Posted: 14 Feb. 2020 3 min. read

第11回 インサイトドリブンな意思決定の実現に向けたファーストステップとは

【シリーズ】DXの本質:インサイトドリブン経営をめざして

データを利活用した意思決定ができていないという企業の声をよく耳にする。インサイトドリブン経営を阻む課題には何があるのか。少なくとも次の2つは、どの企業も共通した課題であろう。

本稿は2019年11月28日に日経産業新聞に掲載された「戦略フォーサイト:DX発データ経営革命(11)『事実』に正面から向き合う」を一部改訂したものです。

 

1点目は、根拠を示すファクトとしてデータを利活用できていない場合だ。データによる意思決定にはデータに基づいた仮説検証型のアプローチが不可欠であるが、ときにデータが仮説とは真逆の解を示すこともある。この時、インサイトを得て意思決定をするには、事実に正面から向き合い、考える必要がある。しかし、「なぜそうなったのか」という考察ができないケースが多く見られる。

2点目は、データの重要性を認識しながら、効果的かつ効率よく使うことができていない場合だ。経営スピードが加速する一方、データ利活用に必要な環境の整備が進まず、現場がデータ利活用に向けた試行錯誤に疲弊し、経営層との認識のギャップで苦しむケースだ。

データを適切に取捨選択し、データに基づいた意思決定を実現するには企業は何をすべきなのか。まずは、全社で掲げたデータ利活用の目的と、企業のビジョンとを照らし合わせた上で、全社のコミュニケーションツールとしてのデータ利活用の位置付けを定める。併せて、データ利活用のガバナンスやプロセス、役割・人材、スキル・コンピテンシーへと落とし込んでいく。

また、収集・蓄積したデータの品質レベルや管理・利活用方針を定めるほか、データ利活用による収益化=データマネタイズについても考慮する。収益化やコスト削減、人材・自社のソリューションに関連するものから優先的に取り組むことも重要だ。さらには組織単位でもデータ利活用に自立して取り組むことができるよう、チェンジマネジメントを進める一方で、最新のテクノロジーや他社事例を採り入れやすいシステムの設計・構築を進めることも忘れてはならない。

つまり、データを利活用した経営に必要な意思決定は、戦略、組織・人材、プロセス、データ、テクノロジーが一体となって取り組む必要があり、目指す姿の策定、現状の評価、評価結果に基づいた課題の具体化が意思決定を実現するための第1段階と言える。

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渡邊 涼子/Ryoko Watanabe

渡邊 涼子/Ryoko Watanabe

デロイト トーマツ グループ マネジャー

顧客の業務課題の解決に向けたソリューション営業や製品企画などを経て現職。データ利活用を主軸とした戦略策定、業務改革、システム開発、データ分析など多くのプロジェクトの経験を持つ。