サービス

係争・訴訟関連サービス

近年、企業は訴訟に関与する機会が増加し、また企業間の紛争は複雑化しています。この様な状況のもと、弁護士以外の専門家による合理的且つ効果的な財務分析や損害算定等、会計・財務等の専門家の支援が必要な状況が増加しています。

訴訟・係争の当事者になった時に

近年、企業はこれまで以上に多くの訴訟を経験し、また企業間の紛争は複雑化しています。この様な事業環境に対応するため、訴訟当事者である企業には、係争・訴訟に関するスキルや経験が求められるようになってきています。弁護士以外の専門家の活用は欧米では一般化しており、日本企業でもそのニーズが着実に増加し、合理的かつ効果的な財務分析や損害算定等、会計、財務等の専門家の支援を受ける必要が生じてきました。

デロイト トーマツ グループでは、技術革新やグローバル化によって複雑化したビジネス紛争や企業内不正に対応するため、グローバルネットワークを活用し、弁護士との連携や関係当局等のニーズを調整しながら、さまざまな局面で企業を支援しています。
その中で、係争・訴訟サービスチームは、価値評価、財務分析、損害算定、知的財産権、フォレンジック会計、コンピュータ・フォレンジックの専門家によって構成されており、係争・訴訟に関わる経験も豊富に持ち合わせています。
また、スタッフの多くは海外業務の経験を有したバイリンガルでありデロイト トーマツ グループに在籍する150カ国以上に及ぶ約20万人の専門家たちのノウハウを用いて、お客様のご要望に応じたきめ細かいサービスを提供します。 

訴訟の各局面と提供サービス

デロイト トーマツ グループでは、民事訴訟における様々な局面において企業を支援しています。米国を例によると、下記のプロセスそれぞれにおいて、以下の多様な訴訟関連サービスを提供しています。

【準備段階】
 (1) E-ディスカバリー・レディネス

【ディスカバリー】
 (2) E-ディスカバリー業務

【ドキュメント・レビュー】
 (3) ドキュメント・レビュー
 (4) コンピュータ・フォレンジック
 (5) データ分析

【係争・訴訟コンサルティング】
 (6) 係争コンサルティング(損害額算定を含む)

【専門家証言】
 (7) 専門家業務

【その他‐特に専門性・知見の高い業務領域】
 (8) 規制当局対応(支払能力分析を含む)
 (9) 知的財産コンサルティング
 (10)合弁事業関連業務
 (11)専門家裁定

各々のサービス詳細は下記を参照ください。 

(1) E-ディスカバリー・レディネス

不正やサイバー犯罪の脅威と複雑性は、急迫のものとなっています。当社は、顧客におけるフォレンジックデータ・レディネスを向上し、信頼性のある電子データ証拠を収集し、不正調査のコストを最小化するための支援を提供します。

【業務提供例】
ある日系金融機関がITセキュリティー監査を実施した際、もしサイバー犯罪が起こった場合には、複数のシステムやデバイスからデータを取得するのに多大な時間がかかることが判明した。そのため、デロイト トーマツ グループは、専門家による分析、情報システムのレビュー、および事業プロセス計画サービスを実施し、当該金融機関が将来的にE-ディスカバリーを行う際の作業を効率化するための支援を行った。 

(2) E-ディスカバリー業務

当局調査対応やクロスボーダー紛争、国際訴訟などのグローバルリスク対応ではE-ディスカバリーの手続が求められます。E-ディスカバリー対応はEDRM(電子情報開示モデル)に沿って調査を進めますが、電子情報は言葉やソフトウェアに応じた処理方法が必要になることや膨大な電子データを一度に処理しなくてはならないことから、専門家を活用し効果的に調査を進めることが必要とされています。
また国を跨いだ調査対応も多くグローバル対応の可否は専門家の採用の重要なポイントになっています。
デロイト トーマツ グループでは専門家としての事務的対応能力、企業状況に応じたアドバイスや事前準備のコンサルティングなど幅広い価値を提供しています。日本を含めた各国のラボとデータセンターを保有し、調査対象国内で全ての対応ができます。また経験豊富なプロダクトマネジャー、エンジニアを抱えており、言語やソフトウェアに応じた処理、特にアジア言語で問題となることが多いCJK対応(中国語、日本語、ハングル)においても正確な処理が可能です。

【業務提供例】
米国において集団民事訴訟を提訴された日本企業に対しE-ディスカバリー業務を提供。デロイト トーマツ グループのグローバルネットワークを駆使して日本国内だけではなくアジア、北米、ヨーロッパの子会社においてもデータ保全を行い、各国言語に対応した効率的な作業を実施した。

※E-ディスカバリーの更なる詳細は、こちらを参照。 

(3) ドキュメント・レビュー

E-ディスカバリー等で大量の電子文書(PCやサーバ内のEメールやドキュメント・ファイル等)のレビューが必要になった際には、多言語文書への対応を含め、クライアント企業やその弁護士と連携した包括的なプロジェクトマネージメントが求められます。
デロイト トーマツ グループでは、豊富な人材リソースとレビューシステムを活用した効率的なレビュー体制を構築し、多言語、数十万、数百万を超えるような大量文書レビューにも柔軟に対応しています。

【業務提供例】
カルテル調査案件において、約30万ファイルのレビューサービスを提供。効率化を図るため文書の重要度と関連製品ごとの分類を行ない、無駄な文書を除外し、弁護士レビューの効率化に貢献した。また、関連性無しと判断された文書についても平行してチェックし、漏れの無いレビューを実施した。 

(4) コンピュータ・フォレンジック

デロイト トーマツ グループでは、不正会計、情報漏洩、不正アクセスを始めとするさまざまな不正事案においてコンピュータフォレンジックを活用した強力なデジタル調査のサポートを行っています。
フォレンジックテクノロジーラボには強力なワークステーション、独自のデータセンターには調査専用の多機能サーバを配備し、高度でパワフルな調査・解析能力を備えています。
また、捜査当局での調査経験、巨大会計不正や不正アクセスの調査など、幅広い知識や豊富な経験を有する専門家が、初動調査から本格的調査まで、全容解明に向けた証拠収集・解析を行ないます。

【業務提供例】
不正調査の一環として、関与が疑われていた従業員約20名に対し、Eメールを含む電子データを保全した。使用者により削除されたファイル等も復元した上で分析を行い、各人の役割や不正への関与度合が明らかになった。 

(5) データ分析

デロイト トーマツ グループの専門家は、経済、財務、数値化等に関する高度な技術を用いて、規制当局または弁護士あるいは企業が抱えるビジネスや法律の問題に取り組みます。例えば、経済および統計モデルを開発し、「ビッグ・データ」に関する先進的な解析ツールを用いて、複雑なデータのパターンや相関を解明したり、合意した前提に基づいて将来予測を行います。

【業務提供例】
カード会社のデフォルト債権に関する回収率分析モデルの作成サポートを実施した。 

(6)係争コンサルティング(損害額算定を含む)

デロイト トーマツ グループは、理論構築・ディスカバリーから専門家証言まで様々な局面において、幅広い財務の知見と有用な情報を提供します。
潜在的損害、係争相手の主張についての強みおよび弱み、和解オファー、費用対効果検証に関し、分析や情報提供等を行い、顧客が係争戦略を効果的に実行することを支援します。
また、さまざまなビジネス係争の場面において、マーケット・競争環境分析、費用確定、逸失利益分析、経済分析、統計分析、業界分析等のサービスを提供します。当社の知見・経験を用い、係争の争点に合った信頼性のある損害算定理論モデルの構築を支援し、係争相手の主張の評価においても有効な支援を行います。

損害額算定/Damage quantification
自社または他社の債務不履行等によって発生した損害額を客観的に算出するサービスです。通常、係争の当事者によって責任範囲の認識等が違い、損害額の主張が互いに異なります。
損害額算定にあたっては、対象となる係争において、債務不履行に起因する(因果関係のある)損害額を客観的な証拠に基づき算出することで、係争当事者の争点を明確にします。損害賠償額を算定する際に、合理的な前提条件を設定し、損害額や逸失利益(得べかりし利益)の算出を行います。また、係争当事者の両者から依頼を受けて、中立的な立場で損害賠償額を算出するケースもあります。

【業務提供例】
• 仕入先の製造した部品の欠陥により、自社製品がリコール・販売停止となり、損害が発生したため、仕入先に対し請求する逸失利益等の算出を行った。
• 製造委託契約の相手先の問題により、新製品の販売が大幅に遅れたため、逸失利益を算出した。 

(7) 専門家業務

デロイト トーマツ グループは、あらゆる種類のビジネス紛争に対して専門家証言を行っています。具体的には、弁護士やクライアントの依頼に基づいて、独立した客観的な立場で専門家証言を行い、紛争における請求金額の妥当性を具体的に検討したり、会計報告や外部監査での過失責任が疑われる場合に証言を行ったりします。当社のシニアメンバーは、国内および国際的な訴訟や紛争の経験を有しています。

【業務提供例】
• 係争当事者間の和解交渉の際に、損害賠償額算定の根拠につき説明し、争点を明確にした。
• 契約違反に関する訴訟において、専門家として原告側の損害算出の手法・根拠等について証言した。 

(8) 規制当局対応(支払能力分析を含む)

米国司法省(DOJ)、証券取引委員会(SEC)や英国重大不正捜査局(SFO)などの規制当局により、贈収賄やカルテル等の調査を受けた際、企業が消極的な対応をするか、もしくは、徹底した社内調査や積極的に情報提供することで当局の捜査に協力的姿勢を示すかによって、制裁内容・金額に大きな影響を与えることがあります。デロイト トーマツ グループでは、規制当局対応を支援するサービスを提供します。

【業務提供例】
• 日本企業の南米関連会社において政府関係者への贈賄の疑いが浮上したため、コンピュータ・フォレンジック等を含む実態調査を実施した。対象会社は米国統括子会社の傘下にあり米国海外腐敗行為防止法(FCPA)の適用を受けるため、違反行為の有無等について検証を行なった。
• 米国司法省にカルテル容疑で摘発された自動車部品製造メーカーに対し、米国で販売された完成品(自動車)に関する当該メーカーの販売実績を算定した。

支払能力分析/Ability to pay analysis
世界規模で活動する日本企業は、様々な国(法的権限の管轄区域)の独占禁止法取締当局から調査を受ける可能性があります。当局から適正な競争を阻害する行為があったと認定された場合、”ability to pay” analysis(支払能力分析)を実施し、企業存続の見地で支払可能な損害賠償額を算出することが必要になることがあります。デロイトは、独立した会計専門家として、当該企業のキャッシュフローや財務健全性の分析を行ない支払可能額を算出すると共に、当局に提出する算定根拠や証拠書類等を準備します。また、必要に応じて当局との協議を支援しています。

【業務提供例】
米国司法省にカルテル容疑で摘発された日本企業に対し、支払能力分析を実施した。その結果、制裁金が大幅に減額された。

(9) 知的財産コンサルティング

ご承知のように、日本の経済力の源泉は、消費財から工業用途に及ぶ知的財産の創造及びその基盤に基づいた人的資本の有効利用とも言えます。知的財産と比べて事業全体の価値評価は比較的容易ですが、個々の技術的要素に起因する知的財産の価値は不明確なことがあります。デロイト トーマツ グループは財務報告、M&A、経営計画策定の際に、これまで蓄積した知的財産評価の経験を生かして、初期段階、成熟期における個々の知財価値評価、適正なロイヤリティ率算定やライセンス調査等を行います。

【業務提供例】
• 触媒技術に関する特許・技術のライセンスアウトについて海外企業と交渉するにあたり、ロジック策定とロイヤリティ料率の分析を実施した。
• 海外のJV先に製造技術供与を行うにあたり、対価の受取方法の設計(一時金/ロイヤリティ)、及び対価水準に関する分析を実施した。
• 光学ディスクに関する特許を保有する日本企業とそのライセンシーである台湾企業が、過去に支払われたロイヤリティ金額の適正性について係争となった。交渉は暗礁に乗り上げたため、当該日本企業はライセンス契約上の監査権を行使し、その調査をデロイトに依頼した。その結果、特定の顧客に対する売上をロイヤリティ報告に含めていなかったことが判明し、遅延利息を含め約90万ドルがライセンシーから支払われることとなった。

※ライセンス調査の更なる詳細は、こちらを参照。 

(10)合弁事業関連業務

日本企業の海外での合弁事業の多くは経営陣として日本から数名常駐するのみで、オペレーションは現地の相手企業側が実質的に行なっているため、合弁会社の経営実態が把握できていないことがあります。
経営状況の懸念や相手企業による合弁契約違反が疑われる場合、契約条件に定める方法により事実調査や情報分析を行ないます。また、合弁事業からの撤退や相手企業との合弁関係の解消検討時において、売却価格や条件等について当事者間で意見の相違がある場合には、専門家から公平かつ合理的で関係者が納得できるアドバイスを得る必要が生じます。デロイト トーマツ グループは、何十億ドルもの規模の合弁事業に関して企業価値評価、ストラクチャーに関する助言、デューデリジェンス、会計サービスなどを提供してきた経験があります。

【業務提供例】
• 現地相手企業が合弁会社の管理・運営を行なっていたが、合弁事業の利益が相手企業に流出している疑いがあり、合弁契約の監査権を行使し調査を実行。その結果、マネジメント料、ITサポート料など様々な名目で、多額の費用が相手企業に支払われていることが判明した。
• 合弁会社の出資企業2社の関係が悪化し、合弁解消の取引価格の交渉が長期化し、両社間での交渉が困難になったため、中立的な立場から株式価値の算定を実施した。 

(11)専門家裁定

当事者間の合意事項や企業や団体の約款に基づき独立専門家を任命して裁定を行う場合、裁定者が最終的な結果を信頼するためには、そのプロセスは綿密で公正かつ効率的であることが求められます。
当社のチームは、事業持分や株式または資産の価値評価に関する豊富な専門的知見を有し、問題が複雑で金額的に重要な場合にも対応することができます。

【業務提供例】
支配権の争いに端を発して低廉譲渡された株式の公正な譲渡価格の算定について、裁判所からの依頼をうけて鑑定評価を行った。 

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