Posted: 04 Feb. 2020 3 min. read

第7回 データ活用に向けてCoEを組成する

【シリーズ】DXの本質:インサイトドリブン経営をめざして

データから得られるインサイトをもとに意思決定を進めるぞ、となったものの、どのように取り組めばよいか、迷う方が多いのではないだろうか。組織・人材の観点から、「インサイトドリブン経営」の実現のための具体的なアクションを紹介したい。

本稿は2019年11月25日に日経産業新聞に掲載された「戦略フォーサイト:DX発データ経営革命(7)改革推進に3つの人材」を一部改訂したものです。

 

データ活用に対する感度や知見が組織全体に十分に備わっていない場合は、組織横断の取り組みを推進する専任の組織・体制、いわゆる「CoE(センター・オブ・エクセレンス=部門横断組織)」を組成する。人材も社内外から集めて、推進に必要な業務を集中して当たらせる。組織・体制のミッションや人材は、データ活用の目的に沿った形で定義していくことは言うまでもない。CoEの位置付けも、データ活用の能力が組織全体に備わってきたら、よりR&D(研究開発)的な位置づけに役割を変える。

推進する人材に求められる要素は、ビジネス力・データサイエンス力・データエンジニアリング力の3つとなる。これらをすべて高い水準で備えていれば言うことはないが、採用市場に鑑みると獲得は困難を極める。ビジネスに強い人材は社内(現業部門)から、データサイエンスに強い人材は外部から、データエンジニアリングに強い人材は社内(IT部門)から獲得してくるなどして、初期立ち上げに必要な人材を確保する。

CoE責任者の人選と外部から獲得してきた人材のリテンションには特に配慮する必要がある。CoE責任者には、データ活用の重要性を理解したうえで、社内の人脈もあり、外部人材の志向性にも配慮・共感できる人材を据える。リテンションには、金銭的な処遇も含めてモチベーションの源泉をきちんと把握し、必要であれば社内と調整して環境を整えていく。

データ活用能力を組織全体に植え付けるには、現業部門メンバーの能力を引き上げる必要がある。基礎知識はCoEメンバーが主体となり教えたうえで、現業部門の困りごとをデータを活用して一緒に解決していく。共通課題に協働して取り組み、成功事例を作りながらデータ活用を実務レベルに具体的に落としこむ。インパクトのある成功体験を共に積むことに勝る方法はない。データ活用を一部の人がやることではなく、全社で当たり前に行われている状態を作っていくことが求められる。

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田中 公康/Tomoyasu Tanaka

田中 公康/Tomoyasu Tanaka

デロイト トーマツ グループ アソシエイトディレクター

デロイト トーマツ コンサルティング アソシエイトディレクター。外資系コンサルティングファーム、IT系ベンチャー設立を経て現職。Digital HRとEmployee Experience領域のリーダーとして、デジタル時代に対応した働き方改革や組織・人材マネジメント変革、などのプロジェクトを多数手掛けている。 直近では、HRテック領域の新規サービス開発にも従事。講演・執筆多数。Licensed Scrum Master保持者。