Human Capital | オファリングサービス

事業の継続的成長に貢献するグローバルタレントマネジメント実現に向けて

人事の「ポリシー」「制度」「業務・システム」の高次標準化によるグローバル人事プラットフォームの構築、そしてその先へ

本プロジェクトの狙いや背景等

事業の成長戦略に不可欠な地域・事業・法人を横断するグローバルタレントマネジメントの実現

・日本を代表するグローバル企業であるクライアントでは、グループ全体で持続可能な成長を目指す中で、競争力ある事業を組み合わせた新規成長領域の開拓を推進しており、事業や法人の枠を超えたタレント配置とナレッジ共有が必要になることが見込まれていました。また、各事業のグローバル化推進により国内人員は相対的に少数化し、海外人員比率が高まっていくことが予想されていました。
・上記を推進するために地域(国)・事業・法人を横断するタレントマネジメントが必要となる一方で、人事のポリシー・制度・業務・システムは、日本国内、海外で統一されていませんでした。これらのうち特定領域をグローバル共通の人事プラットフォームとして標準化し、質・効率性の高い人材マネジメントを実現することを目指したプロジェクトが発足しました。
・その中で、グローバル共通のシステム基盤としてはSAP SuccessFactorsを採用し、グローバルレベルの人材可視化・評価・目標管理・後継者計画に関わる業務を当基盤上で実現することを決定しました。

プロジェクトにかかわるメンバー及びそれぞれの役割について

グローバルタレントマネジメントのポリシー・制度・システムの構想策定から導入・展開を総合的にサポート

・本プロジェクトにおいて、デロイトは、新たなグローバル共通のパフォーマンスマネジメントポリシー・制度の策定に加え、その基盤となるグローバル人材システム構築の構想策定から海外への導入展開までを、総合的に支援しています。
・プロジェクト発足初期からの数年にわたる支援のなかで、30名を超えるデロイトのコンサルタントが参画してきました。大きく三つのチーム:システム導入におけるソリューションデザインや技術面のアドバイザリーを提供するITチーム、ソリューションのグローバル展開を人事業務・コミュニケーション観点で支援する地域展開チーム、パフォーマンスマネジメントポリシーの策定・社内浸透を支援する制度チームで構成され、それぞれの領域に知見を持つ、多様なバックグラウンドのメンバーが一丸となり推進に当たっています。
・プロジェクトにはデロイト以外にも複数の協力会社が参画し、ピーク時には国内外の80名以上がプロジェクトに関与していました。主要メンバーはプロジェクトルームに常駐しつつ、海外メンバーとはメール、テレビ会議、Skype、出張等の適切な手段を使い分けながら、円滑なコミュニケーションを推進してきました。

プロジェクトを成功させる上でのポイントやプロセスについて

1.グローバルシステム導入の目的と現実的な中長期計画の合意の徹底

本社視点からの導入目的のみならず、各国各社におけるメリットや活用イメージを具体化することにより、各ステークホルダーにとって必要なシステムであることを方針書として明確にしました。 また、 各社のシステム導入状況や業務・システムに関する課題感を確認したうえで、3年~5年先を見越した導入ロードマップを策定し、各国各社の主要なステークホルダーとのコミュニケーションをクライアントと協力しながら地道に実施したことにより、着実にプロジェクトを推進していきました。

2.グローバルレベルのでポリシー・制度検討とアラインしたシステム導入

グローバルレベルでの業務や評価・目標設定などの制度設計に対する支援を、システム導入と併せて実施することにより、本番稼働後の運用や活用を見据えたシステム設計を実現しています。また、人事部門とIT部門の両者に対し、それぞれの支援をすることにより、システム導入プロジェクトでありがちな業務とITのどちらも対応を見送るようなポテンヒットを拾うことができたことが、プロジェクトで大きな躓きがなかった要因といえます。

3.デロイトのグローバルアセットの最大活用

デロイトグローバルが持つプロジェクト管理などの方法論やSuccessFactorsの知見のみならず、グローバルリソース・ネットワークが、強力なサポートとなりました。現地のメンバーをプロジェクトに参画させ、ミーティングへの参加や課題解決に向けてディスカッションを実施することで、国や地域の特性や特有要件に関する問題を迅速に解決できました。

本案件ならではの難しさややりがい

日本大企業が抱える意思決定プロセスの複雑さ

・クライアントは、事業経営戦略としてカンパニー制と地域マーケティング組織からなるマトリックス体制をとっており、組織横断の変革を本社がトップダウンで進めるといったカルチャーや強いグローバルガバナンスが存在するわけでありませんでした。そういった日系グローバル企業のアウトバウンド案件の難しさの中でプロジェクトを推進するには、本社としてのグローバル方針・考え方を提示しつつ、その伝達と意思決定プロセスにおいては、各事業や地域の事情・考え方を理解し、ロジックと感情のバランスを取ったコミュニケーションが重要となります。

大規模グローバルプロジェクトの醍醐味

・海外の様々な地域に広がるクライアント現地法人との折衝は、国内で完結するコミュニケーションよりも格段に複雑性・難易度が高まります。事前の予測と準備の重要性は言うまでもありませんが、日々変わる各国最新の法規制の潮流や社会動向、異なる文化の人柄を受け止め、想定外の出来事も柔軟・迅速に対応しながら、クライアントと二人三脚でプロジェクトを進めています。
・クライアントの重要なイニシアチブを長期に渡り支援させていただくことで、初期のハイレベルな戦略・コンセプトの検討から、施策・システムの具体的な内容設計を経て、それらが社内で実際に活用されていく様を(課題含めて)リアルに見聞きし、次の打ち手を一緒に考えていくことができる。そこにコンサルタントとしての大きなやりがいがあります。

本案件における、DTCならでは、または、Divisionならではの取り組み

総合的な人事コンサルティングファームとしての強み

・構想策定で終わらない、実行フェーズにおける現場に入り込んだ強いコミットメントとプロジェクト推進力が、大規模かつ長期に渡るプロジェクトでクライアントから選ばれている理由の一つだと考えます。加えて、人事変革×IT×グローバルの三領域の先端スキル・知見をもつリソース体制を組み、バリュー提供ができる点も、デロイトHR Transformationユニットの強みと言えるでしょう。
・また、本案件から派生して、働き方改革やDiversity & Inclusion推進といった、企業にとって重要性の増している人事施策をご支援させていただくなど、DTC HCチーム一丸となってクライアントの課題感に向き合っています。

クライアントとの長期的な信頼関係の構築

・プロジェクトの大きなマイルストーンは達成しましたが、次の重点領域として、グローバル人事プラットフォームの更なる活用と事業貢献に向けた施策の検討を、事業部・地域と議論しながら進めています。システムを構築して終わるのではなく、一度出した答えをクライアントと一緒に再検証し、IT・人事施策両面でソリューションの精度と効果を継続的に高めていく取り組みができることは、中長期的な関係性があってこそ可能であると言えるでしょう。

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