生命保険ビジネスを営むクライアント企業には、既存チャネルでは十分にリーチできていない顧客層がおり、当該層へ如何にアプローチし事業機会を捉えていくかがチャレンジでした。

リーチできていない多様な顧客にアプローチすべく、異業種を含めたアライアンス戦略、営業戦略、デジタル戦略、商品・サービス戦略、チャネル戦略およびオペレーション・IT設計など、多岐に渡る検討が求められていました。一方で、それらの戦略や計画を絵に描いた餅で終わらせることなく、確実に実行に繋げ、推進していくことに対してもクライアントの強いニーズがありました。

そのため、幅広い経営アジェンダに対し手触り感のある戦略を描き切り、クライアントと一体となってEnd to Endでサポートできるデロイトの体制・ケイパビリティを評価いただき、プロジェクトの受注に繋がりました。

プロジェクトに関わるメンバーと役割

これまでのべ100名程度のメンバーがプロジェクトに関与しました。

検討領域が多岐に亘ることもあり、保険ユニットを中心に、クロスユニット（Strategy/Monitor Deloitte・M&A・カスタマー・オペレーション・IT等）、クロスエンティティ（DTFA・DTRA等）で様々な領域からその領域の知見を有した多様なメンバーが参画しています。

クライアントリレーションや保険業の広い知見を有する保険ユニットを中心に、アライアンスやデジタル戦略領域ではStrategy/Monitor DeloitteやM&Aユニット、ITオペレーション領域では当該領域の専門ユニット、GRC（ガバナンス・リスク・コンプライアンス）観点ではDTRAと協業・連携するなど、各々の専門性や強みを発揮できる体制で推進しています。

クライアント内で各種ワーキンググループが並行して進む大規模なプロジェクトのため、クライアントとの意思疎通および各ワーキンググループ間での情報共有・認識合わせが重要となります。
そのため、クライアントを交えた横断的な会議体での活発なディスカッションや、横串を意識した課題リスクのモニタリングなどを通じ、大規模プロジェクトで陥りがちな縦割りの弊害を排し、プロジェクト内のコミュニケーションを円滑化しています。

また、プロジェクト推進・管理にあたっては、クライアントとコンサルタントという関係性を超え、共通の目的に向かうプロジェクトメンバーとして一体運営を心掛けています。プロジェクトメンバー一人ひとりが当事者意識を持って取り組むことが、このような大規模プロジェクトを成功させる上での大きなポイントとなります。

本案件ならではの難しさややりがい

検討領域が多岐に亘る大規模プロジェクトのため、ともすれば各領域が縦割りとなり領域横断テーマや領域の境界テーマへの対応が不十分となる懸念があります。

そのため、プロジェクト中盤より全体プロジェクトマネジメントオフィス（PMO）機能も増設しました。PMOが各領域に入り込んで情報収集を行い、リスクの芽を早期に把握したうえ、複数領域に跨る、または狭間領域の対応事項や課題を拾い上げ対処するなど、課題リスクのモニタリングやプロジェクト管理機能を強化してきました。それら大規模プロジェクトゆえの難しさがある一方で、保険会社の未来を担うプロジェクトに携わり、新たな事業創造に関与している点、そしてクライアントと二人三脚で課題を乗り越えていく点にやりがいや達成感を感じます。

保険業界は、法令・規制の変化やテクノロジーの進展に伴い、過去に例を見ない変革期を迎えています。人口減少、少子高齢化の影響により既存ビジネスのみでは成長が困難になってきており、また、一方で顧客の期待や要求は多様に変化し、従来の保険会社のビジネスモデルも進化を余儀なくされています。

これらの事業環境下において、各社が抱える課題・ニーズも複雑化・多様化してきています。保険ユニットでは、保険会社の事業戦略策定、新規ビジネス検討、DX推進、業務効率化、IT構想など、様々な経営アジェンダに対し、知見を有した多様なメンバーとともに、クライアントと一体となりEnd to Endでご支援できることが特色です。