Posted: 14 Feb. 2020 3 min. read

第12回 インサイトドリブン経営に向けた組織・人材採用・育成課題の解決策

【シリーズ】DXの本質:インサイトドリブン経営をめざして

データ活用を推進する組織の立ち上げが増えるにつれて、組織が機能しない、人材が採用・リテンションできない、社内の人材を育成できないなどの悩みを聞くことが増えてきた。原因と解決のヒントを紹介したい。

本稿は2019年12月2日に日経産業新聞に掲載された「戦略フォーサイト:DX発データ経営革命(12)失敗恐れぬ柔軟な組織に」を一部改訂したものです。

 

データ活用を推進する組織の立ち上げが増えるにつれて、組織が機能しない、人材が採用・リテンションできない、社内の人材を育成できないなどの悩みを聞くことが増えてきた。原因と解決のヒントを紹介したい。

組織が機能しない原因として、組織の目的や役割が整理されていないことが挙げられる。現業部門との役割分担も整理されておらず、認知されていない。分析自体が目的化してしまい、現業部門に貢献できず、組織としても成果があがらない。

それらを解消するためにまずは、現業部門の困りごとを解決しにいくことを目的に据えてみることが挙げられる。現業部門との役割分担を明確にしたうえで、共通の目的を設定しにいくことが求められる。

外部から人材を採用できない・辞めてしまう原因として、旧来型のマネジメントや処遇方針が挙げられる。既存のルールや制度を踏襲するのではなく、外部人材の特性を踏まえて柔軟に変えていく。マネジメントは、上意下達に寄ったものではなく、現場に権限委譲し自律性を重視する形とする。評価も自律性を促進する形に変更する。金銭面の報酬は市場水準を参考に検討・設定し、スキルや経験を積める機会も積極的に提供していく。効率的に業務を遂行できる環境を整えていくことは言うまでもない。

社内から人材が集まらない原因として、新しい領域に挑戦し、もし失敗したら不遇な扱いを受けるのではという疑心暗鬼がある。勇気をもって挑戦した人材のキャリアが不利にならないよう配慮を行う。一旦、はしご外しがおきると、後に続く人材がいなくなる。社内に倦怠感が蔓延し、取り組み自体も頓挫しかねない。失敗は成功の糧であるということを社内に啓蒙していく必要がある。

社内の人材を育成できない原因として、業務に即した必要な知識・スキルと経験の定義がなく、十分な育成機会がないことが挙げられる。まずは、業務に必要な基礎的な知識・スキルに対象を絞って集中的に身に付けさせる。そのうえで業務を通して、実務的なスキルを学ばせる。業務を通して経験を積むことに勝る学習方法はない。データ活用に関する見識を全社で高めていくためには、現業部門のメンバーを推進組織に一定期間配属させることも有効となる。

データ活用が全社で当たり前に行われている状態を作っていくためには、業務経験があり効果実感を持ったメンバーを増やしていくことが求められる。 

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田中 公康/Tomoyasu Tanaka

田中 公康/Tomoyasu Tanaka

デロイト トーマツ グループ アソシエイトディレクター

デロイト トーマツ コンサルティング アソシエイトディレクター。外資系コンサルティングファーム、IT系ベンチャー設立を経て現職。Digital HRとEmployee Experience領域のリーダーとして、デジタル時代に対応した働き方改革や組織・人材マネジメント変革、などのプロジェクトを多数手掛けている。 直近では、HRテック領域の新規サービス開発にも従事。講演・執筆多数。Licensed Scrum Master保持者。