サービス

海外腐敗行為防止法(FCPA)関連サービス

FCPA(海外腐敗行為防止法)、英国贈収賄禁止法(UK Bribery Act)をはじめとする各国の汚職防止法対応関連サービス。コンプライアンスプログラム構築、内部監査、第三者デューデリジェンス、企業買収(M&A)局面における贈収賄リスク管理といった平時の対応、および贈賄の兆候発覚時の社内調査や当局調査対応への支援を行います。

FCPA(海外腐敗行為防止法)とは

汚職法における国際的取組強化の時代へ

世界経済が世界金融危機の混乱から緩慢ながらも回復し始めていますが、それは単なる景気の回復ではなく、ビジネスの場所、ルール、競争相手、さらにはマーケットそのものも変わってしまうような変化を伴うものです。このような中で、新たな市場を求める企業が国境を越えてビジネスを行うためには、ますます公正な競争が求められます。公正な競争を確保するために、ダンピング、カルテル、贈収賄等について厳しい対応が求められ、国際機関や各国政府もより積極的かつ厳格な対応をとる方針を示しています。特に、1999年のOECD贈賄防止条約の発効後は、外国公務員等への贈賄に対する法制度が各国で整備されるようになり、ここ最近、取締りも強化されています。

FCPA(海外腐敗行為防止法)は適用範囲が広範囲

また、世界に先駆けて制定された米国の海外腐敗行為防止法(Foreign Corrupt Practices Act 「FCPA」)においては、適用対象が広範囲にわたるため、グローバルに活動する多くの企業にも影響を与えています。米国当局によるFCPA違反の摘発件数の増加、さらに、罰金・制裁金の額、対象企業の業種や国籍の多様化という点からも、ご紹介するFCPA対応プロセスは今後、グローバル企業にとって模範的な汚職および不公正取引対応の構築モデルとして役立つと考えられます。

新興国市場を含めた多様な国々への海外展開が加速する日本企業でも、外国公務員等に対する贈賄のリスクが高まっており、汚職行為リスク、特にFCPA(海外腐敗行為防止法)違反リスクの評価を行った上で、コンプライアンス体制の構築およびモニタリングを実施することが必要です。 

FCPA違反防止のために企業が対応すべき事項

汚職行為とは、一般的に公務員等の特定の地位にある者が、その地位や職権等を利用して収賄や個人の利益を図る等の不正行為を実行することです。
企業による第三者への支払いやその約束が汚職行為として認定されるリスクがあります。汚職行為には贈収賄、キックバック、不正入札、利益供与の強要、違法な謝礼等の様々な形態があり、何が汚職行為になるか、また、どのような手法を用いれば発見しやすいか等を理解することは、汚職行為を防止するための有効なコンプライアンス体制を確立する上で重要です。

・効果的なコンプライアンスプログラム確立支援サービス
・汚職行為リスクワークショップ支援/関連教育研修
・汚職行為リスク診断/GAP分析
・コンプライアンス違反の調査
・内部監査支援/FCPAデューデリジェンス

コンプライアンスプログラム確立支援サービス

効果的なコンプライアンスプログラム確立支援サービスにおいては、企業の内部統制等を生かし、企業独自の汚職行為リスクマネジメント戦略の策定および実施を支援します。特に執行当局に抗弁できるレベルの効果的なコンプライアンスプログラムを確立することが重要です。

デロイト トーマツ グループでは汚職行為リスク評価および汚職行為リスク診断によって汚職行為リスクの発見・予防を提案し、教育支援を中心としたリスクマネジメントサービスを提供します。

【提供サービス】
・効果的なコンプライアンスプログラムの周知、運営支援 など 

汚職行為リスクワークショップ支援/関連教育研修

企業の外部環境・内部環境にフォーカスした汚職行為リスクワークショップ開催の支援をします。汚職行為リスクについてのコミュニケーションを促進することで、潜在的な汚職行為リスクの発見、理解共有、自主的な予防策の実施という効果が期待できます。
また、各階層を対象とした、参加型研修を支援します。経営課題の棚卸しのためのシナリオライティング、対応優先度特定のためのファシリテーション、日常的管理と危機管理等を盛込み、企業目標達成に対する課題認識の共有という効果が期待できます。

【提供サービス】
  • 汚職行為リスクワークショップの企画・実施支援
  • 汚職行為リスク研修
  • 汚職行為リスク棚卸支援
  • 全社的汚職行為リスク評価支援 など 

汚職行為リスク診断/GAP分析

汚職行為は類似したパターンに従って発生することも多いため、実践的な汚職行為防止策を導入することによって発生可能性を低下させることが可能です。汚職行為リスク診断方法を採用し、汚職行為リスクの診断を行うと共に、その発見・予防策を提案します。

【提供サービス】
  • 反汚職法プログラムの策定
  • 汚職行為リスク診断
  • 汚職行為リスクの評価支援 など

コンプライアンス違反の調査

コンプライアンス違反調査においては、汚職行為の背景や損害規模などの事実解明および調査手法調査スケジュール、調査報告書の作成など、解決のための具体的アドバイスを行い、社内調査を支援します。これにより、各種ステ―クホルダーに対して企業は誠実に対応することができます。

また、事実解明調査、要因分析を通じて構築した是正措置の実施により、企業の社会的価値の回復を支援することができます。

【提供サービス】
  • 社内調査の支援、外部調査委員の派遣
  • 汚職行為の兆候や疑いの評価、調査計画の作成
  • 経営者不正、従業員不正の調査および実態解明
  • 専門家によるインタビュー
  • 電子データを含む証拠の収集、分析、提示
  • コンピュータ・フォレンジックの実施
  • 汚職行為による損害額の算定支援
  • 内部統制の改善支援
  • 執行当局対応等支援  など

内部監査支援/FCPAデューデリジェンス

内部監査支援

汚職行為を発見できる唯一絶対的な監査手続は存在せず、また具体的な汚職行為の手口のイメージがないと汚職行為を早期発見できるような監査は実施できません。通常のリスクアプローチに基づく監査に不正調査手法である仮説検証アプローチを加味した独自のアプローチにより、企業の内部監査を支援することができます。これにより、有効な内部監査の実施が期待できます。

【提供サービス】
  • 不正討議の実施支援
  • 不正に関する情報収集・分析支援
  • 不正対応監査実施支援
  • CAATs実施支援  など

 

FCPAデューデリジェンス

内部監査支援はグループ内へのアプローチであるのに対し、FCPAデューデリジェンスはグループ外へのアプローチになります。

FCPAデューデリジェンスとは、企業買収(M&A)等の局面においてFCPA(海外腐敗行為防止法)が規定するコンプライアンス遵守体制の評価および違反取引の検証等を目的に実施するデューデリジェンスです。適切なFCPAデューデリジェンスを実施しないと偶発債務を継承(Successor Liability)してしまう可能性が高まり、統合後にFCPA違反が発覚すると多額の制裁金を科せられる結果となります。

フォレンジックサービスでは、コンプライアンスプロセスおよびビジネスプロセスの両面から、また、対象会社の電子データを効果的に利用しFCPAデューデリジェンスを実施します。

【提供サービス】
  • エージェント等の利用状況の把握、分析
  • 政府保有の顧客との商業取引状況の把握、分析
  • ジョイントベンチャー事業や大規模開発事業状況の把握、分析
  • 関税、出入国、税金、ライセンス、免許等の支払い状況の把握、分析
  • 政府等と直接的・間接的に取引を行っていないかの検証
  • 対象会社に実効性のある内部統制が存在しているか   など

おすすめの記事

シリーズ:丸ごとわかるフォレンジックの勘所

フォレンジックの勘所を不正の予防・発見、対処、再発防止の全プロセスにわたり、複数回に分けて紹介します。

■ シリーズ:丸ごとわかるフォレンジックの勘所

 

基礎からのフォレンジック講座

フォレンジックに関する基礎知識を基礎からわかりやすく解説する講座方式の連載記事です。企業の不正リスクや係争・訴訟に関するスキルなど、事例を踏まえた実践的な内容でお届けします。

■ 基礎からのフォレンジック講座
  -不適切な会計処理、資産横領、贈収賄、情報漏洩など企業の不正リスクについて学ぶ
 
調査レポート

企業の不正リスク調査白書 -Japan Fraud Survey 2018-2020

上場企業3,653社を対象に「社内外コミュニケーションや不正の実態」、「不正への取り組み」という2つの側面からアンケート調査を行い、303社から得た回答より結果を分析。また調査結果に言及した有識者のインタビューや、不正リスク対策分野に詳しい第一人者による対談を収録しています。

■ 企業の不正リスク調査白書 -Japan Fraud Survey 2018-2020