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海外カジノオペレーターのギャンブル依存症対策への取組み
統合型リゾート(IR、Integrated Resort)
統合型リゾート(IR: Integrated Resort)の設置に際し、社会的関心事として懸念されているギャンブル依存症対策について、海外カジノオペレーターの取組み事例について解説します。
I. 海外カジノオペレータの取組み
ゲーミング(カジノ)を合法化している各国のカジノオペレータは、ギャンブル依存症患者の増大を防止するため、国の法律等に基づき様々な対策を実施しており、基本的な取り組みとしては、入場制限、広告制限、金銭入手手段の制限、責任あるゲーミングプログラム策定等が共通してみられます。今回、それらの主な取組みと特徴的な独自の取組みの一例をご紹介いたします。
<海外カジノオペレータの主な取組みの一例>
(1) 入場制限 |
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◆ 特定対象者制限 ◆ 入場料徴収 ◆ 年齢制限 ◆ 排除プログラム ◆ 入場回数制限 |
(2) 広告制限 |
◆ カジノ主体広告の制限 ◆ DM等の制限 ◆ 青少年向け広告の制限 ◆ ポリシー策定 |
(3) 金銭入手手段の制限 |
◆ 信用取引等の制限 ◆ ATM設置の制限 |
(4) 責任あるゲーミングプログラム策定 |
◆ 従業員教育・研修の実施 ◆ 利用金額上限の設定 ◆ 広報・啓発 ◆ 治療・相談 |
(5) カジノオペレータ独自の取組み |
◆ 独自の従業員研修・教育プログラムの導入 ◆ 青少年保護を目的としたプログラムの導入 ◆ 関連機関との連携 |
出所:各国政府の公表情報、オペレータのWEBページ等よりデロイト トーマツ作成
II.まとめ
2018年1月現在、日本においては、ギャンブル等依存症対策基本法案の検討・整備が進められており、IR実施法案の成立、統合型リゾート(IR: Integrated Resort)の開発・開業を機に、IR関係事業者それぞれがギャンブル依存症対策を検討し、官民連携した具体的な対策を実施していくと思われます。
その際、各海外カジノオペレータのこれまで蓄積したノウハウを活かした取組みを十分に理解し参考にしていくことが、日本における効果的なギャンブル依存症対策を実現する上で重要と思われます。
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IR(統合型リゾート)ビジネスグループとは
IR(Integrated Resort:統合型リゾート)実施法案の審議開始から免許交付までの間に、IRビジネスグループでは参入を目指す日本企業に対し、さまざまなアドバイザリーサービスを提供します。
また、カジノ施設の設置と運営にはさまざまな課題やリスクが指摘されています。そのため、IRビジネスグループでは、日本企業に対する事業支援サービスだけでなく、企業と自治体に対し、IR施設を設置・運営する上で懸念される課題と社会問題の解決に関するアドバイザリーサービスも提供します。
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