをまとめました。
目次
- (1)財務書類を作成する際の主な悩み
- (2)公会計の内容がわからない⇒公会計の勉強ツールを駆使しよう!
- (3)公会計の作業手順がわからない⇒手順書を整備しよう!
- (4)公会計の作業負担が大きい⇒補助シートを整備しよう!
- (5)財務書類を自前で作成するために
(1)財務書類を作成する際の主な悩み
財務書類の作成が進まない、事業者への全面委託に頼ってしまう主な理由として、以下のようなことが考えられます。
- 公会計の内容がわからない
- 公会計の作業手順がわからない
- 公会計の作業負担が大きい
これらをすべて払拭するのは難しいものの、担当者の負担を軽減できる方法がいくつかありますので紹介します。なお、固定資産台帳更新のポイントについては、以下のコンテンツをご覧ください。
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(2)公会計の内容がわからない⇒公会計の勉強ツールを駆使しよう!
公会計の内容がわからない方は、ぜひとも公会計を勉強しましょう。
以下のコンテンツをご覧いただくと公会計の具体的な内容を把握できます。
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また、全国市町村国際文化研修所(JIAM)や自治大学校等が主催する公会計研修、都道府県で実施される公会計研修に参加して研鑽を積むことも考えられます。
さらに、事業者に地方公会計業務を委託している団体では、事業者に研修を依頼することも考えられます。より団体の実情に応じた効果的な研修が期待されます。
(3)公会計の作業手順がわからない⇒手順書を整備しよう!
期末一括仕訳で財務書類を作成する場合には、年に一度の作業となり作業内容を忘れがちです。思い出そうと昨年度の資料を見返したりしても、資料がばらばらで、どのような手順で作業を行ったかを思い出すのに時間がかかることもしばしばです。こうした状況を改善するには、どのような手順で作業を行うかの「手順書を整備」しておくことにより、作業方法を思い出す時間や作業の手戻り時間を削減することができます。
例えば、以下のような形で実施すべき事項を手順書に記すことが考えられます。
財務書類作成方法は毎年大きく変わることはなく、一度手順書を作成してしまえば、その後システム変更等がない限りはずっと使い続けることができます。また、公会計担当者が交代する場合には、強力な引き継ぎ資料として利用することができます。
この手順書は100%自前で財務書類を作成している団体のみならず、一部事業者に委託している団体においても有効です。特に事業者が実施する部分と自前で実施する部分を明確にすることで、作業がスムーズに進むだけでなく、今後の委託内容の見直しにも利用できます。
(4)公会計の作業負担が大きい⇒補助シートを整備しよう!
システムにおける予算科目や仕訳変換ルールなどのマスタメンテナンス、資産負債の整理、非資金仕訳を含む整理仕訳の作成とシステム登録、完成した財務書類のチェックなど、いくつかの作業ステップはある一方、作業内容は定型化されています。このうち、資産負債の整理や非資金仕訳を含む整理仕訳の作成については、システム外で実施することが多いのですが、細かな作業も多く、整理できていないととても大変な作業のように感じてしまいます。
しかしながら、先述の通り作業内容はある程度定型化されていますので、システムの入力フォーマットに合う形で、システム入力の一歩手前までほぼルーティーンで実施できるようなワークシートが作成できれば、作業時間の大幅な短縮につながります。例えば、別表4-1については以下のような入力フォーマットを作成し、作成完了した時点で必要な仕訳を整理仕訳シートに自動的に転記されるようにしておきます。
【情報整理シート】
【整理仕訳シート】
また、システム入力方法が表計算シートでの取込の場合、この整理仕訳シートから、各システムの入力フォーマットに合う形のシートに転記されるようになっていれば、当該シートから入力フォーマットに貼り付け、システム登録するだけで、整理仕訳のシステム登録が完了します。
こうしたシステムへのデータ入力を見据えた表計算ソフト等による補助シートの整備により、情報整理からシステム登録までを迅速に実施でき、財務書類作成の効率化につながります。
なお、各情報整理シート、整理仕訳シートにおいて他の情報との整合性をチェックできる項目を設けることで、不整合や誤りを早期に発見することができます。またシステム登録後にシステムから出力される内容と、情報整理シート等を照合することで、仕訳登録等の正確性を確認することができます。このように、チェック機能の充実による財務書類の精緻化を図ることも必要と考えます。
(5)財務書類を自前で作成するために
財務書類作成体制の充実には、公会計に携われる人材のさらなる確保が一番の特効薬かと思われます。しかし、自治体職員が減少している中で人材確保は難しく、逆に慢性的なリソース不足となっており、事業者に財務書類作成を委託している団体も多々あるものと思われます。
紹介した方法以外にも財務書類作成の効率化・精緻化の工夫が多々あります。このような工夫を駆使することで、リソース不足をカバーするだけでなく、財務書類作成の全面委託から部分的な委託へ、自前での作成へ、地方公会計の活用へとステップアップすることが可能となります。財務書類を作ることに追われるのではなく、地方公会計を活用しより効果的な行財政運営が行える仕組みを今からでも整えていくことが重要です。
なお、トーマツでは公会計研修、手順書整備、補助シートの整備など、ステップアップするための支援を数多く実施しています。
次の記事
以上
地方公会計に関するコンテンツ
これまでに配信している以下のコンテンツ集を上記サイトにまとめています。
- 特集 公会計を今よりちょっと先に進める方法
- 特集 5分で理解!地方公会計の推進に関する研究会(令和元年度)
- 統一的な基準による財務書類の作成状況等に関する調査結果について
- 地方公会計の概要
- シリーズ5分で理解!公会計の財務書類
- シリーズ5分で理解!公会計の固定資産台帳
【特集:公会計を今よりちょっと先に進める方法に関するコンテンツ】
- 特集①:公会計を委託に頼るべきか
- 特集②:公会計特集公会計のステップアップ 団体の状況別5つのポイント
- 特集③:固定資産台帳の更新3つのポイント
- 特集④:財務書類作成を効率化する3つの工夫
- 特集⑤:財務書類のチェックポイント初級編
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