Globalizing Digital Enterprise | オファリングサービス

グローバルレベルでの業務標準化、基幹システム統合を支援

各国個別の業務プロセスとシステム統合により、継続的利益成長を実現するためのグローバル共通プラットフォームを構築

本プロジェクトの狙いや背景等

ビジネス状況がめまぐるしく変化する中、世界をリードし持続的利益成長(Modern Finance Transformation)を実現するため、グローバルレベルでの業務の標準化・シンプル化、データ分析の高度化、そしてそれによる意思決定の迅速化が求められていました。これを実現するため、世界各国でバラバラであった基幹システムをSAP S/4HANAに統合する事とし、それをグローバルでワンインスタンス化する事を、大きな経営目標として掲げられていました。
この壮大なプロジェクトは対象会社をリージョン単位に大きく3つに分ける事とし、日本/アジアでのS/4HANA導入を皮切りとして順次他リージョンへの展開を行うというアプローチが取られる事になりましたが、その第一ステップである日本/アジアでのS/4HANA導入、そしてそれに伴う業務標準化が本プロジェクトの至上命題でした。
このプロジェクトは単に日本、そしてアジアの業務プロセスの標準化だけでなく、今後のグローバル展開におけるテンプレート構築という意味合いもあったため、個々の決定事項に際して都度グローバルの合意を得て進めるなど、常に今後の統合を意識する事を求められました。

プロジェクトにかかわるメンバー及びそれぞれの役割について

本プロジェクトは日本のみならず、アジア4か国の販社のシステムを同時に刷新する事が求められていました。そのため、デロイトのグローバルネットワークを駆使し、各国メンバーファーム(US/UK/CN/TW/KR/SEA)から多くのエキスパートが参加、日本ではDTC以外に監査・税理士法人の参画もあったため、関与者数は1年半で延べ450名にのぼりました。
プロジェクト主体はDTC、その下にデロイトUS始めとするメンバーファームが位置する形とし、開発はデロイトUSアンダーのインド2拠点の開発センターを利用しました。また、アジア各国にはデロイトのメンバーファームから数名が常駐する形を取りましたが、日本およびUSメンバーも出張ベースでクライアントを訪問し、日本側の要件をベースに各国要件とのGAPを議論し、グローバルでシステムデザインを行った形です。
また、プロジェクト後半ではクライアントの米国HQとの連携も密に求められたため、デロイトUSが主なコミュニケーションを担当し、DTCは日本・アジアのプロジェクト推進にフォーカスするという役割分担を行いました。

プロジェクトを成功させる上でのポイントやプロセスについて

このような大規模な基幹システム刷新において、通常は構想策定フェーズをある程度の期間かける事が一般的ですが、その時間が無い中でのスタートとなったためプロジェクトのスコープが詳細まで確定していない状況でした。スタートしてからもクライアントからのスコープ拡張要請が幾つかありましたが、かなり慎重に議論を重ね、プロジェクト達成自体が非現実的なものにならないよう留意しました。また、いわゆるSAP標準機能に被せる追加開発についても、予算内・期間内に収まるように目に見えるキャップを設け、クライアント役員号令の元で不要な追加開発を行わない事を徹底しました。具体的には、開発を行う事案については全てその概要と必要性を役員の前でプレゼンし、それで是非を判断する形としました。これにより、元々使っていた旧バージョンに存在した追加開発を相当数撤廃する事に成功しました。
また、プロジェクトは開発を含めメンバーファームのリーダークラスを招聘し、同じプロジェクトルームで日本人と席を並べて作業して貰う事でコミュニケーションのスピードアップおよび品質向上を図りました。日本語で聞いた要件を英語で伝えると、どうしても語学力や先方の理解力によって認識齟齬が起きやすいものですが、全ての局面ですぐ会話できるという状況を作れた事は進捗に非常に寄与したと思います。また、ともすれば日本側で作業した方が早いと思われる内容についても、最後まで日本とメンバーファームの役割分担を曖昧にする事なく当初の役割分担を徹底、先方に改善を促す事で、特にUSファームのマネジメント層にもその責任範囲を意識、コミットさせていました。クライアントのマネジメント層だけでなく、メンバーファーム間の密なコミュニケーションも非常に大事なポイントであったと思います。

本案件ならではの難しさややりがい

導入スコープの広さ(FI/CO/SD/MM/GRC/VIM/MDG/BPC)に加え、海外を含めた複数拠点を1年半で同時Go Liveする、という非常に難易度の高いプロジェクトでした。また、システム導入は各国バラバラの要件をとりまとめ、グローバルレベルで標準化されたプロセスの上に載せる必要がありました。
これに加え、デロイトサイドだけでなくクライアントサイドを含めてStakeholderが非常に多く、言語の違い、時差を含めてプロジェクト全体の意思疎通、共通理解醸成には非常に苦労しました。
DTCにとっても大きな挑戦でしたが、本プロジェクトはクライアントのグローバルレベルでの業務標準化、基幹システム統合(グローバルシングルインスタンス)という悲願達成のための第一歩であり、その成否が今後のクライアントのグローバルレベルの戦略に大きな影響を及ぼすという、非常に重要なプロジェクトでした。デロイトメンバー全員がこの事実を認識し、それぞれの責任の重さを実感すると共に、やりがいを感じなければ成し遂げられなかったプロジェクトだと思います。

本案件における、DTCならでは、または、Divisionならではの取り組み

世界各国のメンバーファームにそれぞれの分野のエキスパートが存在し、彼らの協力がすぐに得られる状況にある事がデロイトの強みであると思います。本プロジェクトではアジア各国のメンバーファームの協力を得て、現地語を話せるメンバーを確保、それによりGo Live後もオペレーションのサポートを現地語で行う体制を構築しました。また、VIM(Vendor Invoice Management)のような日本では比較的導入実績の少ないモジュールについては、USの豊富な導入実績により蓄積されたナレッジの活用、エキスパートの協力を得る事で補完する事ができました。
これらコミュニケーションには英語が必須ですが、プロジェクトには英語が得意なメンバーだけが参画していた訳ではありません。元々英語が苦手なメンバーもいましたが、メンバーのサポートの中で担当できる部分を担当して貰う中で徐々に会話の頻度を上げていき、仕事をする上で十分な英語力を身に着けたメンバーもいます。ビジネス英語は実地で経験しないと中々身に付かないものですが、こういった環境が提供できたのも本プロジェクトのようなグローバルプロジェクトならではだと思います。

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